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江戸の昔から「三方よし」はSDG’sの発想【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

魚はどちらかというと赤身より白身が好きな、わたちゃんです。マグロに代表される赤身の大型回遊魚よりも、カサゴやメバルみたいな近海でうろうろしていることの多い白身のお魚がいいんです。

「三方よし」とは、近江商人の心得をあらわしたもので、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」を達成して、売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売だという考え方です。

ビジネスの世界ではよくWin-Winの関係として、企業とお客様がともに利益を享受する関係、すなわち「売り手良し」と「買い手良し」の考え方は登場しますが、同等の位置付けとして「世間良し」を定義している意義を深く考えていなかった方も多いかと思います。

SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものです。


そして、今までの「消費社会」から地球や地球に暮らす人々が「持続可能な社会」に大きく舵をきるためには、ビジネスをする企業の取り組みと消費する我々の振る舞いが問われています。すなわち、持続可能な社内を意識した生産活動や、消費活動が重要になってきます。

この考えは、三方良しの「世間良し」を最優先課題として実現するという前提のもと、売り手良し、買い手良しの世界をつくっていこうという考えだと言えます。江戸時代の近江商人は、まさしく当時からSDGs的発想で商いをしていたということです。こうした昔から大切にしてきた考え方を忘れて、高度成長期に生産と消費を増やしていく、すなわち「消費社会」に突き進んだツケが今出てきたというところでしょうか。

ということで、僕の好きな魚の世界でも三方良しの兆候がみられます。「シロハゲ」「ニギス」「ケツブ」など、一般の人にはなじみの薄いマイナー魚を提供する外食店が増えているようです。今までは、水揚げが不安定なことや見た目の悪さから、取っても捨てられることが多かった魚が、産地と消費地の橋渡しになる業者の登場などにより脚光を浴びるようになりました。味もまあまあのようです。
漁業関係者は少しでも収入になり、外食店は美味しいものを安く提供でき、商品者もよろこび環境にもいい。まさしく、「三方よし」の事例ですね。

企業の人材も流動性が増して「三方よし」の考えで、皆がハピーになれるようになればいいですね。回遊魚もいいですが近海のマイナー魚だって、いい味だしているんです。

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