いけばなとは、いけ手が考える美しさであり、心揺さぶられる存在を露わにすることです。
自然の中にあるままに心突き動かされるもの、その断片である”美しさ”、を見出したとして。切り出してうつわにすえるにあたっては、いけ手の”美しさ”についての嗜好や、ある種の哲学が露わになるわけです。写真家の作品にも同じことが言えるかもしれません。ただ、花をいけるにあたっては自然から家屋に運び入れ、命の繋がりを絶っている、という点で決定的に違い、今日もごちそうさまでした、といただくのです。あれ、スタジオ撮影だったら同じことが言えるのか…。ともあれ嗜好や哲学が反映されるとしたって、やはり花へのリスペクトと感謝は忘れないようにせねば。
ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。