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ラーセイ島(ラーセイ蒸留所)、フォートウィリアム(ベンネビス蒸留所)、グレンフィナン、グレンコー、ダルウィニー蒸留所へ

スカイ島で1泊したが、2泊目はお隣のラーセイ島へ、その後フォートウィリアム、グレンコーを経由してアバディーンへ向かいました。

旅の経路

スカイ島はスコットランドで最も人気のある観光地の一つです。
スカイ島のホテル事情は、主に小規模やB&Bで、需要に対して供給が追い付いてなく、特にハイシーズンは宿泊費が高額になりがちです。
私が訪れた時は、ハイシーズン直前でしたが連休だったせいか、空き室が少なく、見つかったホテルでもその価格は驚きでした(この値段でこの施設。。。というホテルが多い)。
ホテルを探していた際、偶然でしたがスカイ島の隣に位置するラーセイ島のホテルが直前割引となっており、フェリーで20分の距離にあるラーセイ島のホテルを選択しました。

2日目には、スカイ島でダンヴィーガン城や、島の北端にあるSkye Museum of Island Lifeを訪れました。
写真はありませんが、Skye Museum of Island Lifeは非常に興味深い場所でした。昔のスカイ島の人々がどのように生活していたのかが伺え、彼らの何もない荒れ地に石を運び、家を建て、土地を開墾し、羊を飼ってほぼ自給自足の生活を感じることが出来き、昔の人々の逞しさに深い驚きを受けました。その後、スカイ島のスコーンサーからフェリーに乗り、ラーセイ島へと向かいました。フェリーの所要時間は約20分で、チケットは乗船後に購入することができます。

スカイ島とラーセイ島を結ぶフェリー

ラーセイ島に到着した後、最初にアイルズオブラーセイ蒸留所を訪問(残念ながら写真はありません)。
ラーセイ蒸留所は2014年に設立され、2017年から蒸留を開始した比較的新しい施設です。ウィスキー造りの特徴は、3種類の異なる樽(チンカピンオーク樽、ボルドー赤ワイン樽、ライウィスキー樽)を使用し、ピートとノンピートのニューメイクスピリットをそれぞれの樽で熟成させ、6種類の原酒を作り出し、ブレンドの際にこれらを組み合わせることで、各々の特性が調和し、複雑さと深みを持った独特のウィスキーを創り出すことを目指しているそうです。

Two Isle of Raasay spirits – peated and unpeated – are matured separately in first fill Rye whiskey, fresh Chinkapin oak and first fill Bordeaux red wine casks.
These six recipe casks marry together to create the perfect dram with real elegance, complexity and depth of character.
Every drop of spirit is distilled, matured and bottled on the Isle of Raasay using water from our well: Tobar na Ba Bàine (the Well of the Pale Cow).

ラーセイ蒸留所HPより
https://raasaydistillery.com/raasay-whisky/single-malt/

蒸留所のバーで一杯を楽しんだことは覚えていますが、残念ながらその味の詳細は記憶に残っておらず、、、。
味の感じ方は人それぞれ違いますが、ロケーションの素晴らしさには誰もが感動すると思います(天気が良ければ)。
私たちが宿泊したホテルは蒸留所の隣に位置していましたが、蒸留所自体も宿泊施設を提供しており、そこでの宿泊も可能です。
美しい景色を眺めながらウィスキーを味わうことは、本当に贅沢な時間です。スカイ島も素晴らしい場所ですが、ラーセイ島へ少し足を伸ばしてゆったりとした時間を過ごすことも、是非お勧めです。

ラーセイ島から見るスカイ島の景色
ラーセイ島の牛
ラーセイ島の羊
あぁ、羊になりたいと思いました。

翌日、3日目は、ラーセイ島とスカイ島を名残惜しく思いながら後にし、フォートウィリアム(ベンネビス蒸留所)、フォートウィリアムの近くの『ハリーポッター』でホグワーツ行きの汽車が通るシーンで有名なグレンフィナンの橋を訪れ、その後、グレンコーへと向かいました。

ベンネビス蒸留所
ポットスチルの模型

フォートウィリアムに到着したのは、朝早く、ベンネビス蒸留所はまだ開いていませんでした。9時30分頃に開館しましたが、アルコールの販売は10時からとのこと(法律で販売禁止されている)。
また蒸留所か、という娘の生温かい視線を感じつつ、スタンプラリーのように訪れた蒸留所ごとにグラスを集める習慣に従い、ベンネビス蒸留所のグラスを購入してその場を後にしました。
ベンネビス蒸留所は、日本のニッカウィスキーによって所有されており、ブリテン島最高峰であるベンネビス山(標高1344メートル)のふもとに位置しています。標高を聞くと、富士山の約半分であり、登山が比較的容易に思えるかもしれませんが、実際には海抜ゼロからの登山であることや変わりやすい天候もあり、富士山登山よりも厳しいとの登山経験者談です(私は高尾山での登山で満足です)。
余談はさておき、ベンネビスは一部ニッカのブレンドウィスキーの原酒としても使用されており、ボトラーズからのリリースも多く比較的入手しやすいのかなとも思います。

家のみ用のベンネビス

手元にはちょうど開栓済みのベンネビスウィスキーがありますので、そのメモを少し共有させてください。
このボトルは2012年に蒸留され、2023年にボトリングされた10年熟成のものです。ボトラーズのケイデンヘッドによってリリースされたケイデンヘッドクラブの10周年を記念するシェリーシリーズの一環で、1138本のうちの1本です。最後の3年間はオロロソシェリーホグズヘッドで熟成され、アルコール度数は53.7%となっています。
味わいはフルボディで、ねっとりとしたシェリーの風味が特徴的ですが、オレンジのような柑橘系のノートも感じられます。
また、80%以上カカオのダークチョコレートのような苦味や、なめし革の独特の感覚があります。
数滴の加水をすると、非常に濃い紅茶のような風味も感じられます(ティーバッグを長時間浸した紅茶な感じ)。オレンジピール、レーズン、プルーンの風味も感じられ、どっしりとしたシェリー熟成の豊かさが楽しめます。(勿論同じ蒸留所でもボトルによって全然味わいが異なりますので、あくまで個人の感想です。)

そんなベンネビス蒸留所を後にして向かったのはグレンフィナン。

偶然ちょど列車が通過する時間に訪問

グレンフィナンの橋はハリーポッターでホグワーツへ向かう列車のシーンで世界的に有名です。
偶然にも、列車の運行時間にちょうど良く巡り合うことができました。
丘の上で待つこと数十分(この列車は1日に数回しか運行しないため、訪れる際は事前にスケジュールを確認することをお勧めします。また、駐車場からは約15分ほど歩く必要があります)、列車の汽笛が遠くで聞こえたかと思うと、列車が現れました。ただ、列車は後方から奥への進行方向で、写真を撮るには待つ場所を間違えたか、、、と。
ただ、アングル少し残念でしたが、列車が通過するタイミングに偶然居合わせることができただけでも、満足するべきと自分に言い聞かせます。
この列車は「ジャコバイト号」と呼ばれる蒸気機関車で、フォートウィリアムとマレイグ間を運行しており、マレイグはスカイ島行きのフェリーが発着する街でもあるので、列車を利用してスカイ島に向かうルートも魅力的に思えました。(ジャコバイト号でフォートウィリアム、マレイグ間を往復するだけでも列車好きには贅沢な時間かも知れません。)

ジャコバイト号を見送った後、私たちはグレンコーへと向かいました。

グレンコー
グレンコー

グレンコーは、その荒々しい岩肌と深い谷間、そしてそれらを縫うように走る道路が印象的な場所です。
その壮大な景色には本当に圧倒されます。
至る所にハイキングコース(場所によっては険しい登山!?)があり、多くの訪問者が車を停めてハイキングを楽しんだり、好みの場所にキャンピングカーを停めてゆったりと時間を過ごしていました。
グレンコーは映画『007 スカイフォール』のロケ地としても知られ、私がスコットランドで目にした絶景の中でも最も印象的な場所の一つです。
グレンコーの渓谷に沿って車を走らせると、高地に広がる平たんな場所(湿地帯のような感じ!?)もあり、キャンプを楽しむのに理想的な場所で(実際にテントを張っている人もいた)、晴れた夜には、星空も壮大な光景だろうなと思いました。
(スカイ島もですが)グレンコーは、自然の美しさと力強さを同時に感じられる場所だと思います。

その後グレンコー近くの街で一泊し、翌日に道すがらダルウィニー蒸留所に立ち寄ってアバディーンへ向かいました。

ダルウィニー蒸留所
展示用の樽
蒸留所からの景色(霧っぽい)

ダルウィニー蒸留所はスコットランドで最も標高が高い地点に位置する蒸留所で、ディアジオ社が所有しています。
この蒸留所はクラシックモルトの一つとしても選ばれていることで知られています。
ダルウィニー蒸留所はアバディーンへの帰路で偶然見つけ、「あ、蒸留所だ!」ということで、吸い寄せられて駐車場に車を入れました。
ただ、娘が、また蒸留所かという事で車内で待つとのことで、スタンプラリー(蒸留所グラスを購入)のみを行い、蒸留所内をじっくりと見ることはなかったので、ダルウィニー蒸留所は再訪したい場所の一つです。
訪れた際に団体客も見かけ、ツアーが充実していそうな雰囲気を感じました。
また、ハンドフィルの樽があるなど、魅力的な要素もあります。
個人的には屋外のワームタブによる冷却は冷却時間が長くなることで、より重厚感のある酒質が生まれるのかなぁと思うので、ダルウィニーもワームタブ冷却なので特にシングルカスクやカスクストレングスがあれば今後試してみたい銘柄の一つです。

長くなりましたが、纏めますと、スカイ島、ラーセイ島、そしてグレンコーの自然は、まさに息を呑むような美しさです(晴天時にですが)。
これらの絶景にウィスキーの味わいを添えることで、スコットランドの魅力を存分に堪能することができます(運転しない場合に限りますが)。

雑な纏めで恐縮ですが、旅の記録を通じて、スコットランドの豊かな自然を少しでも感じていただけたら幸いです。


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