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Gucciにみる永遠と循環と。

表参道ヒルズに寄ると、地下で#GucciBambooSummerなるイベントが開催中。竹をハンドルに使ったハンドバッグにフォーカスしたインスタレーションです。暗闇に無数のライト、浮かび上がる青い地球、そして透明な球体に包まれたヴィンテージのバッグ、スペーシーな空間なぜに。

バンブーハンドルバッグは先の大戦後、物資不足を解決する手段として竹にフォーカスして開発されたそうですから7~80年近い歴史を持ちます。

使い込むほどに飴色の鈍い輝きを放つ竹は、花道家としては花材としての筍や青竹はもちろん、花入れや編み籠にも使われる馴染みの深い素材です。そして花入としてはとにかく長命ですし、バッグ用のマテリアルとしても同様でしょう。

日本はもとより、東南アジアなど分布地ではごくごく庶民的な存在である竹を使い、ラグジュアリーなバッグを作り出したGucciのアイデアたるやです。

会場出口近くで上映されていたムービーを見て空間構成に納得。
なるほど竹取物語か。


一点気になったのがエントランスの竹林。おそらく生の青竹にプラスチックの枝葉がつけられていました。葉っぱ、いるかな?

竹や笹は水が下がりやすく、葉は蒸散によってあっという間に乾いて縮れます。そのためいけばなにおいても特に扱いには注意が必要な花材です。とはいえ、蒸散で乾き切った葉は早々散るものではありません。

そもそも竹は地上高2.5m程度から枝葉が出ます。これだけの密度で青竹が用意されているのなら葉がなくても、竹林を演出するには十分だったようにも思います。

それでも、笹葉はムードを醸し出してくれますから捨てがたく。かといって枯れた姿は目に余る、なんて判断もラグジュアリーという響きやブランドを背負っていれば至って当然。この背景には西洋的なエタニティ、永遠を尊ぶ文化があるのではなんて思ったりもします。

Gucciやケリングはサスティナビリティの活動に熱心なグループのひとつです。
*参照

そうしたブランドが演出にプラスチックの葉を使うことに、わずかな澱みを感じました。西洋的なエタニティ思想は石の建築や芸術にも見て取れますし、時間軸で考えたらとても長く、人の手を経たものを楽しむことができます。他方変化を良しとしない側面もあり、日々刻々と流れゆく万物を維持することは環境に負荷を強いるものであります。

サスティナビリティとエタニティの折り合いをラグジュアリーは今後、どのようにつけていくのだろう、なんて考え見守るきっかけをもらいました。

さておき、ヴィンテージのバンブーハンドルバッグめちゃくちゃ可愛い買ったですし、職人さんのテーブルを再現したブースもワクワクものでした。

2023. 08. 10(Thu) – 08. 25(Fri)

*Closed on 08. 21(Mon)

11:00 – 21:00

*Last admission 20:30

ACCESS

東京都渋谷区神宮前4-12-10
表参道ヒルズ 本館 吹き抜け大階段 / B3F スペース オー

入場無料

*一部エリアは事前予約優先制です。グッチ LINE公式アカウントよりご予約ください。
*Free admission, priority to pre-booking in some areas. Please make reservations via Gucci official LINE account.

BOOK GUCCI BAMBOO SUMMER

ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。