見出し画像

<裏バージョン>情報の非対称性を解消して接客しよう!【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

歌舞伎町のあの客引きのおにーさんは、確かに嘘つきそうな顔をしていたと思った、わたちゃんです。後悔先に立たず!! こういう場面では必ず失敗します。

「情報の非対称性」とは、
市場で取引をする人たちが保有する情報に差があるときの、不均等な情報構造のことです。一般的には、「売り手」と「買い手」の間で、「売り手」のみが専門知識と情報を持っていて、「買い手」はそれを知らないというような状況です。
情報や知識に差が出てしまうこの状態は一昔前の中古自動車の市場などによく見られました。結果的に「品質が悪く価格が低い車だけが出回る」状態になります。
経済学ではこのような現象を、「情報の非対称性による逆選択が生じている」と説明し、こういうケースを「市場の失敗」と呼んでいます。

情報の非対称性

このような事例は、経済学的に議論をしなくても、通常のお客様対応でもよく見られます。情報の非対称性を解消しないままお客様対応をし続け、お客様満足度を下げてしまうようなケースは少なくありません。
例えば、テクニカルヘルプデスクのオペレータは、毎日、技術情報や自社の製品情報に関わっているため、膨大なQ&A情報と専門知識を持っています。毎日対応していると、次第に顧客も自分と同等の知識を持っているかのうような錯覚を抱いて対応してしまうケースがあります。専門知識と情報を身につけることは、とても重要ですが、お客様の目線に立って分かりやすく説明することを忘れるわけにはいきません。

マッサージサービスのような対面でのプロフェッショナル型サービスも同様です。施術力が満足度を高める重要な要素ではありますが、施術前には自社がどのように優れた施術を実施するのか分かりやすく伝えることや、施術後にはその状態を伝え、今後の施術についてどのようにしていくべきなのか、きちんと分かりやすく説明することが、満足度に大きな影響を与えます。対応する顧客数を重視して、施術前後の説明プロセスをおろそかにすると、お客様は価格だけに注目してしまい、満足度は低下。値下げ競争という負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあります。

情報の非対称性を解消する努力をすることが、満足度を高め、結果、付加価値の高いサービスになる一要因であることを認識することが重要です。

また、情報の非対称性による逆選択は、夜の歌舞伎町でも頻繁に降りかかってきます。
綺麗なオネーサンがいる店を選ぶ場合、店側の情報量と客の情報量に圧倒的な差があるため正しい評価ができず、ついついリスクを抑えて安い方を選択してしまい、『自分の希望がかなわなかった』というケースです。

この場合は「市場のシッパイ」のみならず、「机上のオッパイ」という結果にもなりかねないので要注意です。

こういった「市場の失敗」にならない対策として、メニュー化によるサービスの見える化や第三者各付け機関による評価制度の導入とかがあげられます。
夜の歌舞伎町では、夜な夜な、「本店は情報の非対称性による逆選択からくる市場の失敗の防止策として、顔見せ制度とランキングのネットでの公開、およびサービスのメニュー化による明朗会計を導入しました。」というような説明が繰り広げられているんです。

リアルな市場は既に経済理論を超えた、いろんなアイデアで満ち溢れているのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?