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リアル・フィストバンプ ケニア隊員ドミトリーの話

ケニアの協力隊員は、任地に派遣されるまで主都ナイロビで集団生活をします。
男性、女性用ドミトリー(以下ドミ)が横並びであり、そこで1カ月暮らします。
食事当番制で夕食を作り合ったりと、シェアハウス的なノリで生活しています。

ナイロビは大変危険な場所のため、原則徒歩での移動はできません。
唯一徒歩が許されるのは、ドミから徒歩数分のショッピングセンターまでの間です。
それ以外の安全な場所への移動はドアトゥードアでタクシーまたは、配車アプリでの移動となります。
幸いナイロビはUberのサービスが行き届いているため、移動で困ることはほとんどありません。

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先日、徒歩可能圏内にあるバーの裏庭的空き地にたむろしてる若者集団がいました。

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夜中に騒いでいたりと、気になっていたのですが、折角なので声をかけてみました。
きっかけとして
『ここにお酒を置いていますか?』
と問いかけると、
ボス的存在の人物が、ふたつ返事で店の中へ招き入れてくれました。

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手持ちの1,000シリング(1シリング≒1円)札を渡し、ビアーを注文、彼にも好きなものを頼んでいいよと話しました。
ビアー1本が200シリング弱なのですが、勝手に色々と注文され、お釣りは返ってこず私の手元にはビアー1本のみが残りました。
その後は、彼を含めメンバーと色々と談笑してすごしました。

ところでケニアには、40以上の部族があります。かの有名なマサイ族もそのうちの1つです。
部族間の軋轢は、今でも存在します。特に国家のトップを選出する大統領選挙において、それは最も酷くなり、部族間での殺し合いにまで発展します。
2007年の大統領選挙では、部族間抗争で1,000人以上の死者がでました。

若者達の話を、よくよく聴いてみると彼らはルオ族の皆さんでした。先の大統領選で勝利した現大統領の対立候補ルオ族です。
バラク・オバマのルーツであり、私が派遣されるヴィクトリア湖畔に多く住まわれている部族でもあります。

談笑する中で仲良くなると、チューインガムの様に口の中で噛み砕く嗜好品の草を頂いたり、冗談なのか不明ですがマリファナやコカインのお誘いを受けたりしました。ルオ語の挨拶も教えてくれました。

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そうこうする内、日も暮れてあたりは暗くなってきたのですが、続々とルオ族の若者が車に乗ってどこからか集まってきていました。

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新しいメンバーが加わるたびに、既にいるメンバー全員と拳と拳を触れ合って挨拶していきます。日本でも、B-BOY系の若者たちがよくやっているアレです。私も調子に乗って、拳を差し出すと皆さん気さくに拳を返してくれました。
ネット情報によると、このグータッチはfist bumpと言うそうで、08年米国大統領選でオバマ大統領が見せたことで有名になったそうな。
ビアー1本を空けたところで、1人の若者とSNSの連絡先を交換しドミに戻りました。


そして昨日、ルオ語を教えてもらおうかと同じ場所に行きましたが、バーが移転し裏庭への入り口も閉鎖されていました。


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「ここは大通りから隠れていて、警察も少ないから集まるのに絶好の場所だ」とボスが小声で言っていたので、もしかしたら通報されたのかもしれません。連絡先を交換したAllanに事情を問いましたが、今のところ返信がありません。折角できたケニアではじめての知人で、トライブ事情をもっと聞きたかったのですが残念です。

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