舞台付箋 舞台『ちょっと今から仕事やめてくる』

舞台先輩に誘われたのでトライフル舞台を観に行ってきました。4/23昼公演観劇の記録。継続してきたものという柵や、慣例という名のレールに敷かれて生きてきた人間なのでダバダバ泣いた……

■公演概要

原作: 北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)

演出:町田慎吾
脚本:葛木英

主催・制作:トライフルエンターテインメント

公演期間
東京公演
2023年4月22日(土)~4月30日(日)
シアター1010(東京都足立区)
https://www.t1010.jp/

・グッズ販売
劇場販売
公式通販5/1より
通販 https://shop-ep.net/trifle_stage/
・公演パンフレット 2,000円
・個人ブロマイド 3種/600円
・2Lブロマイド(1セット1枚) 3種/600円

・チケット
一般 ¥9,300(税込)

舞台「ちょっと今から仕事やめてくる」来場者特典について
舞台「ちょっと今から仕事やめてくる」の劇場にて配布される、来場者特典が決定しました!
全10名のキャスト(アクター5名+パフォーマー5名)による、
直筆の≪ちょっと元気の出るメッセージカード≫となります!
終演後に劇場出口にてお配りいたしますので、ぜひお受け取りください。

※メッセージは各キャスト様それぞれ2種類で、全20種類ございます。
※ランダム封入となりますのであらかじめご了承ください。
※直筆メッセージはプリントとなります。
※Wキャストとなる SARO さんと村田さんは、
 その回に出演された方のメッセージカードをお配りいたします。
※メッセージカードの金銭での売買・譲渡などはご遠慮ください。

https://chottoimakara-stage.com/benefits.html

スタッフ
演出:町田慎吾
脚本:葛木英

主催・制作:トライフルエンターテインメント

■出演

青山隆:橋本祥平
ヤマモト:梅津瑞樹

五十嵐:中村太郎
部長:前田晃男
ヤマモトの母:甲斐田ゆき

■パフォーマー
Tap SARO /村田正樹 (Wキャスト)
Vocal 稲泉りん
Violin 後藤泰観

Keyboard&Vocal 杉本雄治

■声の出演
髙木俊 武藤晃子

■作品概要

原作は2015年刊行の小説、北川恵海著『ちょっと今から仕事やめてくる』。調べたら2017年に福士蒼汰氏主演で映画化もされている。バヌアツでもロケしたらしい。2019年にはオスカープロモーション・テレビ朝日主催で飯島寛騎主演で舞台化されているため、本作はトライフル2023年版と呼ぶかもしれない。

ストーリー
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した青山隆は、
無意識に線路に飛び込もうしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。
小学校の同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、
本物のヤマモトは海外滞在中ということがわかる。
なぜ赤の他人をここまで?
気になった隆は彼の名前でネット検索をするが、
出てきたのは三年前に激務で自殺した男のニュースだった―。
スカっとできて最後は泣ける、第21回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作が舞台化!

https://chottoimakara-stage.com/story.html

■舞台付箋

・作品名は知ってた。知ってただけだった
青山役を飯島寛騎氏、ヤマモト役を鈴木勝吾氏が演じていた2019年オスカーテレ朝版で原作の名を知ったものの、当時はなんやかやと理由をつけて観にいかなかったので、今度こそという気持ちで決めたのでした。トライフルならなんの心配もないし。と思っていたら冒頭のごっそりと表情の抜け落ちた電車のホームに立ち尽くす青山(橋本祥平)を目にして心の柔らかい部分がヒュッとしました。こわかった。

・所謂、社畜という痛みを伴うテーマ
ブラック企業にこき使われた若手サラリーマンが、感情の、環境の波を描きながら藻掻き苦しみ、悩み、悲しみ、上っては落ちて、落ちては足掻く痛みと苦しみとその一歩を踏み外さずに踏み出す物語。
小学校の皆勤賞とか、継続は力なりとか、そういう言葉に縛られてきた人ほど刺さり、自分に合わない仕事を辞めるの普通だろ?って人は少し合わないかもしれないお話。何せ、表題の「仕事やめてくる」という一言が主題で、その言葉を告げるための物語なもので、それを告げることが、或いは宣言しなくとも実行できる人にとってはやきもきするんだろうなと落ち着いた部分では思いもした。けれどどうしようもない苦難を全身に浴び続けている人というのは、渦中に在ると疲労や何かである種の思考停止に陥ってしまうのがブラック企業の怖い所でもある。虐待とか毒親とかでもある状況だと思う。逃げる、という方法がわからなくなってしまうと、踏み出せなくなる。或いは、適切な「生きていくための方法」を見つけられず、気づかず、身体的にその苦痛から逃れるための方法を探した結果見つかったのが、駅のホームの淵に立つことだったりする。「仕事辞めること」と「死ぬこと」を天秤に乗せないと、自分の場所がわからなくなってしまう。
まあ辞めたら辞めたでぐるぐる袋小路に嵌まることもあるんだけれども。

・パフォーマーという救い。ありがとうまじでありがとう
それはさておき。こんっっっっっっな重いテーマに、よくぞパフォーマンスを織り交ぜてくれました生演奏ありがとう!!!!!!!当日劇場で「本日の出演」のお知らせを見るまでパフォーマーが出演していることも知らずに観に行ったんですが本当これ最高です!!!!土曜の朝は一番幸せ~~~♪
キーボードにvocalが生で歌うし、タップダンスは重い足取りも、苦しい呼吸も表現していて音楽と音楽以上の追加効果がありました心臓痛い

本当はどんな人もそこにいることだけが人生だけじゃなく、何処にだって行けるし、何処へでも行けるし、他でやっていけないことなんて無い筈なんだけど、その一歩が難しい人ってのも、いる訳なんだよなあ。あ、合わないんで自分辞めます、をすぐ言えるのは一種の才能だと思う。しかし同時に継続することも確かに力にはなるので、すぐ辞め続けることがより偉いとも、継続しているから偉いとも、一概に言えないのが人生難しい。
けれど、どうしようもなく辛い時に選ぶのは、駅のホームやビルから踏み出すことじゃあないってのは、確かだと思いたい。

なんてぼんやり涙を拭きながら、仕事辞めたあとの展開が胸熱で吃驚しました。なにそれすげー胸が熱い!!いいぞ!!!!夢があるって、生きていくための一歩を踏み出す一助になるの、いいですね。


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