てのひら小説24話 母

心配そうに何度も僕を振り返った。目が合うと笑顔を返してくれた。僕は貴女に追いつこうと足を速めた。貴女が僕の全てだった。そして僕は大人になった。いつしか貴女を追い越した。もう前を向こうよ。人生に折り返し地点なんて存在しない。未来へ向かって歩こうよ。僕は振り返りながら貴女を待ってる。

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