見出し画像

Green guy in our garden in Kamakura.

バッグデザイナーからフローリストへ転身されたフェルナンドさん。プライベートレッスンのためにブルックリンから鎌倉の稽古場を訪ねてくださいました。通訳は日本人の旦那さん。二人とも無茶苦茶穏やかで優しくて丁寧で嬉しそうにそこにいてくださって。こうした空気はこちらにも伝播します。時折小雨ぱらつく雲行きの怪しい午前中でしたが、山歩きで自然観察をしたのち、手土産のお茶菓子をいただきながら対話、そののち庭の草花を採ってお稽古をしました。

なぜ、僕なんだろう。

いけばなを教える先生はNYにも東京をはじめとして日本各地にたくさんいらっしゃいます。しかしながらわたしのところへ来てくださった理由を掘り下げることで、受講者の興味対象が朧げながら浮かび上がります。そうして言葉で対話し、ついで花で対話を重ねることで、交わる点を面にすべく一緒にいけばなを掘り下げていきます。

花材採集で庭に出たの時のことです。彼の表情を見て、ときに疎ましく刈られてしまう雑草を、こんなにも愛おしそうに選び扱うことができる人がいるのか、と心躍りました。

装花のニーズが以前に増して高いNYだそうです。そんな中にあってかつて師事していた著名なフローリストさんは育てる側に回って、大規模な装飾からは手を引いたんだよ、なんて話を教えてくださいました。

フェルナンドさんもまた、消費のありようや、自然との交わりを模索しているようです。この点、わたし自身も鎌倉に来てから考えることが増えましたが、ベースレイヤーに資本主義を据えた世界に暮らしていますから、なかなか簡単に答えが出せるものではありません。

「来年も日本に戻ってくる予定です、その時はまたこのスタジオに来てもいいですか」
「もちろんいつでも。きっと変わらずここで花をいけています」

鎌倉でのプライベートレッスンは随時、受け付けています。お互いの時間を調整の上での開催となります。ご興味ございましたらお気軽にお問い合わせください。

ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。