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橋を架ける

もし、あなたが人生の荒野を行く時に、
目の前に大きな川が現れて、それを渡れないとしたら、

私達がその川を越える橋を一緒に架けましょう。

その川はとてつもなく幅が広く荒れ狂っているかもしれないし、
細い細い小川かもしれないし、
本当は川なんて無いのにあると思い込んでいるだけかもしれません。

その川に合わせて、橋を架けましょう。

橋を渡ったその先に、再び川が現れたら、
また、私達が一緒に橋を架けましょう。
必要な度に、何度でも。

一緒に橋を架けているうちに、
あなたは自分で橋を架けられるようになるかもしれません。

あるいは泳ぎきる体力を身に着けるかもしれないし、
川が現れても笑いとばして、川の上を歩いて渡れるようになるかもしれません。

そうして、どんどん歩いていって、
いつしか私達が必要なくなるでしょう。

自分の足で、どこまでも人生を歩いて行けるようになるでしょう。

始めは苦しく、辛く、悲しかったあなたの表情が、
明るく、笑い、歌いながら歩けるように変わるでしょう。

背負っていた重たい荷物を下ろし、
楽に自由に歩けるようになるでしょう。

後ろばかり振り返って前へ進めなかったのに、
ワクワクして進んで行けるようになるでしょう。

何処へ向かうか不安でたまらなかったのに、
目的地を見つけてどんどん進んで行くでしょう。


もし、また渡れそうにない川が現れて困ったら、
その時にも、私達がいると思って、
安心して進んで行ってください。

そうしていつか私達がどんどん遠くなって、
ふと思い出し、振り返ったあなたが手を振ってくれたら、
私達は笑顔で手を振り返します。

私達はここに居るから、大丈夫です。
渡れない川はないと思って、進んで行ってください。


あなたにしか見られない景色が広がっているでしょう。
あなたにしか感じられない風や匂いがあるでしょう。
あなたにしか作れない世界があるでしょう。


私達を思い出すこともなく、
あなたは人生を進んで行くようになるかもしれません。

それでいいのです。

私達は、あなたが私達を思い出さずに済む人生を歩めるようにと、
ここで願っています。


その時も、どうか忘れないでください。

あなたの見ている景色、感じる世界は、
あなたが一歩を踏み出したから、
見て、感じた景色なのだと。

あなたの足で歩いたからこその世界なのだと。


作り上げた世界を見ている人も、
今はまだ何も見えない人も、
渡れない川はないとどうか知っていてください。

あなたが前に進むのを諦めさえしなければ、
世界は無限に広がっていくのだと言う事を。

大丈夫。
世界は美しく、素晴らしい。
大丈夫。
あなたはちゃんと歩いて行ける。
大丈夫。
絶対。

だから、私達はこれからも橋を架け続けていきます。
あなたが世界を広げていけるようにと願って。


この文章はカウンセリングのクライアント様や、ブログの読者の方々への年末のご挨拶として2017年に書いた文章です。
私と、一緒にお仕事をしてくださる二人の師匠の、
クライアント様達を見守り、遠くから応援する気持ちです。
未だにこれ以上の文章を書ける気がしません。

この文章を書いてから6年以上、開店から10年以上が過ぎ、実際に沢山のクライアント様が健康で幸せで楽で自由になり、卒業されていった方、時折、思い出したようにご連絡くださる方、カウンセリング初回時より健康になって経済的余裕が出来たので長時間おしゃべりのためだけにご依頼くださる方など、クライアント様達に嬉しい変化が起きています。

たくさんの方が無事に橋を渡れてよかった。
自由に橋を行き来できるようになって良かった。
世界が広がって良かった。

この文章を読み返すたびに嬉しく、誇らしく、懐かしく、そして、思いを新たにする。
他のどんな文章とも違う、そんな空気を持った、特別な文章です。


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