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ベンチマークは有効だけど注意点もあるのだ!!【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

カミサンは僕に「あそこの旦那さんは一流会社勤務でしかも家事まで手伝っていて偉い!!」と言うくせに、僕が「あそこの奥さんは美人でしかも料理が上手だ!!」と言うと、「じゃー、他で食べてきたら」と言われてしまうのは、なんだか納得いかない、わたちゃんです。まあ、美味しいものは外で食べるに限るんですけどね。

「ベンチマーク」とは、企業が他社の優良事例(ベストプラクティス)を分析し、学び、取り入れる手法です。80年代初頭、米国のゼロックス社が、倉庫業務はエル・エル・ビーン、請求回収業務はアメリカン・エキスプレスから優れた点を学んだのがはじまりとされています。

ベンチマークのコツは、機能や要素の範囲を明確に認識し、適切な対象を選ぶことです。同じ業界であることや、類似業界の企業に制限する必要はなく、異業種や海外企業に対象を広げヒントを求めると有効な場合が多いと言われています。
しかし、ベンチマークは自社の業務改革の参考にはなりますが、表面的な取り組みを真似るだけではうまくいきません。これは、顧客に対応する業務ではとくに重要なポイントです。 

近年、オンライン通販の米ザッポス社のカスタマーサービスが注目を集め、ベンチマークの対象としている企業も増えています。ところが、同社の「オペレータに任せる」などの表面的な取り組みだけを取り入れても成功するのは難しいでしょう。同社が成功したのは、コアバリューを中核とした企業文化を築き、社員の採用から教育、物流等のバックオフィス業務に支える体制を築いたからです。この難しい“コアバリュー”を実現できているからこそ、素晴らしい顧客応対が可能となります。真似るとしたら“コアバリュー”という理念です。これを実現する手法は国や業種、業態によっても異なります。
「自社で実現するにはどのような方法があるか」は各自が模索しなければならないのです。

ザッポスの強さ

表面的な運用やKPIを真似るだけでは、自社や現場の運用に合致せず、従業員の不満が高まり、顧客満足度を下げてしまう可能性もあるという点は注意しておきましょう。 

同様に、家に帰って「俺たちもよりよい家庭を築くために、他の家庭をベンチマークしよう!!」と言ってしまうと大変です。他の家庭の素晴らしいところをどんどん取り入れてしまうと、立場の弱い僕にはますます不利な条件が追加されるからです。せめて、現状維持を貫くのが得策です。家庭では都合の良いところだけを取り入れて、リスクがあるものには蓋をすることをオススメします。

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