国際環境NGO・グリーンピースからの電話で

先週の日曜日、グリーンピース・ジャパンから電話がかかってきた。携帯に。
5日ほど前にも、同じような時間にかかってきたが、実際に調理中で手が離せなかったので、その時はすぐに電話を切った。
ちなみに、私はすでに、しかもけっこう長い間、グリーンピースのサポーターである。電話がかかってくるのは、支援の増額の話であることは、過去の経験からわかっていて、しかも、その電話で「寄付増額」をした履歴がある。断れない、というよりも、実際にグリーンピースの活動を、ささやかながらも支援したい、地球環境が少しでも良い方向に向くように、少しのことでもしていたいという気持ちがある。
さて、2月27日の電話は、記録によれば21分話していたことになる。
この電話の中で、私が一番驚き、笑ってしまったのは、今の若い世代の中で、「意識高い系」がグリーンピースに入ることを「ステータス(ちょっと言葉の使い方が違うかもしれないが)」にしている、という話だった。

それでも、サポーターの中で圧倒的に多いのは、中高年から高齢の、年金受給者だったりするらしい。そして、サポーターの中では、年収の低い世代(若者含め)が多く、そういった人たちが、コロナ禍での経済苦を理由に、サポーターをやめていくらしい。

グリーンピースのホームページを見ると、2020年の寄付サポーター数は、7725人とある。思ったよりも、だいぶ少ない。
ちなみに、日本自然保護協会は24142人(2016年3月31日)。WWFジャパンは、個人サポーター43000人。法人サポーター420社。(2019年?)
ついでに、集めている資金・活動費を見てみると、グリーンピースは2.7億円。日本自然保護協会は、経常収益が、約3億円。そして、WWFジャパンは22.1億円の支援を集めている(2021年6月期)。WWFジャパンは、様々な点において、別格である。

私は、今回のグリーンピースからの電話の中での質問、「最も関心のあるテーマ」を、「脱炭素・気候変動」であると答えた。しかも、ロシアによるウクライナ侵攻の真っ只中で、エネルギー問題が国際的にも瀬戸際の位置に押し込められている。

さあ、ここからが本題である。

私は、電力供給に原子力を使うべきだと思っている。
理由は単純だ。「脱炭素」によって、地球温暖化の進行を遅らせるためである。

私は、福島県に住み、大震災による原発事故の被害を目の当たりにしながら、「脱原発」という、従来の姿勢を封印した。脱炭素のために、安全に動かせる原子力発電所は使うべきである。石炭や石油・LNGを燃やして電気を作り続けるべきかを、もっと真剣に問うべきである。という内容を、電話で話した。グリーンピースのサポーターでありながら、原子力発電を容認する立場の人間は、そう多くはないに違いない。原子力発電を認める立場ならば、グリーンピースのサポーターにはならないだろう。そのあたりは、突き詰めて考えなくても、自己矛盾であるが、環境保護の様々な問題は、時代の流れとともに重要度が変わり、しかも、再生可能エネルギーの能力が思ったほどでもなく、むしろ、メガソーラーや風力発電、あるいは水力発電の自然に対する負の側面を考えると、総合的に捉えれば、原子力発電に頼らざるを得ない未来が見えてくる。メガソーラーや風力発電の風車が、山の中にどんどん増えていくことのほうが、私にとっては驚異である。

使える原子力発電所は、使うべきで、それなりに原子力に依存しながら、脱炭素型の次の社会のエネルギーを探していくべきである。

といった内容を、電話の中で「福島に住む人」の意見として語ったのである。

どう頑張っても、再生エネルギー100%の社会を2050年に迎えることは、無理だと思う。安全に配慮しながら、原子力を使うべきである。


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