てのひら小説27話「花束の目的」

笑顔で受け取ってくれてたから
調子に乗った。

喜ばれてると勘違いした。
毎日君に花を届けた。
ゴミ箱に突っ込まれた
無惨な花束を見つけるまで。

「僕を愛して」

贈り物に隠した
いやしい本音は
君にとっくにバレていた。

汚れた花束を僕の部屋へと連れ帰る。
自分の為に花を飾ろう。
悲しみを美で上書きしよう。

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