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経営の安定化に必要なこと。 まず「デシル分析」で優良顧客を見つけましょう。

あけましておめでとうございます。
株式会社和多利です。
年末に始めたばかりのnoteですが、今年もいろいろと情報発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、当社はポイントカードを運営している会社なので、
初回の記事では、まず「企業やお店側から見たポイントカードのメリット」についてお話しさせていただきました。

一言でいうと、ポイントカードは「手段」であって「目的」ではない、ということです。

お店にとって大事なのは、お店を愛してくれる常連さま。
これは人間関係と同じ構図ですね。

ただ、お店の経営となると、感情だけで済まされない分、シビアです。
特に今のコロナ禍では、好きだけど会えないキープディスタンス状態をも生み出し、
ますますシビア度が増しています。

そもそも常連さまの定義って、なんなのでしょうか?
毎日通ってくれる。毎週通ってくれる。毎月通ってくれる。
それは立派な常連さまです。
では実際のところ、全体売上の中で、どのお客様がどれだけの売上を作ってくれているか、把握できているでしょうか?

今回はお店の全体売上からデータとして常連さまを見つけるための手法「デシル分析」についてお話ししたいと思います。

■ デシル分析とは?

「デシル」とは、ラテン語で十分位数、つまり「10等分」「10分の1」などという意味です。
すべてのお客様の購買履歴データをもとに、購入金額の高い順にお客様を10等分して、各ランクの購入比率や売上高の構成比を出す分析方法が「デシル分析」です。

この手法は購買金額から算出するので、POSなどと連動しておらずお客様が何を買ったか分からなくても、顧客データさえあればじゅうぶん分析が可能です。
指標が少ない分、簡単に分析できるので、顧客分析の第一歩ともいわれます。

デシル分析

お店の売上を構成するお客様、という観点でみると、常連さまと優良顧客は少し趣が異なることがわかります。

たとえば毎日10円のガムを買いに来てくれるかわいい常連さんは大事なお客様ですが、売上に貢献してくれる優良顧客といえるかどうかはまた別の話ということです💦

■ デシル分析によって分かること

すべての顧客売上を10等分することにより、

1.  各ランクの顧客数
2.  各ランクの金額合計
3.  各ランクの構成比
4.  各ランクの累積構成比
5.  各ランク1人あたりの平均利用金額
6.  各ランクの利用金額倍率

を把握することができます。

デシル分析例

■ まずは自分のお店の顧客構成について把握してみましょう

デシル分析の分析期間は、目的に応じて設定すればよいので、特に決まりはありませんが、
初めてデシル分析をする場合は、まず1年単位でみてみるのはどうでしょうか。
それによって
「常連客の売上は全体売上の何パーセントか」
「常連客の売上平均はいくらか」

のほか
「常連客の売上は去年より上がったのか下がったのか」
「去年の常連客のうち何パーセントが今年も常連でいてくれているのか」

というように昨年対比を出すことができます。

あなたのお店の常連客は

■ デシル分析の結果をどう活かすか

一番大事なのはこの部分です。
分析結果をもとに効果的なマーケティングをすることこそが目的であって、デシル分析はそのための手段のひとつにすぎません。

要素による変動はあっても、基本的に購入金額の高いグループのお客様ほど購買力があり、購入金額の低いグループと比べて、お店の売上に大きく貢献していることになります。

また、売上金額だけでなく、上位グループの売上が全体売上の何パーセントを占めているかを知ることで、それを顕著に感じられることでしょう。

すべてのお客様に、同じ内容とコストで販促活動を行った場合、購買力の高いグループと低いグループでは、プロモーションの成果もそれに比例するのが常です。

つまり
・効果的なプロモーションの実施
・購買力の高いお客様の囲い込み

のために、どのお客様をターゲットにしてプロモーションを行うかは、費用対効果とリピート率向上に大きく影響する、重要な見極めポイントとなります。

では、デシル下位グループのお客様は切り捨てていいのか、というと、そういうわけではなく、上位グループとは異なるアプローチが必要だということです。

また、全体売上の構成比率によっても、どのようなマーケティング施策を行うべきかは異なってきますので、まずはデシル分析でお店の売上構造を把握してみましょう。

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