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守る

05/08

 9時半に目覚まし時計が鳴ったのを、きちんと見届けて、スワイプで停止させて、幸せな二度寝をして11時半に起床する。宿泊しているNはけたたましい目覚まし時計の音でも、ロフトベッドからどたどたと私が降りて、湯を沸かしている最中も爆睡していた。

 白湯を飲みながら、きのことサバの甘露煮風蕎麦を作る。Nを起こして食べたあと、ああだこうだとぐずぐずしながらもNをシャワーへ向かわせる。
 最中、昨日届いていたユニクロのオンラインショップで購入した部屋着を開封。いよいよパジャマが欲しいな……。

 Nがシャワーから出ですぐ、私もシャワーへ向かい、15分で済ませて一気にスキンケアを整えて、髪をセットし化粧を終える。14時から、K先生のZoom授業の予行練習が30分ほど行われるということで、それに間に合うように必死に準備する。

 学校の今後の対策や方針、授業の流れや出席のとり方などを詳しく説明していて、出席してよかったと安心した。Zoomやteamsを使うことが多くなるらしいが、完全にメールのみのやり取りで授業を遂行する先生もいるらしい。それを聞いて、teamsのアプリケーションをダウンロードした。Nは終始とくに関心もないようでぼうっとしていた。

 K先生のZoom予行練習のあと、LINEにKTからZoomのリンクが送られてきていて、なんとなくアクセスすると、見知ったひとたちがビデオ通話していた。内容が無いようすぎて、秒で解散した。なんと意のない暇人たちだろうか。

 Zoom中、Nと昨日に仕込んだレモンポセットを食。


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 本当に、生クリームとレモンだけで固まるもんなんだなと感激した。触感はなめらかプリンそのものという感じで、その口当たりに騙されてスプーンが進むが、こいつの正体は生クリームの塊なので、食道を通るもったりとした物体が、それはそれは泥のように胃にたまった。しかし相当美味なので、もしかしたら、スコーンやクラッカーにちょい付けして食べるが吉かな、といったところです。おためしあれ。

 そんなこんなで胃が膨れてしまったが、我々はフルーツポンチを作らねばならないという使命が残されており、あまり食欲はないがまずは白玉からつくることに。Nはフルーツポンチに白玉が入っていることなど生きていてなかったという。私はフルーツポンチといえば、白玉が絶対に入っていたのだが、ローカルだろうか?気になるところ。

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 猫の形を頑張って作った。良。かわいい。

 フルーツポンチを食し、写真をばしゃばしゃ撮って、Nを見送る。おうち時間合宿は割と悪くない。

 夜、同郷の友人、Tと電話。
 2か月だけという契約で勤めている職場の上司が、とんだパワハラセクハラ親父らしい。まだ勤務し始めて1か月もたっていないのに、何度も自殺未遂をしているという言葉に驚愕。人とはこの短期間で簡単に死まで追いつめられるものなのかと目が白くなってしまいそうだった。

 話し合って、結果、我々は自分が思っているよりも、できないことが多すぎるというところに落ち着いた。常に100の力で生きているせいで、できないということはないが、見返りとして自分への負担が多すぎる人生だった。手を抜くという手段を持たない我々に、この世界はあまりにも持て余す部分が多すぎるがゆえ、失敗を繰り返すのなら、今だからこそ手を抜く練習をはじめようと合致し、Tは明日仕事を辞める決心をしたらしい。ぼろぼろになる彼女を見ているのはつらかったので、良い決断に思えた。

 人とは、生まれながらに手を抜いたりして、自分を守ることはできないらしい。生きながら覚えていくものなのだと、Tがむかしカウンセラーから聞いたといっていて、とても腑に落ちた。

 自分を守るとか、自分を好きになるとか、死んでもできないよな。
 と言いあったが、自分を守るということが、どういうことか知らぬのだ。なぜしなくてはならないのか、本当に理解ができなかったのだ。それに気づけず生きていたのだから、手を抜く必要もなかっただろう。

 おそらく、自分を守るというのは、「自分が守りたいこの世に存在するあらゆるものを、守れるコンディションを携えた自分を守り、はぐくむ」ということだったのだ。と、最近気づいたと、Tに言ったら、彼女は「わたなべなしでは今まで生きてこれなかった」と酒も飲んでいないのに言っていて、照れた。でも、Tがよくわからない上司のせいで死ぬことを、許さないでいれてよかった。

 電話を切り、就寝。

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