『ワールドトリガー』21・22巻感想

はじめに

こんにちは。こんばんは。21巻の感想執筆中にどうしても続きが気になってつい22巻も読んでしまった綿毛です。

ということで、今回は2巻分の感想をまとめさせて頂きます。

あの~~~ほんとにもう、めっちゃくちゃ良かったです……戦闘描写は言わずもがなストーリー的にエモい要素も盛りだくさんで、満足度120%でした。

それではここから先はネタバレ満載になりますので、未読の方はご注意下さい。

では参ります。

弓場隊

まずは21巻にて初登場の里見一馬君と弓場隊の感想から述べていこうと思います。

新たなメガネキャラ・里見一馬君は、緑川君が所属するA級4位草壁隊の一員であり、何とNo.1銃手だそう(※ただし本人は自分の順位を知らないらしい)。加えて、弓場隊隊長・弓場さんの弟子であり二宮匡貴信者というパンチのある設定付き。

時々出てくる目元のキラーンには、空閑君や佐鳥賢っぽさを多少感じましたね。この3人の会話、あんまり想像できないけど相性は良さそうだからちょっと聞いてみたい。

でも自分の順位を把握してないって、要するに興味が無いってことですよね。これは絶対強いタイプのキャラだ…!
銃手スタイルの話をしている時の様子や、最後に「実はNo.1銃手でした!」って明かされる描写の仕方も相まって、太刀川さんや二宮匡貴とはまた違った強者感がありますね。里見君の戦闘シーンを見れる日が来るのがとても楽しみです。

さて、そんな里見君が話す弓場さんという人物像は、何とあの太刀川慶とも張り合えるタイマン最強の男……だと!?
同じくタイマン最強らしい二宮匡貴相手でも間合いを詰めたらもしかすると…ということなので、どうやらかなりの実力者である模様。

そして緑川君と共に弓場隊隊室を訪れた空閑君を出迎えたのは、ツーブロリーゼントに見える髪型にスタイリッシュなメガネをかけたインテリヤクザ風の強面男性……(震)

そう、彼がB級暫定7位の弓場隊隊長・弓場拓磨さんでした。

…………エッ見た目こわぁ!?!?
言葉尻の「ァ」や「ェ」が完全に借金を回収しに来たヤクザのそれなんですけど……しかし頁を捲っていくと、どうやら顔と口調がちょっとアレなだけで礼節を重んじる硬派な人っぽいですね。
空閑君が弓場隊隊員の帯島ユカリちゃんを男の子と間違えたことに対してはブチギレ一歩手前の反応を示し、稽古に手を抜きまくった際にはブチギレ。でも、手抜き稽古のお詫びに空閑君が新技を披露すると「払い過ぎだ」と言って結局勝負してくれる清々しさを見せてくれました。かっけぇ。

というか弓場さん、えげつない早撃ちしてましたよね!?!?!?
あの空閑君が即死……しかも今回の場合、一応空閑君はログで弓場さんの戦闘を確認していたらしいので、初見殺しでやられたとも言いづらい条件だったという……

総合的には「漢!」って感じのキャラだなぁという印象を受けました。

帯島ちゃんは、日に焼けた肌に黒髪が映えるスポーツ少女という雰囲気ですね〜。14歳ということは雨取ちゃんや緑川君と同い年なので、その年で万能手になっているのは普通に逸材なのでは?(てかC級の人数を考えると、B級に上がっている時点で凄い)
普段は割と控え目な性格なのかな~と思ったりもしましたが、単純に周りに年上が多いからですかね?
別れ際に小さくおてて振ってたのがとても可愛かったです……!

他メンバーの外岡一斗君と藤丸ののさんはROUND8の作戦時間中に初登場。

外岡君は弓場隊の狙撃手。後々判明しましたが、以前の捕捉&掩蔽訓練で3位だったのが外岡君だったそうです。14巻の段階では判明していなかったので、ようやく分かって地味に嬉しい。
16歳ながら「神田さんなら気を遣ってそういうこと言うだろうなぁ」と胸中で察せられる辺り、狙撃の腕前のみならず人格面でも優秀と見た。

オペレーターであるののさんは「姉御!」と呼びたくなるようなナイスバディのお姉さん。漢と姉御が揃った部隊とか最高ですやん……

元隊員の神田さんは、大学受験のために弓場隊を去った方だそうで。日浦ちゃんのように家庭の事情でボーダーを離れる人もいれば、自らの意志でボーダーを出ていく人も当然のことながらいるんですね(ちなみに神田さんが着ているのはもしや進学校の制服?)

ROUND8~空閑VS帯島VS南沢~

登場の仕方的にも戦力予想的にも「空閑VS帯島、南沢」っぽい流れでしたが、ここは帯島ちゃんが一枚上手でしたね。「すいません!点が欲しいッス!」がどストレートで良かった笑

ただやはりその上をいくのが空閑君で。
稽古の時と同じ、背後から帯島ちゃんの急所を一刺し…!しかしあの時とは違い、酷く冷静な表情で帯島ちゃんにエールを送る空閑君…
帯島ちゃんは知らないと思いますが、"嘘"というものに関しては一家言ある空閑君からあの言葉を掛けられるのは、読者側としてはまた沁みると言いますか……良いですよね(語彙力)

ROUND8~弓場VS二宮~

主役エースがいよいよご到着ってわけだ」
「弓場は俺が墜とす」
「一手の差だが……俺の勝ちだ」

手に汗握る白熱した1対1の勝負は、二宮匡貴の方に軍配が上がりました。

しかしながら、負けてしまった弓場さんの株自体は全く下がっていないように感じるのは、ひとえにこれまでの流れで弓場さんがどういう人なのかをNo.1銃手から伝聞され、お試しとはいえあの空閑君を即殺した実績を持ち、そしてNo.1射手の二宮匡貴から「弓場は俺が堕とす」と言わしめた事実を有する男だからこそなんですよね。

かっけぇな、弓場さん…………
(てかベイルアウト後の髪下ろしてる姿、やばくないですか?男前過ぎません??)

生駒隊

ROUND8~水上の計略~

生駒隊に関しては、やはり水上君のクレーバーさが最後まで印象に残りました。

スタート前に「転送位置次第でうまいことやればええやろ」と言っていた通り、弓場隊・生駒隊・犬飼君がヒュースを囲んでいる状態で転送されたのを見て、将棋で言うところの"王将"をヒュースに定めて動いてたっぽい(途中、生駒さんにも「漁夫られへんように気ぃつけてくださいね」と声掛けてたし)
ヒュースの「生駒隊の動きを見て他の敵も寄って来ている」や王子の「乱戦を主導してるのはみずかみんぐだね」の発言からも、東側の盤面は終始水上君が先導して操作していたのがよく分かります。

ただ、肝心のヒュースを落とした後はすぐベイルアウトしちゃってましたけどね。
これは水上君が、蔵内君が解説で言っていた「ヒュースを落とした後」を考えていなかったのか、もしくはそれも想定済みだったけどヒュースの隠し玉によって主戦力の生駒さんが落ちたことで計画が崩れたからとか?
まあでも多分、水上君の頭脳レベルなら色々と想定はしていたんでしょうけどね。ヒュースのベイルアウト後は生駒隊が有利な状況へと傾くため弓場隊が自分たちをすぐ狙ってくることは理解していたからこそ、落とされそうになった時シールドを2枚張ってたのかな。

……とは言え、ここまでしっかり頭回るのにやけにあっさりベイルアウトしちゃうんだなーとも私は感じてしまったんですが……んーでも水上君単体の戦闘力の問題もあるしなぁ、どうなんだろう(恐らく戦闘力自体は高くないと思われる)

二宮隊

ROUND8~「すべての状況で 完璧にやれる人間なんていないでしょ」~


これは勿論良い意味で言うんですけど、二宮匡貴って本当に憎らしい男だなって思うんですよね……

弓場VS二宮のタイマンでは、弓場さんは勿論木虎ちゃんや解説陣すら出し抜き、見事な時間差射撃で勝利。最終的には三雲君の劇的な一撃によって落とされるも、結局試合終了後の「すべての状況で 完璧にやれる人間なんていないでしょ」という烏丸君の言葉が全てというか……あーそうだよなって。
スポーツ漫画やバトル漫画を読んでいると、たまーに試合結果が腑に落ちないと感じてしまうことがあるんですが、『ワールドトリガー』では基本的にそれが無いんですよね。絶対どこかのタイミングで「ああ、そっか」って納得させてくれる。その納得させてくれる要素が全て作中に組み込まれているのも凄い(あくまで個人的な意見です)

ROUND8~「ナイスキル」~

犬飼澄晴が雨取千佳に向かって言い放った「ナイスキル

突如降って湧いたこの読解問題に、私のみならず感情をぐちゃぐちゃにされた読者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか……

漫画には当然音が無いので、シーンの情景やキャラの表情等からその人物がどういう感情を抱いていたのかを推測するしか無いのですが……これは読み手によって様々な解釈が存在するんだろうなぁ……と。

あまり語ってもしょうがないので私からは一言だけ。

鳩原未来……………………………(小声)

玉狛第2

~雨取千佳~

これまで人を撃てないことが課題となっていた雨取ちゃんですが、21巻にて遂にその理由が判明しました。

「わたしは 本当は……人を傷つけるのがこわいんじゃなくて……人を傷つけたことを 誰かに責められるのがこわいんだと思う」
「「おまえが撃たなかったせいで」って 誰かに思われるのがこわいから……」
「………わたし…… わたしは 結局いつも 自分のことばっかり考えてる……」

……………………………………………………。

……そういうことだったのかぁ……なるほどね、なるほど……うん……

一応21巻を読む前にある程度の想定はしていたので「さあ来るなら来いッ!」って身構えていたつもりだったんですが、予想以上に重たいのが来てしまって……ウワァァって感じです。
(この辺の台詞、細かく震えたような吹き出しからどんどん感情の起伏が大きくなって角ついたような吹き出しに変わっていくの、芸が細かい)

「自分は人を撃てないんだ 他の人より弱いんだって思い込んで だから許してくださいって」のところとか、めっっっっちゃしんどいね…
これは19巻の感想内でも言ってたんですけど、今まで空閑君は作中で雨取ちゃんが人を撃てないことに対して嘘だと認識したことは無いので、本当に雨取ちゃんはずっと「自分は人を撃てないんだと思い込んでいた」わけですよね……
だから絵馬君に鉛弾を教えてもらう前と後で雨取ちゃんの表情が変わったように感じたんだな〜。無自覚でしょうけど、雨取ちゃんとしてはあの時謂わば免罪符を手に入れたようなものだったろうし…

そして何よりしんどいのが、そんな雨取ちゃんの側にいるのが三雲修という人間だったことです。
こんなんどうしたって「常に自己を主軸とする三雲修」と「他人基準で考えてしまう雨取千佳」で対比してしまうやんけぇ……

であるからこそ、今回雨取ちゃんの真実を指摘する役目が三雲君ではなくヒュースだったことにめちゃくちゃ納得がいくんですけどね。

で!!!この流れからの、ROUND8ですよ!!!!!!!!!

結局雨取ちゃんは撃てない…のか?という雰囲気の中、最後辻君を一発で撃ち抜くシーンを見た時はもうたまりませんでした……

自分の身を守る固定シールドの内側から弾丸を放ったことでシールドが割れて破片が飛び散る画が綺麗過ぎる……ここ複製原画とかで欲しいです。
(なお撃ち抜かれた辻君、ちゃんと瓦だけじゃなくてシールドも張って実弾対応してたのが素晴らしい)

ROUND8〜「……勝った」〜


ROUND8、最高だったな……って心の底から思いました。

本当にあの二宮匡貴相手に勝ったよ……凄いよ、三雲君、空閑君……

色々取り上げたいポイントはあるけど、個人的には二宮匡貴に対して三雲修が射手として勝ったのが凄く良かったなぁと。自身のトリオン量の少なさを逆手に取ってここぞという時まで追尾性能を切った追尾弾を使用し、最後の最後で追尾弾で決めた〜〜!!
読み返してみると、確かに三雲君、今試合では1回も弾の名前言ってなかったんですね。気付かなかったわ…

トリオン量云々についてのヒント(と言うよりミスリード?)は、20巻の犬飼君の「三雲くんはもうトリオンがカツカツでしょ」や「なんとなくトリオンの大きさの割に 通常弾の威力が低いような気がしたけど」といった台詞に込められていたんですかね。
うーん、解説陣も読者もあの勝ち方は流石に予想してなかったよなぁ。

あと勝ち方に関しては、三雲君がベイルアウトせずに試合を終えることが出来たという点について大きく評価したいですね!(上から目線で失礼します)
大規模侵攻では大怪我を負って命からがら生還し、これまでのランク戦でもボロボロになったりベイルアウトしてしまっていたり…
ワイヤー戦術を得たとはいえ、それでもまだ今試合参加者の中で最弱だったであろう三雲君が、ROUND8でやっと最後まで立ち続け勝利を収めたという事実は、彼が確実に成長している証左なんですよね(特に遠征に行くならサバイバビリティーや継戦能力の高さは重要度高そうですしね……イヤダミンナシナナイデ……)

おわりに

遠征入りが掛かった大事な試合であったROUND8は、無事玉狛第2が6点を獲得しB級2位が確定となりました!おめでとう!!「玉狛第二の勝利です!」の文字を読んだ瞬間、何とも言えない高揚感に包まれたのを覚えています。
いやーここまで来るのに長かったような短かったような。

ところで、アニメ3期?は22巻辺りまでの内容らしいですね。個人的にはやはり「ナイスキル」がどのような形で命を吹き込まれたのかが非常に気になるので、そろそろアニメの続きにも手を出そうと思います。楽しみ~!

それでは今回はこの辺で。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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