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#62 草刈りはやるのか?

私がまだ30歳になる前の事、得意先の課長さんに「君は草刈りはやるのか?」と聞かれた、私は「ハイ、結構出来る方だと思います。」と答えた。

「そうかでは是非今度一緒にやろう!」と言われたので、「あっハイ」と答えたが、その時はなんで一緒に草刈り?と思っていた。

ほどなくしてこの課長さんに「いつになったら誘ってくれる?草刈り」と聞かれたので、

「どこがいいですかねー」と答えると、「どこだっていいけど、お宅の会社はどこかの会員にはなっていないの?」

と言われたので「会社の者に聞いてみます」と答え、

上司に「うちの会社ってどこか牧場とか農園とかの会員なんですか?」と聞いてみた。

上司が「なぜそんなことを聞くのか?」と言うので「いやあそこの課長さんに私と一緒に草刈りがしたいから、場所を探して欲しいみたいなことを言われたので」と私が言うと、

上司は「あーあの課長さんか~ それならゴルフ接待の要求だな」

「えー 草刈りって ゴルフのことなんですか~?」と聞いて笑われた。

この時初めて「草刈り」とはゴルフの隠語だと上司に教えられて、結構できるなどと言ってしまったことを思い出して、本当に困った。

エンジン草刈機は当時から結構使えたのでそのつもりで言ったのに、一度も経験のないゴルフのことだとは・・・・。

上司は「あそこの会社の課長クラスをゴルフ接待するほど、売上も利益も将来性も期待できないので、上手にはぐらかしておけよ」とそっけなく言った。

散々悩んだが、良い言い訳が見つけられず仕方なく課長さんに

「スミマセン実は草刈りを本当の草刈りと勘違いしていまして、エンジン付きの草刈り機は使えますが、手で振る草刈りはしたことがないので、できません。いつかエンジン付きの草刈りが必要な時は必ずお手伝いしますで、今回の草刈りはお許しください」と恐る恐る頭を下げた。

課長さんは大爆笑した後「そうかその時はよろしく頼むな」と言って許してくれた。

それ以降ゴルフを40歳過ぎて少しかじっては見たが、100を切ったくらいでやめてしまった。

だけど結局本当の草刈りの方が面白くて、今も続いている。



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