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気を抜くとすぐ頑張ってしまう自分がいるので細心の注意を払いたい

才能診断、適職診断、性格診断などは少々苦手だ。

診断結果はあくまでも一つの見方だということを忘れて「自分はこういうタイプだ」と信じ込み、なんなら診断結果に言動を寄せていってしまう自分が安易に想像できるからだ。

さらには「こんな行動や発言は私らしくない」などと、ちょっと心惹かれる別なタイプに気軽に顔を出すことができなくなる自分をこれまたリアルに想像できて鬱陶しい。

最近では「才能を伸ばそう」「得意を活かそう」「自分を知ろう」という言葉に対しても多少の疲労感を覚えてしまう。

才能は伸ばさなくちゃもったいない。
得意は活かさなくちゃもったいない。
今のあなた、宝の持ち腐れかもしれませんよ!
才能を伸ばし得意を活かしさらには自分を活かすためにも、まずは自分を知りましょう!

そんな風に受け取ってしまっては勝手にグッタリしているのだ。
そう思ってしまうのはきっと、私にとって「得意なこと=やりたいこと」ではないからなのだと思う。

真面目な私は、気を抜くとどこまでも真面目にきちんとやってしまう。
「あっぶな!!また頑張っちゃうところだったよ…!ふぅ、注意しないとすぐこれだもんな…」などと反省することも少なくない。

私にはただ持っているだけの資格がいくつかある。
当時必要にかられて取ったものや、当時興味があったから取ったものや、当時ただただ楽しかったから取ったものなど、資格を取った理由は実に様々で、全て「当時」のものだ。

もしも今、
せっかくのこの資格を活かさなきゃもったいないよ。
この資格を活かすために何かをしようよ。
と言われたならば、何だか急に今後の行動範囲が狭まってしまったような気がして息が詰まる。

才能も得意も資格もなんとなく似ているように思う。

「活かしきれていないね!」なんて言われた暁には、今活かしきれていないのならそれはそもそも不要なものだ、と言われているような気がして少々気落ちする。

かといって、「大丈夫!今から活かせばいいんだよ!」などと言われても、やっぱり持っている以上活かさなくちゃダメですかねぇ…今のまんまでいたら私ちょっとなんかアレってことですかねぇ…などとこれまた少々気落ちする上に、いまいち気が乗らないけれど持っていることがバレちゃった以上これから活かさなくちゃいけないのか…などと多少の面倒臭さを感じては、いや待てよ、これだから私はダメなのか…?

などとこれまた頭の中がグルングルンになる。(面倒なのは私の思考回路だということは置いておく。)

だからこそ、才能も得意も資格もあくまでも手持ちの便利なカードの一つにしておきたい。
これらのカードは自分の持ち物の一つなだけであって、カードがあるがゆえに所有者である自分が自由に動き回れなくなってしまっては意味がない。

もったいないからといって持っているものを隅から隅まで活かさなくてはならないのは、なかなかに疲れる。
才能や得意や資格は「あくまで自分のおまけだ」と、もてあそぶくらいの余裕をもっていた方が気楽に暮らせるような気がするし、実際におまけ以外の何でもないように思う。

誰かや何かが上手くいくことを保証してくれたらとても気楽なのだが、何かをしようと決める上では、最終的には「やってみる」と決めた自分に頼るしかないはずだ。
頼りなくても、今とても怖がりながらも少しワクワクしている、それ以上でもそれ以下でもない自分を一番近くで励ますのみだ。

この際なので、手持ちのカードの一つに「積み重ねてきた経験」も加えたいと思う。

積み重ねてきたものを大切にしたいと思っている一方で、積み重ねてきたものが煩わしい時もしばしばある。

「目玉焼きには当然ソースでしょう!」などと公言してしまった人は、公の場で目玉焼きに醤油をかけているところを誰かに目撃されるなんてことは絶対にあってはならない、みたいなアレだ。
違うか。いや、違わないか。まあいい。

積み重ねてきたもの、伸ばさねばならない才能、活かさねばならない特技や自分という個性、これら全部を無視して、まっさらな状態で心がいきたい場所はどこか。

それをいつでも確認できる状態でいたくて、今日の自分も昨日の自分も、その日の終わりにはいったん捨てるくらいの気持ちで生きていきたいなと思う今日この頃なのだ。
願わくば、入浴ついでにサラリと脱ぎ捨て眠りにつきたい。
(が、実際はお風呂の中で「あーあ」などと1日を振り返りブツブツつぶやいては、夫に「早く上がりな」などと声をかけられている。)

とにもかくにも、心がそこに行きたいと思っているのにそれをなんとなく阻んでしまう積み重ねや才能や特技や個性なら、いっそ一度捨ててしまいたい。
持っているものから探していたらたどり着けない場所もあるのではないだろうか。
自分らしさなんていうのは、「やってみたい」という思いの前では二の次だ。

ゴミの出ない生活を。不要なものは再利用を。
シェアリングサービスやレンタルサービスにも見られるように資源を浪費しないようにする、そんな時代だと思う。
それでも人くらい、それこそもったいない贅沢な状態でいさせてほしい。

もったいないにつぶされぬよう、活かさねばならないにつぶされぬよう。

10月はなかなかに忙しかった。
やはり気を抜くとすぐまじめに仕事をしてしまう自分がいる。
こんなんではいけない。
細心の注意を払いながら、11月こそはゆっくり過ごそう。

そう心に決めた瞬間、家計を管理している夫から酒類の購入数を減らしたいという相談をもちかけられた。

11月も頑張るしかないじゃないか。
実に忙しない毎日だ。

おわり。

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