『ワールドトリガー』14巻感想

はじめに

こんにちは。こんばんは。綿毛です。

3月は仕事もプライベートも割と忙しくて、投稿するのに時間が掛かってしまいました。
でもとうとう14巻まで来れたよ!やったね!
今後もマイペースに自分なりの感想を綴っていけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて今回は、『ワールドトリガー』14巻木虎藍回の感想です。

ここから先はネタバレ満載になりますので、未読の方はご注意下さい。

では参ります。

夜・屋上

~やはりただ者ではない三雲修~

「ぼくたちの部隊チームに……玉狛第二に入ってください」

13巻の続き、三雲君が迅さんを部隊に勧誘するところから始まりました。

いや~~~この発想はなかったなぁ。脱帽。これぞ三雲修!!って感じ。

迅さん本人も言っていますが、元S級の実力派エリートを新人チームに誘うなんてなかなかの反則技ですよね。勿論、ルール上問題はないし最短でA級に上がりたいなら非常に良い人選ではあると思いますが、普通はそもそも思い付かないし、思い付いても実行しない。けれど、三雲修は迷わず実行した。
……うーん、相変わらず発想力と行動力の鬼ですね、彼。そりゃ風間さんも呆れ顔を見せる訳ですよ。でも三雲君のそういうところが、読者が彼に惹かれるポイントなんだと思う。

結果的に迅さんのチーム入りは断られてしまいましたが、その代わり、恐らくヒュースが玉狛第2に加入することになるんでしょうね。あの迅さんと渡り合ったヒュースが戦力に加わったら、チームのパワーアップは間違いなしだな〜。戦術面でも助けになってくれそう。

ヒュースが隊員になったら当然ボーダーのトリガーを使うことになるはずだけど、一体何使うんだろう?蝶の楯ランビリスと近いノーマルトリガーって言ったら、射手用が一番近いのか?ヒュースは射手似合いそうだからいいかもしれない。あ、でも銃手もあり?ちょうど玉狛第2にいないし。とりあえず狙撃手はないだろうし、近距離戦よりは中距離戦が得意そうなイメージなので、その辺のポジションで活躍すると予想しておく。早く三雲君たちと共闘してるところ見たいな~!

それにしても、屋上は三雲君のターニングポイントとなる出来事が起こりやすい場所ですね。いや、三雲君というよりは主人公4人の、なのかな?(雨取ちゃんはまだ屋上に登場してない気がするので断言は出来ないけど)

~理由~

ここまでして三雲君が玉狛第2の遠征行きを急ぐのには理由がありました。それは……

「空閑には 時間がない」

ハッ…………!

「あいつの身体は黒トリガーで作った仮の身体で 本当の身体は今も少しずつ死に向かってるって……」
「空閑にあとどれくらいの時間が残されてるのかはわかりません 1年なのか5年なのか もしかしたらもっと長いのかもしれないし……」
「もっと短いのかもしれない」
「ぼくはできるだけ早く遠征して あいつをレプリカに会わせたいんです」
「だから この先の試合は負けられない」

ア゛ア゛アアアアーーーーー(涙)

そうか、三雲君はこのことをずっと胸の奥に抱えて今まで試合に臨んでいたのか……ROUND4で初めて大敗してその後迷走しちゃったのも、「このまま負けが続いたら次の遠征に参加することが出来ない。その間にもし空閑の寿命が尽きてしまったらどうしよう」ってなって激しい焦燥感に駆られたからなんだろうね……うわーめちゃくちゃ腑に落ちた。レプリカさんのこともあるし、三雲君の中には空閑君に対する罪悪感が根付いてしまっているのかもしれない。
「あいつをレプリカに会わせたい」っていう言葉も、「会わせてあげたい」じゃないのが三雲君らしいなぁ。

また、シーンは飛びますが、後半の「もしかしたらぼくは今初めて 少しだけ次の試合にワクワクしてるかもしれない」という三雲君の台詞が、何気に凄く心にきたんですよね…。今までの三雲君にとってランク戦とは、目的を達成するための越えるべき壁であって、少なくとも楽しむものではなかった。そんな三雲君が、ここに来て初めて「ワクワクしてるかもしれない」と感じてくれたことが、もう、ねぇぇ……

~迅悠一~

誰かこの男を救ってくれ…………ッ!!!

と願わずにはいられない。

やっぱり、未来が見えるなんてロクなもんじゃないと思う。

「だからまあ 大体おれのせいなんだ」

迅さんは優しくて責任感が強い人だからこういうことを言ってしまえるのだろうけど、それは違う!と声高に言いたい。
未来視なんていう超越した力を持っていても地上に全知全能の神はいないのだから、何かあっても決して自分1人のせいだと思って抱え込まないでほしい。……なんて言葉は、嵐山さんや周りの人から散々言われているんだろうけどね!ウァーーだからこそ余計にしんどいんだよ〜〜〜なあ迅悠一!!!お願いだから誰かこの男を幸せにしてくれーーーーーー!!!!!!

あと次の会議シーンの「ボーダーの人間にも街の人たちにも 今のところ攫われたり殺されたりする未来は見えない」っていう闇深発言やめて下さい死んでしまいます。

緊急防衛対策会議

サラッといますね、東さん。

まあ今まではB級だと思ってたから(間違ってはいない)散々騒いでましたが、めでたく元A級だと判明したのでこの場に呼ばれていても不思議じゃないことは一応理解出来ます(ところでここの東さんのビジュアルめっちゃ良くないですか???立ち姿かっこよすぎるし首元少しだけ緩めなのたまらんし終始感情が読み取りづらい表情を浮かべているのも最高だし有益なアドバイスもバッチリしてあげてるの凄い流石です)

むしろ、年齢で考えると三輪君がいる方が少し意外かもしれない。でも彼は城戸派筆頭っぽいので、それもあって召集されてるのかな。

ちなみに今回のメンツは、

風間、太刀川、三輪→城戸派
嵐山→忍田派
迅→玉狛派

なんですよね?
空閑君の黒トリガー争奪戦の時のことを鑑みると、冬島さんは城戸派なのかな。東さんはどちらかと言えば忍田派っぽい。

…あっ、なるほどなるほど、三輪君は、迅さんと太刀川さんには塩対応で、東さんには敬意を払うと…(メモを取る

新たなA級部隊の名前や天羽君のサイドエフェクトにも初めて言及がありましたね。
というか天羽君、サイドエフェクト持ってたのか〜。あの子は未だに謎が多い…

捕捉&掩蔽訓練

狙撃手は東さんの功績によるものなのか、他ポジションと比べて訓練が体系化してますよね。攻撃手のように各々独自のやり方で強くなっていく方法も悪くはないんでしょうが、今後隊員の数が増えるにつれて、ある程度のマニュアルや訓練はやはり必要になってきそう。てか荒船さんはこれを全ポジションでやろうとしてるんだよね…凄いなあの人。

訓練結果が後のページでちゃんと明記されていたので判明しましたが、最初に出穂ちゃんが当てた相手は、316:太一君だったんですね。けど即座に当てられ返される、しかも綺麗に額のど真ん中。太一君、天性のドジっ子ではあるものの、流石B級に上がっているだけあって普通に優秀な狙撃手なんだな〜。

参加者の中で群を抜いてやばかったのは当真君。順位自体は高くないものの、レーダーなし発砲音なしの状態で600m離れた相手をスナイプ、しかも撃つ相手を選んでいると思われる余裕っぷり。勿論被弾もなし。これがNo.1狙撃手か…!
なお当真君が的中させた12人の内、11人が既出キャラでした。このラインナップだと残りの1人も知り合いの可能性(B級以上)が高そう。

訓練の1位は安定の奈良坂君。当真君もやばかったですが、奈良坂君も十分やばかった。だって2位の佐鳥賢とおよそ30点差つけてましたからね。被弾も当真君の分だけだし。

というか佐鳥賢、お前2位なのか!?変態技術の持ち主であることは把握していたつもりですが、掩蔽はどうなんだろうなーと思ってたのでちょっとびっくり。ただ被弾は最低3はあるっぽいね。

1つ順位を飛ばして4位が半崎君らしいので、3位が不明という状態。うーん、当真君が撃ち抜いた12人の内の1人が3位の子だったりするのかな?
続いて5位が穂刈君、7位が荒船さんでした。荒船さんと半崎君のキャップに107(当真君)のマークが付いてるのを見て「おそろいで可愛いね(にこ)」って思ったのは私だけではないはず…?あと当真君に撃たれて「やられた…」みたいな顔してる荒船さん助かる。
というか荒船隊、こんなに優秀な狙撃手たちを1つの部隊で独占しちゃってるのか…面白いけどやばいな?

順位が判明しているキャラで次に高いのは9位の古寺君、そして日浦ちゃん、太一君、雨取ちゃん、絵馬君、出穂ちゃん。
当てられ所が悪くておたふく状態になってる太一君を見て笑う3人の図(佐鳥別役古寺半崎)も良いですね~なんか癒される~。ここの古寺君の柔らかい笑顔とか、こっちがにこにこしてしまった。

鉛弾の目覚ましい活躍ぶり

ただの的当てより実戦形式の訓練の成績の方が良いらしい雨取ちゃん。木崎さんの指導のおかげで、きちんと狙撃手としての基礎が固まってきているようです。人を撃てない事実に対する木崎さんの言葉も優しいですね。

「あまり自分を責めるな 人を撃てないのはある意味正常なことだ 戦いたいなら少しずつ慣らしていくしかない」

まあそうなんだよなぁ〜。実弾ではないといえ、人を撃つという行為は特に日本人には馴染みのないことですよね(どこまで現代日本とワールドトリガーにおける日本が一致しているかは分かりませんが)。
でもチームに貢献したい雨取ちゃんとしては、早く撃てるようになった方が良いと考えていることを2人に吐露する…

そこで、絵馬君が伝授してくれたのが鉛弾(三輪君…!)
確かにこれなら直接点を取れなくても、仲間の点取りをサポートすることが出来るかもしれません。今の雨取ちゃんにはベストな手段と言えますね。
しかし鉛弾の有用性が高すぎるな…ありがとう鉛弾くん。

ところで、この3人の関係性とても良くないですか…!?特に、絵馬→♡雨取前提の、出穂ちゃんの性格とポジションが最高の女友達すぎてだな…。「さてはチカ子に惚れたか?」→「……そんなんじゃないよ」のシーンとかもうにやにやが止まりませんでした。

アフトクラトルの内情

ハイレインがめっちゃ偉いやつというのは何となく理解していましたが、まさか領主様だったとは!4つの家が国を回しているということは、王族や皇族みたいな存在はいないのかな?

ヒュースが置いて行かれた理由は、ハイレインが次代の「神」に据えようとしている家の当主にヒュースが仕えているからだったんですね。
そりゃあ自分を大切に育ててくれた主が生贄に…ってなったら猛反対するよな~。つまりハイレインにとってはヒュースは邪魔者に成り得る可能性が高い。ついでにエネドラも自分の駒として扱うには問題児すぎたから、ハイレインは大規模侵攻という機会に乗じて邪魔者をまとめて排除しようとしたと。切れ者ですねぇ。
これは場合にもよりますが、ぶっちゃけ領民としては頭が悪い領主より頭が良い領主の方が良いですよね。それにハイレインって不当に領民を扱うみたいなことはしてなさそうな感じある(エリン家の件はあるけど)。

エネドラの「家柄がショボい雑魚市民の中にもたまにそこそこトリオンを持ったやつが生まれる」という説明を踏まえると、アフトクラトルでは、格式の高い家柄であるほど良質なトリオンを持って生まれてくることが多い、ということなんでしょうか?歴史の長そうな国だし、昔から優れたトリオンを持つ人間を安定して供給出来るよう血筋で操作してたのかな、こわ…。

口の軽いエネドラのおかげで、アフトクラトルにもアフトクラトルなりの深い事情があって侵攻してきたことが分かりました。レプリカさんやヒュースのこともあるし、いずれ三雲君たちがアフトクラトルの地を踏むことになった時、また新しいアフトクラトルの内情が詳らかにされそうですね。

木虎藍

実は13巻の感想で木虎ちゃんと三雲君の関係性についてちょろっと書いてたんですが、今回収録されていたエピソードを受けて更にまた少し違った解釈を得ることが出来ました。ちょっとずつだけど解像度が上がってきて嬉しい~(あくまで個人的解釈なので合ってるかは別問題)。

まず新情報として、木虎ちゃんは三雲君と一緒で、トリオンが少なかったんですね。まあそれでも比較したら三雲君の方が大分少なそうですが…。

三雲君に対するこれまでの木虎ちゃんの言動は、同じ苦労を味わった経験者だからこそ色々思う所があった故のものだったようですね~納得。「鍛えてもB級上位に勝つのは無理」とか「無意味な努力」とか物言い自体は極めて辛辣ですが、上辺だけで言っているんじゃなくて、ちゃんと自身の経験則から真実を述べていた木虎ちゃん。13巻の「努力なんて1週間やそこらで実を結ぶものじゃありませんから」という言葉は、まさに彼女が辿ってきた道を物語っていたんだろうなぁ……いやこれ普通中学生が発せられる重みじゃないよ!?ほかにも身に沁みる格言がいっぱい出てきてびっくりしたよ!!

「努力というのは 目標を達成するためにするものよ」
「目の前の目標から目を逸らして 方向の違う努力に時間を費やすって言うなら それは単なる現実逃避よ」
「……負けが続けば 無償のやさしさはいずれ重荷に変わります」

いつか木虎名言語録という本が作れそう。

それにしても、「迷走してたのが元に戻っただけでしょう」、「彼のような人間にとっては……」という発言から分かるように、やっぱり木虎ちゃんって三雲君の良き理解者なんですよね。トリオンが少ないという共通点もあったせいか、初期からずっと三雲君のことを買い被りすることなく、正確に本人の力量を見抜いている。以前、私は「木虎ちゃんにとって三雲君は結構ありがたい存在なんじゃないかな」と書いたんですが、今回の一件に関しては全くの逆だったな〜(私の中では2人とも「ありがたい」という意識はないけど、無自覚にそう感じているというイメージ)。

そういえば122話では突然、二宮匡貴エピソードが飛び出してきましたね。
何で木虎ちゃんがその話を知っていたのかは不明ですが、狙い通り(?)私の二宮匡貴に対する好感度はバッチリ上昇しました。やっぱりいいキャラしてるなぁ、二宮匡貴。

あ、あとこの辺りのシーンでは、三雲君の「木虎には何か もっといい策があるって言うのか?」に対してあからさまに眉を顰めた木虎ちゃんの顔が好きです笑
実際、この時の三雲君は自分の頭で考えずにすぐ他人に頼って答えを求めようとした訳なので、自分にも他人にも厳しい木虎ちゃん的には不誠実な態度にしか見えなかったんでしょうね。三雲君が頭を下げて教えを乞うまでは、ずっと腕を組んで拒否感を示していましたし。

そんな中でようやく木虎ちゃんが伝授してくれたスパイダーは、聞けば聞くほど三雲君にぴったりのトリガーでしたね!トリオン消費が少ない、相手に当てる必要がなく操作も楽なので次のランク戦からすぐに取り入れられる、空閑君の強みを更に生かせられる可能性がある、自分がベイルアウトした後も機能するなどなど…今の三雲君にはこれ以上ないくらい最適な新技と言えるのではないでしょうか。
今すぐ個人の力で点を取ることは無理だから諦めなさい、代わりに三雲君の長所を最大限に活かす方法を教えてあげる。うん、流石、木虎ちゃんでございます。
でも新技と言っても、スパイダー自体は物語序盤から登場していたトリガーなのが良いですよね~。鉛弾然り、ストーリーだけでなく武器の面でも遅効性を発揮してくる構成なのが本当に凄い。

最後に。時枝先輩、大好きです(告白)

ガロプラ編

佐鳥賢のツインスナイプとか、諏訪さんの指示とか、テンション上がる部分は何個もあったんですが、

荒船さんの弧月は反則じゃん………!!!!!!

かっこよすぎてこっちは心臓ひゅっってなりましたよもう突然止めて下さい嘘です本当にありがとうございます!!!早くアニメでこのシーン見た過ぎる、絶対かっこいいもん。

ただ犬嫌いが本編でも回収されることになったのにはちょっと笑った。

おわりに

次のB級ランク戦の対戦相手やガロプロ側の人たちのことは次巻以降で触れるとして、一先ず今回の感想はこんな感じで終わりたいと思います。

ガロプラ戦へのワクワク感が半端ないです。
隊員一丸となっての拠点防衛戦とか面白くならない訳がない!!!
あとはヒュースの件も気になりますしね。

それでは今回はこの辺で。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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