『ワールドトリガー』20巻感想

はじめに

こんにちは。こんばんは。綿毛です。

去年の年末から読み始めた『ワールドトリガー』も、遂に20巻まで来ました。正直な話、感想を綴るという行為がまさかこんなに時間の掛かるものだとは思いも寄らず…笑(私が遅筆なだけかもしれませんが)
当時は24巻がシリーズ最新刊でしたが、いつの間にか25巻が発売されていましたね!私も購入自体はバッチリ済ませておりますよ!24巻まで追い付いていないのでぶっちゃけ表紙にいるキャラの組み合わせが謎なんですけど、とりあえず全員頭良さそうオーラがあって良さげやん?とふわっと思いました。

さて今回は、『ワールドトリガー』20巻ヒュース回の感想です。

ここから先はネタバレ満載になりますので、未読の方はご注意下さい。

では参ります。

ROUND7

影浦隊VS玉狛第2VS鈴鳴第一


まずは影浦隊VS玉狛第2の感想から。

いや~~、影浦君ってやっぱバケモンですね。手負い状態だったにも関わらず、玉狛のエース2人掛かり(更にヒュースは初出しだったから情報ほぼゼロの状態)であそこまで追い詰めてやっと落ちるって……マジで戦闘能力どうなってるんですか!?

ピンチの影浦君を壁ぶち壊して助けに来た北添君もめちゃくちゃかっこよかったです~~これは惚れましたわ。
その後すぐに空閑君お得意の首ちょんぱでベイルアウトしてしまったけど、死に際に放った炸裂弾メテオラによって開いた床から影浦君が階下に落下出来たことで、結果影浦君の点は玉狛第2に入らなかったわけですしね。嵐山さんも「空閑隊員との相討ち狙いと思わせて 影浦隊長の逃げ道も作っていた」「北添隊員の判断がよかったですね」って褒めてるし、ナイスムーブでした!
あと、ベイルアウト後の「ナイスエスケープ」や「ナイス天井抜き」というさり気ない一言も素敵だったな~。店内の照明を壊した時とかも感じたけど、北添君の高いサポート力があってこそ影浦君が自由に動けてる節がありますよね。
影浦君、これからも北添君を大事にするんやで……

続いては玉狛第2VS鈴鳴第一。

ヒュースが「予定変更だ この試合「曲がる弾」は撃たない」「スズナリは別の手で倒す 理由は試合の後で説明する」と驚くべきことを言い放ったのに対し、「……わかった!ぼくは何をすればいい?」と全てを飲み込んで受け入れた三雲君。
ヒュースのことを信頼した上で、隊長としてその判断を受け入れたのが「修…お前……っ!」となったシーンです。戦闘能力にまだ難はあるものの、試合を経るごとに三雲君の隊長としての格みたいなものが上がっているように感じますね。

そういえば、ヒュースの「スズナリ」というカタカナ表記の台詞を見て思い出したんですが、結局近界民と地球人がお互いの言語を理解出来ているのは一体どういう原理なんでしょうか?住んでいる星が違うんだから当然言語も違う…よね?割とありそうな疑問だから、もしかしてBBFに答え載ってたりするのかなぁ(小声)

あと…………今回の村上鋼君の作画、めっちゃ良くなかったですか???(いきなり?)

こう、何て言うんでしょう……全体的に無機質感があったと言いますか……空閑君・ヒュースと相対した際の「迎撃します」の顔然り、ベイルアウト時の亀裂が走る顔然り……村上君は普段から表情豊かというわけでもなさそうですが、ROUND7ではいつにも増して表情らしい表情が抜け落ちているような絶妙な作画が多くて…………はっきり言って、心臓に悪いよね(好き)


それでは試合展開に戻りまして。

はじめは玉狛第2も鈴鳴第一の新戦法に押され気味でしたね。来馬さんの誘導弾ハウンドを玉狛の2人が防御する瞬間を狙って、村上君が旋空弧月でエスクードを破壊。無防備になった瞬間に両攻撃して相手を近付けさせない。背面に位置取ることに成功していた三雲君も挟撃出来るタイミングが来るまでは動くに動けない状態。

しかし、そんな来馬さんと村上君を上手く分断させた空閑君とヒュースの連携力の高さですよ!!ヒュースの手が地面に触れる動きを見て、エスクードを発動させる気だと誤認した村上君が分断警戒のために来馬さんとの距離を近付ける→その隙に空閑君が後ろ手でヒュースの足元にグラスホッパー発動→ヒュース突貫→村上君迎撃からのヒュースの腕が村上君の腕を掴む→村上君の背中からエスクードが生え、後ろにいた来馬さんを突き飛ばす→鈴鳴が分断→玉狛が挟撃

背中からエスクードが生える姿はシュール過ぎて笑ってしまいましたがwその後の村上君の曲芸シーンは最高でしたね!結束ちゃんの「は!?」にはナイスリアクション賞をあげたい。
でも背後で斬られた空閑君が機転を利かせて足スコーピオンで村上君の背中に生えたエスクードを蹴って体勢を崩させ、村上君の剣筋を逸らさせたのは普通にめちゃ上手かったなぁ。

それにしても、村上君の来馬さんの生命に対する執念(と言ってもいいレベル)は割とやばいなと。
ぶっちゃけランク戦であれば生身が傷付くことは絶対に無いし、防衛任務でもベイルアウトがある以上滅多なことは起きないはずで。でも、どんな時でも村上君は来馬さんを生かすことを最重要目的としていて、何なら自隊の勝利よりもそれを優先していそうな印象がある。今回も来馬さんの窮地を救うためにレイガストを手放した結果、最後はレイガストの生成が間に合わずベイルアウトしたっぽい?
個人的には、生成が間に合っていたら…と言うか、そもそもレイガストを手放していなかったらワンチャン玉狛に勝ってた可能性もあったのかなーと思わなくもないんですよね(たられば言ってもしょうがないけど)だけど同時にこれは、状況的に来馬さんを犠牲にした方が良い時でも村上君は決して見捨てないと言う安心感にも置き換えられる。ただ、来馬さんの方は村上君のある意味エゴとも呼べるその部分に対してどう考えているのかなー。来馬さんは優しいけど優しいだけの人ではないと私は感じているので、現状をどう捉えているのかが少し気になる(村上君のエゴと表現したけど、過去に太刀川さんが指摘していたみたいに来馬さんの戦力不足もあるだろうしなぁ)

恐怖の天井抜き

「来馬隊長逃げられない!玉狛が連続点を狙えるか!」って思わせてからの、下から来馬さんを無情に撃ち抜いて爆散させた絵馬君には思わず震えましたね~。確か前巻で壁抜きの話が出ていたかと思うんですが、このシーンに繋がっていたわけですね。
相手が静止さえしていれば、直接相手の姿を視認していなくともレーダーだけを頼りに天井越しでも撃ち抜けるって……流石、貴重な天才設定を背負いし男。マップだって今回は鈴鳴第一の選択だったのにね。奥寺君曰く、狙撃銃なのに近距離でも当ててくるらしいし、ほんと末恐ろしい中学生ですよ。

なおここのシーン、目の前で天井抜きされた来馬さんを目撃して三雲君が咄嗟に「東さんか……!?」と連想していましたが、初めて読んだ時ちょっと笑っちゃったんですよね。エッどんだけあの時の恐怖体験が脳裏にこびりついているんだよ!って。…でも待てよと。いや、まぁそりゃそうか?認識外からの攻撃だったもんな……あーやっぱ東さんこっっっわー……と、結局「東春秋はやべえ」っていう感想に落ち着きました。

その後、天井抜きをしたのが絵馬君であると思い至ってすぐにバッグワームを起動した三雲君。ただ、遠征部隊入りへの焦りや”嫌な予感”のせいか、少し判断と移動が遅れてしまったのが痛かったですね。そのまま絵馬君に足を撃ち抜かれ、時間差でベイルアウトという結果に。うーん、判断が遅れてもレイガストが残っていれば爆速スラスター移動とかで回避出来たりしたのかな?
それと、三雲君のトリオン量が少ないからあれくらいの時間でベイルアウトしてしまったのであって、平均的なトリオン量の人ならもう少し生存出来てたんですかね。実際、ROUND2で両脚失った荒船さんはその後も割と生き残っていたような…?

東春秋のモブ感は既に失われました

玉狛第2の目標達成のために、この試合においてはあと4点が必要。その内訳は東隊が全員ベイルアウト+生存点2点が最低条件。しかし、東さんが今期6試合でベイルアウトしたのは僅か1回。しかもその状況が「弓場隊・王子隊・香取隊に集中攻撃を受けた時だけ」っていうね。

えっこわ。そこまでしないと落とせない男こわ。

モブ感のあった東春秋が最早懐かしい……(遠い目)

今回の試合も、東春秋の余裕が失われた瞬間なんて全く無かったんだよなー。最終局面でダミービーコンというオプショントリガーを東さんが使った際も、犬飼君が「かなりのトリオンを注ぎ込んでる」「モール内で勝負になるのを予期していたのかな?」とか予想しててさ…………東春秋~~~〜〜〜!!!!!!ってなったよね。

そしてヒュースを落とした東春秋という展開で、無事私は死にました。ありがとうございました。

「あいつはまじめだからな」

ROUND7はヒュースがアフトクラトルの軍人としてではなく玉狛第2の新メンバーとして初めて表に出た機会となったわけですが、正直、敵キャラだった過去は何処へ?ってぐらい玉狛第2に馴染み過ぎていて、最早「あれ?ヒュースって元々敵だったんだっけ?」と思ってしまうレベルでした。

と言うか改めて、ヒュースって良いな〜〜!一キャラクターとしてかなり魅力的だと思います。

まずシンプルに強くてかっこいい!!
本来は防御用のトリガーであるエスクードをカタパルト的に使ったり、四方を囲んで檻のように使ったり、地面ではなく人の身体に生やしたり…盾以外の使い道を編み出す発想力には驚いたし、一人時間差攻撃を成功させた読みの鋭さ、慣れない玄界製トリガーの操作を短期間で実戦レベルにまで仕上げたセンスなど……これはもう文句無しに新戦力として充分過ぎる強さですよね。勧誘の順番的には、あの!実力派エリート・迅さんの後釜ということになりますが、特に見劣りしていないのが普通にやばい。ヒュースは全体的にスペックが高いんですよね。トリオン量も多いし、巧みなトリガー操作の他に純粋な剣技も持ち合わせているし、1人で状況判断も出来て戦術眼もあるから、単体で強い。強さの方向性も、あまりクセのない強さというか、尖った駒が多い玉狛第2の中でも王道の強さを備えているというイメージ。

そして何よりヒュースという人間を魅力的にしているのは、その真面目な気質だと思います。

「すまんなオサム ヒュースにチャンスをやってくれ」
「カゲ先輩を逃がしたやつと オサムがユズルにやられたやつ」
「ヒュースはあの2点は自分のミスだと思ってんだ」
「だから自分でその点を取り返したいのさ」
「あいつはまじめだからな」

めちゃくちゃ真面目な良い子やんけ……ッ!!!

他にも「那須の時と同じパターンか」「東がたまに使ってる囮だな 過去の記録で見た」といった発言からは、過去のログを通してボーダーでの戦い方を研究していることが分かります。
変化弾バイパーの弾道変化を使おうとしなかったことも、守りに入ろうとした三雲君の指示を真っ向から拒否したことも含めて…全てはチームの遠征部隊入りを成就させるための行いであり、ひとえに彼の責任感の強さから来ているものなんですよね。そして何よりヒュースの「ここが良いんだよな」って思う部分が、これらの言動は全て、忠誠を捧げし主のもとへ帰るためなんですよねぇ。ハイレインたちから捨てられボーダーに所属することになっても、ヒュースはあくまでエリン家のヒュースのままであろうとしているように見えるのが凄く好きです。

イヤな予感の正体

三雲君のイヤな予感の正体は、ヒュースが目立ち過ぎることだったんですね。いやーこれは盲点でした。

ヒュースの噂の火消しをお願いするべく、メディア対策室室長のもとを訪れた三雲君。
何で東さんもいるの?と思いましたが、ヒュースの噂を上書きするための噂の信憑性を上げるために選ばれたんですね。佐鳥賢と半崎君もその噂の流布の協力者に選ばれているっぽい。てか「さとけん」!?佐鳥賢のことを「さとけん」って呼んでるの半崎君!!あと半崎君って一匹狼タイプじゃなくてちゃんと後輩と交流出来る子だったんだ…

ヒュースがボーダー入りすることへのリスクについては、私も17巻感想内でチラッと出していて「根付さんの情報操作の手腕に期待」という風に言っていたんですけど、まさかここで回収されてくるとは……
初登場時は鬼怒田さんも含め、嫌味なおじさんという印象を持っていましたが、やっぱり根付さんもボーダーにとって貴重かつ有能な人材であることは間違いないんだなぁ。

三雲「隊員を予測できる問題トラブルに晒したのは 指示を出した隊長ぼくのミスなので」
東(自分のことは無頓着だが 他人のことは背負い込む……アンバランスだな……)

ほんっっとに三雲君のこの歪さはどこから来ているんですかねぇ。
私、未だに3巻の三雲君の「自分が「そうするべき」と思ったことから一度でも逃げたら きっと本当に戦わなきゃいけない時にも逃げるようになる 自分がそういう人間だって知ってるんだ」という台詞が忘れられないんですよね。彼は一体どのタイミングで自分がそういう人間だと知ったのか?三雲君の強過ぎメンタルのルーツが知りたいです。

焼肉屋にて

夕食を外で食べることにした小南ちゃん、宇佐美ちゃん、三雲君、雨取ちゃんの4人。焼肉屋で3人も奢れる小南ちゃん、かっけえです…

着いた先には何と、二宮隊のメンバーが!

小南ちゃんと宇佐美ちゃんに囲まれた辻君のあわあわっぷりが凄い笑
13巻のカバー裏にそのような記述はありましたが、ガチで女性によわよわ過ぎますね。ここまで酷いと、高校の教室とかは前後の席が女子にならないよう配慮とかされてたりするのかな…

鳩原さんの話題はタブーかと思ったりしていたものの、案外あっさり出してきた犬飼君。氷見ちゃんと辻君の反応も結構サッパリしてる……そうなると、あの時の二宮匡貴の反応が余計に際立って見えちゃいますね?

鳩原さんから雨取ちゃん、そしてヒュースへと話題は移り、犬飼君の更なる揺さ振りが始まろうとしたところで「……上がるぞ」と、二宮匡貴が一言。盤外戦は好まない性質なんだろうな〜潔さを感じますね(犬飼君のこういったやり方も全然アリだとは思いますけどね)

テーブルに残る玉狛と、先を歩く二宮隊の構図がかっこよかった…

おわりに

「オレは 千佳は人を撃てると思っている」で幕を閉じた20巻。
この人撃てない問題、果たしてどう解決していくのか。
でも、三雲君でも空閑君でもレイジさんでも無く、ヒュースがこの言葉を雨取ちゃんに向けたことが、ある意味ターニングポイントになったりとかするのかな?雨取ちゃんにとってヒュースは、まだ1番外側の人間で、逆もまた然りだと思うので、ヒュースの外からの視点が何かキッカケになるのかも…?(適当言ってたらすみません!)

それでは今回はこの辺で。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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