根が深い


思ったより事態は深刻みたいだ。

隣席の同僚がボソボソと小声で言う暴言を書き留める用のノートを持参した本日。
体調不良で当人が休みだった。

肩透かしを食らった気持ちだ。

***

倉庫にものを取りに行ったら、
いま私の向かいに座っている優しい女性の先輩と、
かつて私の向かいに4日しか座っていなかった、KO先輩が、めちゃくちゃ楽しそうに雑談していた。タメ口で。

このKO先輩は、ハンサムで、ワタリノの向かいに座ってたら俺のQOLが下がると陰で言って(聞こえてる)、早々に席を替えて視界から去った人である。

そりゃそうだ。
そんなに大きい会社じゃないから、
わりと皆んな知り合いだ。
一年前に入ったばかりの私以外は。

隣席の上司にそれとなく聞くと、
いまフロアにいる人たちはみな新卒かそれくらいで入社していて、
KO先輩もその一人であり、大変仲がいいらしい。
もちろん、隣席の同僚も。

要するに、私の味方なんて、ここには多分1人も作る余地がないんだなって思ったのだ。

私ごときが立ち聞きできるレベルで、
KO先輩は私の顔の悪さとか気持ち悪さを吹聴していたわけで、
つまり影ではもっと言ってるのだろう。
その人脈はかなり広い。
私が褒め称えるのもおかしなことだが、彼は世間でいう男前に属し、自信に溢れてて、コミュ力があって、いつも人を笑わせている。上役ともよく楽しげに話している。
当然のように仕事もできる。

そしてとりわけ、女性陣は、彼と話すとき、目が輝いている。

隣席の女性や向かいの女性など、
私の新しい居場所に思えた場所も、
多分、全然居場所ではないのだろう。

隣席の女性に対して失言をしたかもしれないと不安に思う気持ちもあったが、
多分、そのずっと前から私の悪評は聞いていたと思われる。

へえこれが噂のブスか、聞いてた通りキモいな〜ぐらいの心情で私と接していてもおかしくない。みんなね。

甘かったな。

私は何に傷ついているのだろうか。

たぶん新しい部署のみんなと仲良く仕事ができたら良いなと思っていたのだ。
頭の中お花畑だけど。
それがどうにも叶いそうになくて、悲しいんだな。

妄想は悪い方に転がる。
すべてが被害妄想だといいんだけど。

というかそう思いたい、ほんとは。

でも、もうそういうフェーズじゃない気がする。悪い方に悪い方に考えておかないとのちのち詰む気がする。

いや、もう詰んでる気がする。

1人くらい味方がほしい。

でも、きっといない。

***

良い人悪い人なんて区分けはナンセンスだ。
この比較的洗練された人が集う会社・コミュニティにおいて、
醜くてコミュ力が低い、私こそが紛れ込んだ異分子であり、それを積極的に攻撃して排除しようとするのは、良い行いなのだろう。
白血球がウイルスを追いかけ回して倒すのと一緒だ。

みな明るくて見た目が良くて話してて楽しいKO先輩のことが好きなのだ。
彼が私を侮辱することに異論を唱える者など、おそらくいない。
内心思っていても、表には出すまい。

ちなみに、面接で私を受からせてくれた上司はもう退社している。良い人だった。
唯一後ろ盾といえる人だったかもしれないが、私が入社して2ヶ月で、家庭の事情でやめて遠方に引っ越してしまった。

***

職場の人間関係なんてのはただの利益の融通であると思っている。等価交換である。

他人に快を与えられる者ほど他人から尊重される、それだけの話である。


顔が良いとそれだけで快である、
会話が巧みであれば共にいるのが楽しい、
仕事ができるなら会社に利益をもたらすから良い、

「こいつと仲良くすると良いことがある」
と思わせたモン勝ちの単純なゲームなのだ。

わたしはKO先輩と比べて、

同僚たちに何もあげられなかった、というだけの話だ。

顔でマイナスなのに、
会話も面白くなく、
むしろしゃべらせたら失言が多く、
陰気で、
真面目だけが取り柄である。
うちは全員真面目に仕事している。

他人によくしてもらってないのは確かだが、

私が他人に全くよくしてあげていないのもまた確かである。

そして、よくしてあげられる力が、私にはない。

完敗だ。

***

こんなことを書いてると死にたくなってくるし、辞めたくなってくる。
助けてほしい。
でも大人なので自分でなんとかするしかない。

ていうかもう開き直って生きていくしかないのかも。

加害者として。

周りの人を次から次へと嫌な気持ちにさせる、
ブスで陰気な人間として、
全うするしかないのかも。

読んでくださってありがとうございました。

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