【現代詩】自分なりのバランスがあるから
私の運転している車は
とてもどこかのショールームに並びはしない
アンバランスな前輪と後輪
傾いた巨大な車体
どうやってここまで来たのか
この先どこへ向かうにしても
果たして大丈夫なのかと
心配される始末
それでも私は前へと進む
車と共に前へ進む
そこに不思議さはない
そのための私と車なのだから
大量生産され
煌びやかな映像として世界に流れる
そんな姿をした車に
乗ったところでどこへも行けない
だから大丈夫です
このままで
不格好で危なっかしくても
自分なりのバランスが