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【熊本】火の国、 温泉と阿蘇の水の別荘暮らし


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阿蘇のある家の物語


熊本は火の国。

都心に比べて気候が穏やかで、心なしか気分がそわそわする。
空港からの道、火山灰をしきりに噴きあげる山を遠くに望みつつ車を走らせると、
そんなに急がなくていい、とでもいうように道はゆっくりとカーブを始めたので、ハンドルを握り直して山道を慎重に走らせる。

県道から案内に沿って道を折れると、北欧の住宅をそのまま再現したような街並みが現れた。
それぞれの区画は大きく、各戸の庭は綺麗に手入れされており、
この一帯には経済的にも精神的にも余裕がある住人が多いことがよくわかる。


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今から30年近く前に造成されたこの一帯は、スウェーデンハウスを建築条件にした高級別荘地だ。
中でも目指す渡り鳥ハウスは他の住戸の3倍の敷地面積に建てられていて、
そのたたずまいは近隣からも際立っている。


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北欧そのものといった建物が古さを感じさせないのは、
そもそもスウェーデン式住宅というものが家族3代100年にわたって暮らすことを前提に作られていると言われているからだ。
機能的かつ丈夫で長持ちするエコ住宅の走りといえるだろう。


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玄関からリビングに入ると、その開放感に息をのむ。
この渡り鳥ハウスは企業の保養施設として建てられたという。
従業員と、その家族が目を輝かせる様子がありありと目に浮かぶ。

30畳のリビングには採光ガラスからまぶしい光が降り注ぐ。
目を細め見上げると高い天井がある。
窓際には暖炉がある。
日本では決して売ってない北欧製の照明がある。
風呂の蛇口をひねれば少し濁ったラジウム泉が出てくる。


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ソファに座り庭の美しい芝を眺めていると時間が経つのを忘れそうになる。
私たちを優しく包むのは、北欧からやってきた木材の温もりだ。
家主と来訪客に愛された記憶がこの家に刻みこまれている。


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この場所には誰かを笑顔にするための設備が全て整っている。
あまりに美しいこのスウェーデンハウスはアートとしか言いようがない。
柱の小さな傷も経年変化も演出の一つ。
この空間は誰かを喜ばせるための完璧な舞台なのだ。


〈 豆知識 〉
阿蘇山と白川水源

熊本は「火の国」である。阿蘇市南部にある阿蘇山は五岳と呼ばれる5つの峰を持ち、活発な火山活動を続けている。阿蘇は「水の国」でもある。この一帯の土壌は地下貯水機能が高く、地表に降った雨水は阿蘇山周辺の砂れき層などをフィルターとして浸透し、やがて澄んだ地下水となる。天然の浄水装置で長い時間をかけて綺麗にろ過された水は、白川吉見神社の境内にある「白川水源」から毎分60トンの勢いで湧き出す。砂を吹き上げ地中から湧き出た美しい水は、やがて川となって流れ出し一級河川「白川」となる。名水と評判の高い柔らかく清洌な水をその場で口にすることもできる。

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〈 楽しみ方 〉
健康なカラダを楽しみながら手に入れる生活

南阿蘇村にある「阿蘇ファームランド」は「健康」をモチーフにしたテーマパークだ。東京ドーム21個分の敷地内には屋外遊戯施設や体験型の室内展示が充実しており、「楽しみながら健康になる」ことを目的としている。温泉やスパをはじめ宿泊施設も備えた人気観光スポットだが、九州全土から多くの人が訪れる人気の理由は親子が体を動かしながら一緒に楽しめる体験施設が充実していることにある。この施設の目的は健康増進。ともすれば負担になりがちな運動だが、心身ともにリフレッシュしながら病気になりにくい身体を手に入れることができるだろう。

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〈 家主様インタビュー 〉
"熊本県・阿蘇市 渡り鳥ハウス 家主 岸川様"
父から受け継いだスウェーデンハウス

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暖炉に火を入れたら、パチパチとはぜる火を見ながら静かに酒を飲む。
一人の時間もいいものです。

岸川様:熊本市内はもとより福岡からも抜群のアクセスを誇るこの一帯は、別荘地として造成され人気が出たエリアです。周囲の家すべての雰囲気が似ているのは、もともとこの土地には建築条件がついていて、建物をスウェーデンハウスで統一することで北欧のような街並みを作り出しているからです。

1973年のオイルショックのときに、石油資源を持たないスウェーデン政府が建築基準を設けたのがスウェーデン式住宅のはじまりです。高気密で断熱性が高く、エコハウスの先駆けとも言われています。地震にも強く、2016年の熊本地震でもこの家は甚大な被害は出ませんでした。


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熊本県・阿蘇市 渡り鳥ハウス 家主 岸川様


購入した私の父は、最初は分譲されていた1区画を買うはずだったんです。ただ、父の会社の従業員向け保養施設にするつもりでしたから、どうも手狭だと感じたようで3区画まとめて購入しこの家を建てました。

建物にはずいぶんお金をかけたようです。建材、屋根瓦、窓、家具はすべてスウェーデンから輸入しましたし、照明器具もスウェーデンのアンティークショップで買い付けてきました。リビングは船の舳先をイメージしているんですが、このランプは船の右舷と左舷で実際に使われていたものだそうです。


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福岡から車で1時間半で着くのでセカンドハウスとしてちょうどいいんでしょう。周辺のオーナーさんの半分は福岡からいらしています。会社を経営されている方や、先生と呼ばれる職業の方が多いようですね。みなさんここで心の洗濯をされているんでしょう。


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阿蘇といえば温泉ですが、この家にも天然ラジウムのお湯が引かれています。体がポカポカあたたまって、冬は湯上りに裸でテラスに出ても気持ちいいくらいです。美白効果もあるようで女性利用者からも評判です。

ゴルフ場も近くにあるのでいろいろと回れます。私はゴルフが好きなので、友人を呼んでラウンドしたら、夜は温泉に入ってからお酒を楽しみ、ゲストルームに泊まっていただきます。とても満足していただけますね。


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一人の時間もいいものです。暖炉に火を入れたら、その日はテレビはつけません。パチパチとはぜる火を見ながら静かに酒を飲む。そんな時間を楽しんでいただけたら嬉しいですね。




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