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皆が同じことを目標にする物販業界の末路

私は10年間、ネット物販業界に関わってきて本気で飽き飽きしている部分が一つある。


それは、参加者全員が同じことを目標にしていることについてだ。


その原因は日本は単一民族であり、他人と同じことをしないと仲間外れになってしまうかもしれないという不安を感じる特殊な性格から来てると私は考えている。


例えば、2023年以降の日本人の物販プレイヤーに「どこを目指しているのか?」と尋ねれば、


情報感度の高い人であればあるほど「インスタやSNSのフォロワーを増やして商品を売ることだ」と答えるだろう。


そうでなくても「SNSを運用することだ」と答えて、それがどんなSNSであってもそのフォロワーを増やすことだと答えるに違いない。


こうやって皆が同じ情報を取得し、同じことを考えることで、全員で同じ目標に目掛けて一直線に走り出す場合は、


当然、勝つのは年齢が若くてPCの前に張り付いている作業量が多い人物になるのは言うまでもない。


つまり目指す場所が同じなら単純に作業量が多い人が勝つということだ。


これは、よほど穴場のノウハウでもない限り、ほぼ全ての物販のノウハウで同じことが言えるだろう。


つまり物販プレイヤーにおける成功者とは、大勢の人がやっていることを、誰よりも多くの時間を費やした人から順番になっていくものなのだ。


それが目にみえる形では売上の金額だったりSNSのフォロワーの数だったりするのだ。


このように全員が同じルートで同じ目標に向かって進む業界では、作業が若い人よりも長時間できない年配の方にとっては不利な状況とも言えるだろう。


若いゲーマーのような人間にはどう足掻いても勝てないからだ。


「月収100万もあれば満足だ」と考える程度なら幾つになってもネット物販にチャンレンジして夢を叶えることは十分にできるだろう。


しかし、20代〜30代の若者は違う。


ある方法で月収100万円稼げたのなら、そこからは自分がどこまで上を目指せるのか必ず挑戦しようとするからだ。


そうなると結局のところ売上の大きさとSNSのフォロワーの数がその指標になり、


誰も彼もが、一昔前のIT経営者のような綺麗なオフィスを作り、笑顔のスタッフの集合写真などを、ツイッターなどに投稿し始める。


ようは、承認欲求だ。


しかし、私はこれをみて、まるで全員が金太郎飴のように同じ目標に向かって突き進み、

売上の数字が大きな人物になれたことを誰もが「成功」と呼んでいることに違和感しか感じないのだ。


なぜなら、本来、自分の目標と他人の目標は別であってフォロワーの数や売上の大きさが「成長」と感じるのは、


完全に他人の目標が自分の目標に置き換わっている典型例だと私は考えているからだ。



毎度、私のことで恐縮だが、私は26歳の時に神戸から船で中国に渡り、


そこから陸路で1年9ヶ月かけてウクライナまで、売れる商品を探すため、一人旅をした。

クリミア半島のセバストポリからイスタンブールまで二日間かけて黒海を船で渡った時のチケット


右上に日付がある:2010年8月1日〜8月3日までの航路


その当時も多くの日本人や旅先で出会った世界各国のバックパッカーに、「お前はクレイジーだ!」と言われ続けた。


そして、その目標が叶ったときに言葉には表わせないほどの感動だった。


これこそ私にしか作り出せない、私だけの目標だったのだ。


しかし今、私がいる輸入物販業界でそのことを話しても、それをまともに聞く人はかなり少数派だろう。


若いプレイヤーのほとんどは「で、おっさんの売上はナンボよ?」と尋ねてくるはずだ。


売上やフォロワーの数だけが成功の証になってしまい、それ以外の話をしても彼らはインスタのフォロワーを増やすノウハウを知っている人物の話しか聞く耳を持たなくなってしまった。


ということは、業界の人間が全員で同じ目標に向かってヨーインドンで走っていると言うことになる。


旅人で例えるなら、まるで全員が最終目的地をインドに定めて旅をしているような状態だ。


海外に出た経験のある人なら、これがいかに摩訶不思議なことか想像がつくだろう。



つまり、現在の輸入物販プレイヤーに尊敬される人物の特徴は、なんと海外経験もなく、英語も喋れず、ロシア語も読めない、


部屋でレッドブルを飲みながら誰よりも作業量をこなすいわゆるゲーマーみたいな人間のことを指すようになってしまったのだ。


藤田田:著書:「ユダヤの商法」から抜粋



これが、同じ日本人として、いかに悲しいことか。。。


成功の定義が勝手にインスタのフォロワーの数になり、誰もがYouTuberになって、同じ業界の中で有名人になることが目標になってしまった。


そのため、情報の更新が続かないのか、他人のブログに書かれた内容を、さも自分が生み出した情報のような口ぶりで喋る輩で溢れ返ってしまった。


それ以外の特技や経験を持っていても輸入業界では誰にも見向きもされない。


そもそも国際人であるなら、何よりも先にグローバルな世界を知ることの方がはるかに重要であるにも関わらず、


輸入商:藤田田「超常識のマネー戦略」より抜粋


日本人の友人しかいない、日本だけしか生活したことがない、国際感覚も持ち合わせていない、


大きな売上を作るために利益率が低い商品を沢山売って、銀行から借りた、借金が大きく膨れ上がった物販プレイヤーの借金の大きさを尊敬するような風潮に私は涙が出てくる。


藤田田の「ユダヤの商法」より抜粋


私から言わせれば、なぜ20代のうちに世界を見て、他人の目標が自分の目標にすり代わってしまわないように訓練することを、多くの人たちが放棄してしまったのかと悲しくなってしまうのだ。


藤田田「超常識のマネー戦略」より抜粋


金はツールであって、決して目的ではないのだ。


ヨットを購入したい、いい女を抱きたいという、目的のために金が必要なだけであって、


輸入商:藤田田「超常識のマネー戦略」より抜粋


日本人の多くのビジネスマンを見ると、売上を大きくして大企業を作ることだけが目的になってしまっていて、


その過程を「失敗した」だの「成長した」だの言っているに過ぎないのだ。


そんな物販プレイヤーなら誰でも経験できる失敗の数を数えるよりも、ウクライナ語でジョーダンを飛ばしてウクライナ人を笑わせてみることに挑戦する方がはるかに人としての成長と呼ぶにふさわしいはずだ。


中国人1000人を相手に中国語で爆笑を勝ち取れる人間はその時点で多くの物販プレイヤーよりも確実に成功者に近いはずだ。


輸入商:藤田田の「ユダヤの商法」より抜粋


なぜなら売上を大きくしてインスタのフォロワーを増やすことは典型的な日本人なら誰でも考えるその他大勢と同じことをやっている視野の狭い人物だからだ。


そして結局、全員が同じ目標なら作業量の多い人間が勝つだけなのだ。



それが本当の意味で人生の「成功」になるのだろうか。


作業量が多ければ勝てる勝負なら、ずっとパソコンの前に座って、レッドブルを飲んでいる若い人間に軍配が上がるのは当然で、


作業量の多い20代の人間が作業量の少ない50代を尊敬できずに、笑って見下しているのが現在の日本のネット物販業界の成れの果てなのだ。


また、同じように作業量が少ない50代が作業量の多くできる20代を尊敬しても意味のないことだと知る必要がある。


そんなくだらない上下関係ができてしまっているのは、ほとんどの日本人が日本での生活しか知らずに、井の中のかわずで、


成功の定義が、大きな会社を作って、フォロワーを獲得するという、たった一つのモデルしか知らないことが最大の原因だと私はようやく気がついた。


ネット物販なぞ、銀行から借入をして、広告をマスターした順から売上が増えていく仕組みなのだ。


その情報を取得するスピードもフットワークの軽さも若い人間であれば老人よりも早くできて当然なのだ。


つまり物販業界でNo1になるということは、金を借りて、広告を学び、SNSのフォロワーを増やすセミナーを受けた後で、


部屋でレッドブルを飲みながら、1人黙々と手を動かすだけであって、


日本人全員が、その作業の中で起きた出来事を「失敗した」とか、逆に上手に出来たことを「成功した」と表現しているのが狭い世界だと感じるのだ。


そして、多くの日本人と違う場所に成功の定義を位置付けている人物にたまたま遭遇したとしても、


「アイツは異端児だ!」と影で馬鹿にしているのが日本の輸入物販業界に携わっている多くの人間の頭の中なのだ。


私から言わせれば、それこそアホの極みとしか言いようがない。


金は不必要に稼いでも寿命を縮めるだけで、稼いだ金は全てとは言わないまでもしっかりと使うべきなのだ。



稼いだ金をふんだんに使って、人生を謳歌するべきなのだ。

藤田田の「ユダヤの商法」より抜粋


特に40代を超えている人間は若い人と同じステージで張り合っても体力も持たないし、キリもない。


そんなことよりも、稼いだ金を楽しみながら使って、残り少ない人生でやり残したことがないように、思い出を作るための生き金にするようにした方が良いだろう。


藤田田の「ユダヤの商法」より抜粋



日本の物販プレイヤーは事務所に引きこもって、部屋でフォトショップを操作して多くの作業量をこなしているだけなのだ。


その生活たるやまさに失敗の典型例で人生を謳歌しているとはとても言い難い。


それもこれも日本人は誰かのやっていることが成功だと思い込み、自分の心の中としっかり対話することもせず歳を重ねてしまい、


フォロワーが多い人物の話をありがたく拝聴し、そうでない人間を小馬鹿にする風潮があるせいだ。


自分の人生でいくら金が必要なのかを最初からしっかりと計算しておき、家族の幸せを犠牲にしてまで不必要な金を稼ぐことは慎むべきなのだ。


ましてや、フォロワー数の少ない人間の言うことはフォロワー数の多い自分よりも聞く価値がないと思っている時点で、人間としても3流なのだ。


そんなアホな価値観を吹き飛ばす方法はもう神戸から船で中国の天津に渡り、


そこから飛行機を使わずにウクライナのクリミア半島までシルクロードを使って歩いて行ってみるしか、解決方法は残されていないのかもしれない。


そうやって、他人とは違う自分だけの目標を掲げ、その全てを達成していけばその過程で己の視野がいかに狭かったのか、


日本人全員が同じことをゴールにしているアホな民族だと気が付くことができるに違いない。


そうやって、外から日本を見ることでようやく私の言っていることが理解できるようになるのだ。

藤田田「超常識のマネー戦略」より抜粋


この話を聞いてもまだ嘲笑う人間がいるなら、そいつは自分自身が20代の中盤で英語とロシア語をマスターして、


世界に飛び出した経験もない典型的な日本人なんだと自覚することから始めなくてはならない。


国際人として活躍していきたいなら、できるだけ早く外国語マスターして、20代のうちにできる限り多くの外国人を相手に外国語で意見を戦わせた経験がないと、おいそれと簡単になれるものではないからだ。



その経験を20代で急がなければ、典型的なその他の日本人と同じ成功モデルしか想像できない視野の狭いポンコツになってしまう。


そうなれば仏教徒の思考以外で物事を考える人物の話を理解できないばかりか、意見を聞いても賛同できずに意思の疎通を欠いてしまい、



「アイツは間違っている!変なやつだ!」と批判するだけの人物になってしまうからだ。


藤田田の「ユダヤの商法」より抜粋


そもそも、輸入の世界で生きていて、英語もロシア語も中国語も喋れない人間が誰かに助言やアドバイスをすることすら、文字通り10年早い。



つまり他人と同じような経験しかない人間は、結局、今の物販業界と同じように他人よりも作業量を多くすることでしか尊敬を勝ち得ることができないと言うわけだ。



あなたは他人と同じ目標をゴールに設定してしまっていて、できる限り作業量を多くすることばかりに頭を使っていないかどうか、



一度、胸に手を当てて、自分自身に問いかけてみてほしい。



もし、一つでも当てはまっているなら、できる限り早く若いうちに外国を見にいき、外国人達と外国語で意見を戦わせなくてはならないからだ。



急いで手を打たないと、借金してでも売上を多く上げることと、フォロワーの数を多くすることが、成功や成長の定義になってしまい、



そうでない人物に会った時に「アイツは自分よりも格下だ」と考えることしかできない、いわゆる国際感覚のないポンコツ人間になってしまうからだ。


伝説の輸入商:藤田田の「ユダヤの商法」より抜粋

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