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1999年の撮影オフショット

映画『19』は、いまから20年前の1999年に撮影された。

序盤のシーンを東京と千葉近郊で撮影し、中盤からの海のシーンからラストにかけては合宿で、茨城県の神栖市の海沿いで撮影した。撮影監督の岡雅一さんと、窮屈な街中から徐々に郊外へ、そして海の広い景色へと変化するように設計しながら、ロケ場所を考えた。

合宿は、予算を少しでも削るためにホテルではなく、つぶれた民宿を格安で借り、そこに電気ガスを通してみんなで泊まった。大広間に布団をずらりと敷いて、修学旅行のようにみんなでざこ寝。夕食は、スタッフ交代で、自信のある料理をつくって、みんなで食べた。

「同じ釜の飯を食う」ということわざがあるが、まさにその通りで、みんなで食卓を囲む夕食の時間がとてもたのしく、夕食を終えてもビール片手にタバコの煙をくゆらせながら、好きな映画の話やバカ話で盛り上がった。

今回の『19』Blu-rayには、撮影時のオフショット含む20分のメイキング映像が収録される。これは、制作会社バズ・カンパニーのプロデューサーであり社長の莟宣次さんが、趣味でビデオカメラを廻していたもので、お願いしたところ、快くBlu-rayに収録するために素材を提供してくれた。

DVDには僕の希望で、まったく特典映像を収録しなかったので、メイキングが収録されるのはBlu-rayが初めてになる。映像素材を見て驚いたが、撮影の様子のほかに、合宿所でみんなで夕食を食べている姿も撮影されていた。

映画の中ではしかめっ面ばかりしているが、僕も大次郎もオフショットでは、スタッフみんなと笑いながら会話していて、とても和やかな現場だったんだなと、メイキングを見てひさしぶりに思い出した。

『19』(Blu-ray版 2020年1月9日発売)
監督・脚本/渡辺一志
出演/川岡大次郎、渡辺一志、野呂武夫、新名涼、遠藤雅、野沢那智
サラエヴォ映画祭新人監督特別賞/トロント国際映画祭/トリノ国際映画祭/シンガポール国際映画祭/台北金馬映画祭 …etc 正式出品