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言葉が与える影響

皆様
こんにちは、わたころ運営のよしだです。
新年最初の私の記事は
「言葉が与える影響」
についてです。 

最近では、「発達障害」という言葉が専門職ではなくてもあらゆるメディアで取り上げてもらえうるように、発達障害・特性についての理解が少しずつ進んできていると感じます。
一方で、言葉が独り歩きし
「ADHDっぽい」や「自閉症傾向があるんだよね」
などその言葉で自身や他者をラベリングしてしまうことがあるようにも感じたりもします。

今回は、
このように言葉が与える影響について私自身の経験も踏まえ、主観ではありますが少しだけ、その危険性と対応について述べさせて頂きます。


1.言葉の持つ危険性について

先に述べたように、「ADHDっぽい」という言葉を思い浮かべ、他者に放ったとします。
そうすると放った本人はその相手を「ADHDっぽい人」として、行動面に落ち着きがない、すぐ忘れてしまうなど、いわゆる「ADHD(注意欠陥多動性障害)」の特徴を考え、それを相手に当てはめてしまうのではないだろうか?
また、その言葉を放たれた相手は自身が「ADHDっぽい人」として、、そう思い込んでしまう可能性もあります。
(それを受け流せる人や怒りを感じてしまう人もいるかもしれない、あくまで私個人の感想です) 

なお、ADHDについてはLITALICO様のHPにて分かりやすくご紹介されていますので、ご参考までに。

この、言葉を放った、放たれた両者には
「〇〇っぽい」という、障害特性にのみ焦点を当てた、他者・自己理解に陥ってしまうのかもしれません。
つまり、相手の個性や能力、状況などあらゆる文脈を排除して、他者・自己の起きている行動や行為をなどを無意識に決めつけてしまう危険性があると思うのです。
そして、この思考パターンは、偏見や差別に繋がり得ないだろうか?これは、相手や自身を理解する、対応していく上では避けたいことなのかと私は感じています。。

私自身も、以前当事者関連の雑誌にて分担執筆させて頂いた際に、過去のことを振り返りこれに該当する経験はありました。

それは、先天性白内障という視覚障害の当事者である私は、作業療法になり立ての頃に、業務でのミスが多々ありました。
決して、私自身が優秀な新人作業療法士ではないことは重々承知しています。
技術や学習姿勢など至らない点は多く、きっと落ち度も私にあったと思います。
その中で、「あなたは視覚障害があるからできない」と一回のミスをその言葉で結論付けられてしまったことがあります。当時は、あまり理解できてなく、ただただ、業務を任せてもらえないという辛い気持ちでした。

でも、ここには
・新人の作業療法士である
・初めての業務で緊張している
・先輩との関係性
といった、視覚障害以外の私の文脈は入ってなかったのです。
その言葉で結論付けられてしまった私の心には
「視覚障害者だからできない」
という劣等感が残っただけでした。


2.言葉に持つ影響への対応について

では、どのようにことに自他ともに注意して、対応していくのがよいのでしょうか?

私が思うに以下の3つについての理解が自他ともに重要なのではは考えています。
① 診断名とは別の話であり、その行動特性はあくまで起きている現象ということであること
② その現象にはいろんな要因があり、文脈があること
③ 「〇〇っぽい」と言われるその現象に対して障害特性のラベリングをしない

私のように診断名がついている場合は、先天性白内障=見えない、
と関連付けやすいのも理解できます。でもそれを安易に障害名と紐付けて考えてしまうと何も問題解決にならないと思います。
大切なのは、なぜそうなっているのかを障害や特性をその一要因として考え、もっと相手をあらゆる角度で本人と一緒に考え、理解していく姿勢が大事になるのではないでしょうか?

また、診断名がない人(少し落ち着きがない人をADHDっぽい人)をすぐにラベリングしてしまうことに対しては、世の中の言葉遊びのような気もしますが、「〇〇っぽい」という言葉をすぐに使うことで自他ともにその思考パターンになり思考停止になってしまう。それが偏見や差別に繋がる危険性があるかもしれません。
この危険性があることを頭の片隅に入れておくだけでも、その思考パターンや思考停止を回避できるかもしれません。

 上記2つはあくまでも私の実体験や日々の中で感じていることへの対応、行動になります。
その点をご理解頂ければ幸いです。


とりとめもない、私個人の見解にすぎませんが
あらためて自身や身の回りで起きている「〇〇っぽい」という言葉のやり取りに対して、考えてみるきっかけにして頂けると嬉しい限りです。
 
それでは、また

<よしだ>
わたころ運営メンバー

先天性白内障当事者えあり、自身の経験から子どもたちがなりたい自分になれる社会に近づけるように作業療法士として日々奮闘中。


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