『ワールドトリガー』18巻感想

はじめに

こんにちは。こんばんは。綿毛です。

最近、旅行先で「謎解きが出来るカフェ」なるものに初めて入ってみました。

文字通り、美味しい珈琲や紅茶を嗜みながら謎解きを楽しむ場所です。用意された謎解きは、手軽なものから解くのに1時間以上掛かる重めのものまで色々ありました。

この時は3人で重めの謎解きに挑戦してみたのですが、これがまーーーー難しい!行き詰まる!なかなか納得できる答えを導き出せない!
残念ながら私は推理小説を推理せずに読むタイプだし(諏訪さんに怒られそう)、友人Aはこれまでこういったものに全く縁がなかったので、結果唯一の経験者である友人Bに頼りっぱなしという体たらくに……最終的には四苦八苦しながら何とか無事、ゴールに辿り着けました(なおクリアまでの推定時間は普通にオーバーしました笑)

ワールドトリガーで謎解きが得意そうなキャラを挙げるなら、諏訪さん、東さん辺りがまず思い浮かびますね~。王子や水上君、古寺君なんかも得意そう。

いつかワールドトリガー×リアル脱出ゲームのコラボとかやってくれないかなぁ。作品のイメージとは異なるのでほぼ実現不可能とは思うんですが、玉狛メンバーの案内音声聴きながら脱出を目指したいです…!

さて今回は、『ワールドトリガー』18巻生駒旋空回の感想です。

ここから先はネタバレ満載になりますので、未読の方はご注意下さい。

では参ります。

ROUND6

~王子一彰~

王子一彰、速攻でワイヤー(三雲)潰しに動いたり、三雲君の行動を先読みしたりと色々「おぉ~」ってなる部分があったんですが、首絞めからの喉元ぶっ刺しスコーピオンは普通にやばくない???相手がトリオン体とはいえ、綺麗な顔してえげつないぶっ殺し方するんだな~~(ちなみにこのとどめの刺し方、右手のスコーピオンじゃなくて左手の弧月ではダメだったんでしょうか?)

左手1本の王子なら僕1人で足止め出来ると考えている三雲君に対し、その思考を見透かした上で「侮るつもりはないけど きみはそこまで強くない」とはっきり言いおるのも、これが王子一彰だ!!!!!って感じでしたね。いや言うてまだ登場したばっかりなんですけど、何故か「あ~王子一彰ってこういうこと言うよな~」って知ったかぶりをしてしまう謎現象が……私の中で起こる……

そして戦闘中でも終始顔が良かったな、この男。
特に「やるじゃないか アマトリチャーナ……!」の時の顔がびっくりするぐらい整ってた。その端整な顔から繰り出されるヘンテコあだ名(「ミューラー(=三浦)」「ジャクソン(=若村)」)のインパクトよ!?この2つはまじで音だけ聞いたら誰か分からん…

話は変わりますが、生駒さんに足を切られた王子を見て、当真君が(木虎なら足スコーピオンだな……)と呟いていたんですが、王子がそれをやらなかった辺り、やっぱり足スコーピオンは空閑君の黒トリガーを巡った争奪戦に参加した一部のA級隊員しか知らない技なんですかね。当時の当真君の反応的にもあの時初めて足スコーピオンを見たっぽいし、A級ランク戦もまだ始まっていない?ようだから、足スコーピオンの認知はかなり低いと見て良いのかもしれない。
もし足スコーピオンがA級ランク戦などでお披露目されたら、王子はウキウキで真似しそうなイメージがあります笑

そういえば、足スコーピオンの初披露シーンを思い出すにあたって4巻を改めて読み返したところ、私、初見では見落としていた当真勇の魅力に「うぐゥ…っ!」ってなってしまったんですよ……

当時自分が書いた初見感想では、あそこのシーンは木虎ちゃんの発想力と時枝先輩のフォロー力にばかり意識が向いていて、恥ずかしながら当真君については割とスルーしていたんですよね。でも今になって読んでみると、狙撃手1位・当真勇はちゃんと凄かったんだってことが分かる。

結果だけを見れば、「嵐山さんを囮にした木虎ちゃんの足スコーピオン奇襲」によって当真君はベイルアウトしています。ただあの足スコーピオンは”初見殺し”の技…ワールドトリガーでは格上の相手に勝つための無二の手段という位置付けがされているものだったわけです。
つまり木虎ちゃんにとって当真君は格上の相手であり、言ってしまえば足スコーピオンという初見殺しを用意出来なければ、木虎藍”なんかに”当真勇がベイルアウトさせられるわけが無かった。

争奪戦時の当真君の悠然とした様子からも、何だか端から相手にしていないというか、侮ってはいないけど現状の実力差を考慮した結果木虎ちゃんに対する警戒度は低かったんだろうなって。しかもあの時の当真君は冬島さんのサポート無しであの余裕っぷりでしたしねーいやぁ恐ろしいわ……
流石、狙撃手の頂点に立つ男。戦時下で無ければ凡そ見出されることはなかったであろう才能の持ち主…その特異な才能と上手く付き合ってるのも当真君の凄いところですよね。

良い意味で肩の力が抜けたような立ち居振る舞いと達観したような物の見方、更に頭も回る(なお学校の勉強はダメダメらしい)。ROUND6では的確に戦況を把握して予測立てをするという優秀な解説振りを披露していたし、黒トリガー争奪戦中の「それを考えるのは三輪の仕事だろ」という台詞からは、明確に自分の役目を認識・判断し、”駒”として徹底的に動ける人間であることが察せられます。一方で「捨てられてても人ん家だぞ」という考え方も持ち合わせている、その精神の在り方が凄く良いなと思う。

思えば攻撃手1位の太刀川さんも似たようなギャップが付与されてるし、葦原先生はこういうギャップを持ったキャラをトップに据えたいタイプなのかな?

~生駒隊の実力~

ROUND6は最終スコアこそ4対3対3で玉狛第2に敗北したものの、個人的にはそれでも「B級3位部隊つえ~~~」って思える試合内容でしたね。

生駒隊は、ランク戦開始前に三雲君も要注意だと指摘していた「生駒旋空+隠岐君の狙撃連携」に水上君の巧みな指揮が合わさって、自由奔放なのに安定した強みが出せている印象。
今回の試合は海君が真っ先に落ちてしまったことで数の有利が早々に無くなり、前半0点のままで後半強めに立ち回らないといけなくなったことが敗因だったのかなと思うけど、最終的には3ポイント獲って王子隊に追い付いてるし普通にちゃんと強いんだよね。マスタークラス経験者で実力はお墨付きである海君の「ノリで動く癖さえなくなれば」(byカバー裏)、生駒隊はもっと上に行けそうな感じがするなー。でもベイルアウト後の「やっちまいました~~」の海君が可愛かったので全部OKです。

それにしても生駒旋空、見た目も威力も派手なのに実は精緻な技術が必要な点がかっこいいですね~。居合経験を元にして生まれた凄技!
射程長いし攻撃力高いし、起動時間が短いならトリオンの消費も少なそうなのでメリットだらけ。でも、比類なき凄技だから誰にも真似出来ない。そこがめちゃくちゃ良い。

で、その生駒旋空を最大限に活かせられるのが、絶対女子にモテてる機動型イケメン狙撃手・隠岐君の存在。
狙撃手には珍しいグラスホッパーを扱うことで、次の狙撃位置への移動時間を短縮し射線圧による牽制時間を長く保てるため、相手の狙撃警戒時間を引き伸ばすことが可能となるというわけですよね。
実際に今回の試合では隠岐君がいち早く雨取ちゃん(狙撃手)を封じ、生駒旋空を撃ちやすい環境を作っていましたし。あと、狙撃手は基本的に寄られたら終わりだけど、グラスホッパーがあれば逃げ切りやすいですよねー。追撃を振り切れなくても寄られるまでの時間を伸ばせるので、その間に仲間のところまで逃げれば何とかなる場合も多そう。見つかったら即ベイルアウトにならないのが強いと思う。

そして、そんな隊員たちを操る生駒隊のブレイン・水上敏志
なんかこの人、軍師みたいな雰囲気ありませんか?大将の側に控えて策を授けるこの感じ……なかなか曲者感が漂っている……

水上君、「もっぺん撃ってみたらええんちゃいます?」とか「ほなちょい離れて戦いましょ」とか、要所要所で生駒さんを上手く誘導するような言動が見られるんですよね。
「ほなちょい~」の場面では、空閑君の間合いに引き込まれた生駒さんをさり気なく旋空の活きる距離まで下がらせて、ワイヤー地帯攻略に動いていた。
相手の得意には飛び込まず、逆に自分たちの得意に引き込もうと盤面を調整しようとしているのが切れ者らしき雰囲気を感じさせます。
でも「どっちからいきます?」みたいに生駒さんに指示を仰ぐ場面もきちんとあって、その辺の2人の関係性が良いな~と思う。

ただ水上君は頭の良さが光る一方で、戦闘能力は秀でて高いわけではなさそう。声に出したのと違う弾を撃つのは高等技術らしいですが、戦闘面で強そうな描写は特に無かったように見えたかな。
鉛弾を避ける際には冷や汗かきながら「どわっと!!」ってコミカルな反応してたし、空閑君が打ち出したガレキで顔面クリーンヒットなど、割とクスッと笑えるような扱いもされてたので、頭が良い分、運動能力は低いタイプのキャラ?

そういえば、うそつきブロッコリー・水上君が、炸裂弾メテオラを「通常弾アステロイド!」と噓吐いたシーン。
着弾前に、空閑君に「!」の吹き出しが入ってるんですが、これって空閑君が水上君の嘘に気付いたってことですかね。ちょっと判断しづらいけど、わざわざ1コマ入れてるし、空閑君のSEが働いたことを表しているのかな。

~オッサムとアマトリチャーナの成長~

ワイヤー地帯のことを「三雲チャンの巣みっけ」と言う海君、完全に駆除業者(てか、三雲”チャン”って)

けど結果としてその巣に引き寄せられた敵同士をカチ合わせることに成功した三雲君、いつものいやらしさを遺憾なく発揮してましたね笑

やっぱり三雲君って「危機的状況における咄嗟の思い付き」に優れているのは明白で、でもそれってあくまで凡人が出来る範囲内なのが良いんですよね。目標に向かって仲間と共に駆け抜けながら、自分は常人としての努力をひたむきに続けている姿に惹かれるし応援したくなる。個人的には「ひたむきさ」や「一生懸命さ」という点が、三雲修を主人公たらしめている1つの要因な気がします。

「前と同じ失敗はしない」
「もう 何もしないまま やられるわけにはいかない……!」

これとかそうなんだよな。同じ失敗は繰り返さない。誰だって出来ることだけど、それをきちんとすぐやるのが三雲君。実際、今期のB級ランク戦は着実に終わりへと近付いていってるし、もうそんなちんたらしてる時間は無いよなぁ……

今回の三雲君は雨取ちゃんとの連携でばっちりポイント(樫尾君)を獲得。その後王子に落とされはしたものの、事前にワイヤーを張りまくっていたお陰でベイルアウト後もチームに貢献出来ていましたね。
終盤の、雨取ちゃんの足と引き換えに隠岐君に鉛弾ぶち込んで身動き取りづらくさせて、空閑君の機動力を生かして即座にポイント(隠岐君)ゲットという流れも、隊長としてナイス判断だったのでは。

雨取ちゃんの方も、蔵内君の足に鉛弾を正確に撃ち込み、樫尾君と接敵した際は「ワイヤーを避ける素振り(ブラフ)」を見せることで仲間が援護に来るまでの時間を稼いだ。そして何より「追尾弾ハウンド」が良かったですよね~あれ見せられたら撃てないっていう前情報があっても流石に警戒せざるを得ないよ。

でも、三雲君はとりあえず今持ってるものを更に磨いていく…という方向で強くなっていくんじゃないかと思う一方で、雨取ちゃんはやはり人を撃てるようになることを克服しない限り、この先厳しいんじゃないのかなぁ。物語の展開を私なりに予測すると、まぁ結局雨取ちゃんは撃てるようになるんじゃない?と勝手に思っているんですが、問題はどうやって克服するの?っていうね。これが私の脳ミソではサッパリ思い付かない(でも、今18巻で最新が24巻。言うて残り6巻しかないし、ワンチャンまだ克服出来ていない/そもそも克服パターンじゃないことも有り得るな……?)

ROUND6終了

僅差で勝利を収めた玉狛第2。やはり玉狛は早めにポイント獲ってたのが良かったですね。
その先制ポイントを獲った時の空閑君、鮮やかだったな~。逃げたと思わせておいてバッグワームを起動し潜伏、一瞬の隙をついて蔵内君の首を落とす…とても綺麗な奇襲でした。ごろんと首が落ちる絵面はまぁまぁインパクトありましたが笑

で、「3点目」ですよ!!!!!!ここですよ!!!!!!!!!!!!
はァァーーーーーー好き……めっちゃ良い……やっぱり私はどう足掻いても淡々とした表情の空閑君が大好物なんです……初期からずっと変わらない、時折見せる底冷えするようなあの赤い瞳……小さな白い悪魔……
いやマジであそこのシーン、ちょっとかっこよすぎやしませんかね?あんなん惚れちゃうでしょ惚れますよね惚れないとおかしいですよね???(真顔)

その空閑君を旋空で一閃した生駒さんもかっこよかった。強者オーラバリバリ出てた……あ、最後のカメラ目線決まってましたよ!笑

ヒュースVSボーダー攻撃手

弧月ヒュース、予想以上に強くてびっくり。フル装備でないとはいえ、マスタークラスの辻ちゃんで5対2、生駒さんで5対4かー。そしてあの太刀川さん相手に初戦から1本取れるってかなり凄いのでは?
というか太刀川さんのポイント、他の人との差がえぐすぎてなんか笑ってしまいました。1万超えでさえ7人しかいない中の45961ポイントって……

ヒュースの剣の師匠はヴィザさんなんですね。納得。

「誰に剣を習ったと思っている…!」

このコマめちゃくちゃ好きです。

でもヒュース→太刀川さんへの評価が「これほどの剣の使い手は アフトクラトルにもそうざらにはいない」って、つまりざらにはいないだけで、普通に複数人はいるってことですよね。一国と一組織を比べちゃダメかもしれませんが、流石に層の厚さが違いますね…

話は逸れますが、嵐山准にほっぺをつんってする生駒達人の図、可愛いな~。同い年?だから仲良いのかな?

新・玉狛第2

まさかのたった1日でB級へと爆速昇格したヒュース。
ということで、早速衣装合わせのコーナーがやって参りました!

まだ見慣れませんが、ヒュースの隊服姿なかなか似合ってますね!全員揃うとますます良い感じ~。
玉狛第2の隊服デザインは人によって細部が異なっているので目が楽しいですよね、宇佐美ちゃんありがとう。

「勘違いするなよ 「仲間」じゃない 利害が一致した「協力関係」だ」

玉狛第2に加入することを決めたものの、仲間ではないと4人の前で言い切るヒュース。
まぁクールな忠犬キャラのヒュースとしては、今回利害が一致しただけで元々玄界に与する気持ちはサラサラないから仲良しごっこなんかしない!って感じですよね。……お前、預かりが玉狛支部で良かったなぁ(しみじみ)こんな好待遇ほかじゃ絶対無理でしょ。

「はっきり言っておくが オレはおまえの指示に100%従うとは言えない 従うのは指示に妥当性があると判断した場合だけだ」

隊長に従わない時もあるというヒュースに対して、空閑君が感情的に反論するのではなく「現場が混乱するぞ」と言うのがとっても空閑君らしい。でも顔はちょっぴり拗ねた感じなのが最高。

おわりに

18巻は新しいキャラの登場を前にして終了しました。

新キャラは、玉狛支部のメンバーだという林藤ゆりさんとミカエル・クローニンさん。
林藤ってことは、林藤支部長のご親戚とかなのかな?
古株、というのもポイントですよね。

うあ~~~ようやく19巻が読めるぞ~~~!!!まぁ7月までは仕事が忙しい(というより休みが少ない)ので読めても感想を書く時間はなかなか取れないんですが…
その代わり、8月はお盆休みがあるので今までよりも時間が取れるはず…!早く最新巻まで追い付きたいですねぇ。あとアニメも!

それでは今回はこの辺で。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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