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猩猩(しょうじょう/滋賀県・草津市)_20190402

猩猩(しょうじょう)とは?

今日は映画『もののけ姫』にも出てきた「猩猩(しょうじょう)」です。

『もののけ姫』の猩猩はこんなキャラクターでした。

怖すぎる。全員いかりやのドリフが森の奥から出てきたようなシーンですね。

猩猩とは現在はオランウータンの漢名で、そもそもは伝説上の動物らしいです。

もとは中国の伝説上の動物であり、古典書物に登場する。
日本では各地に猩猩の伝説や説話が残っており、特に能楽には『猩猩』という演目があり、大酒飲みとして登場する。
またオランウータンの漢名として猩猩が使われ、それに合わせてチンパンジーの和名は黒猩猩(くろしょうじょう)、ゴリラの和名は大猩猩(おおしょうじょう)とされた。

どうしてこんなおっかないものが、何ともいえず力の抜けたキャラクター(どちらかというと『千と千尋の神隠し』の「カオナシ」のよう)になったのでしょう?

滋賀県草津の「猩猩」

"草津"と聞くと反射的に「温泉の?群馬県にある?」と思ってしまうのですが、「猩猩の草津」は琵琶湖畔にあります。

京都からもほど近く、江戸時代には土産や護符としても名を馳せた「大津絵」を生んだ大津市の、琵琶湖をはさんだ対岸に位置するのが草津ですね。

草津の隣には競馬ファンにはおなじみ、関西馬のトレーニングセンターがあることで知られる栗東(りっとう)もありますね。行ってみたい!(どっちへw)

東海道が通るこの地方は、昔から交通が盛んで草津も宿場町として栄えたそうです。その草津には「草津張子」という特産品が江戸時代から存在しました。

ちなみに「猩猩」の他にも「ピンピン鯛」「ピンピン馬」があります。
草津にある街道交流館が「ピンピン鯛」「ピンピン馬」を紹介していて、動かすと琴のような音色を奏でる張子玩具でとても魅力的です。
これらはかつて猩猩とともに子どもが生まれた際に、疱瘡除けのまじないとして贈られたものだそうです。

草津張子の起源はわかっていないのですが、江戸時代初期から農民の副業としてつくられていたそうで、「草津の猩猩」は大津の天孫神社でおこなわれる大津祭で曳かれる曳山(山車)のひとつにあった「猩猩」をモチーフにしたと言われています。

こちらのリンク先にも曳山の種類や概要が書かれており、南保町が「猩猩山」を有していた事が伺われます。

この曳山の「猩猩」は能楽の演目『猩猩』から考案されたもので、大の酒好きとされます。また中国の伝説では"髪の毛も体毛も真っ赤な動物"ということなので、それで柄杓と杯を持った赤いキャラクターとなったのでしょうか。子どもの健康を祈る「赤もの」の一種ですね。

脇のだるまは「起き上がり」の意で、病気の回復を願ったそうですが、酔っ払いの脇にだるまを置くと、「酔っても転ばない酒豪になりますように」とでも言いたげです。

昔はこの猩猩を独特な祀り方をしていたようです。

かまどの傍に二枚の赤紙を重ね、猩々とお供のだるまを並べ、あずき飯と酒をそれぞれ器に入れて供える。そして夜には、二枚の赤紙を布団に見立て、その間に猩々を寝かせ、夜明けとともに起す。こうして七日間祀った後は十字路に置き、厄払いをする。これを猩々返しという。

猩猩は入手困難?

この猩猩ですが、現在は生産中止となっているようで、なかなか入手困難なようです。

こちらのブログでは草津の街道交流館で「猩猩ストラップ」が入手できると書かれていました。

【張子制作MAP】

24/47。ついに関西圏に突入、そして折り返しました。

個人的には最近『古事記』や『信長を殺した男』などを読んで西日本の歴史にふれることが多かったので、地理関係や歴史を知れる事が楽しみです。


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