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【#033|緊急地震速報が出たとき、私は】(2018年10月05日)

 緊急地震速報が出たとき、今出されても困る場面があると思うが、交通事故の緊急手術で腹部切り開かれてる途中みたいな不運の上塗りケースは除いて、個人的に大変難しい作業中のトイレと全身泡だらけのお風呂がトップ2だと思う。

 今月3日深夜ごろ、千葉沖にて地震波を感知したことで関東中に緊急地震速報が発表されたが、そのとき私は2トップの片方を体験した(先に言っておくがトイレではない)。

 深夜のお風呂も中盤を過ぎて、身体を洗った後は湯船にのんびり浸かるだけのとき、スマホ持った母が急に風呂場のドア開けて「緊急地震速報出たよ!」とアナログ通知された。

 そのときは顎下から足先まで石けんが付いていて、「マジか分かった」と5秒未満のシャワーで流せぬほどベッタリ貼り付いていた。

 案の定、簡易的でも10秒以上かかった私はバスマット敷かれた脱衣所に立ったが、バスタオルはまだ用意されていなかった(我が家のバスタオルは寝室のタンスに保管され、バスマットは私の前に入った父の名残である)。

「ねぇバスタオルないんだけどー!?」

 そう叫んでも家族のいるリビングの方からテレビの本放送音と「ピロンピロン ピロンピロン 緊急地震速報です 強い揺れに警戒して下さい」のアナウンス音に邪魔されて、ここから私の声は届きそうになかった…。

 さて、ここからどうするか。髪から滴れるほどびしょ濡れだから廊下は歩けないし歩きたくもない。近くの洗濯カゴには父が使ったバスタオルがあるけど完全に濡れてて使えない。しかも連発型のクシャミまで出てきた。実は軽い鼻風邪を引いていて、とにかく今は冷やしてはいけないのだ。

 まだ風呂場にいる方がマシだと戻ったが、一度ドアを開けたことで湯気は外に逃げてしまって、外の空気とあまり差がなかった。仕方ないから安全から一番遠い湯船に浸かって体温を保たせることにした。

 未だに強い揺れを感じないまま、1分ほど経ったら再び母が風呂場のドアを開けた。

「今アナウンスで地震もう終わったって。というかあんたスゴいわね、こんな時でもお風呂入ってるなんて」

「あー…いやぁー…そうなの、良かった」

「洗濯機の上にバスタオル置いといたから」

「うん、ありがと」

 こうして私は地震と風呂場の危機から脱出することに成功した。リビングのテレビは危険が去ったから普段の騒がしいバラエティやっていて、ツイッターも地震パニックが山場を越えて通常の深夜のテンションだった。今さら地震のことツイートしても、流行遅れ的なアウェイ感に飲み込まれる。

 このとき私は東日本大震災以降初めて、自身が受けた地震に対するツイートをしなかった。

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【あとがき】

 少し前だったらタイミング逃したツイートは没ネタとして誰にも言わず、何日何週何ヶ月とそのままにして、いつしか自分の記憶からも消え去ったと思うのですが、こういうときブログをやってて本当に良かったと思います。

 書きたいネタを数日後にブログで公開しても「へぇーそんなことがあったんですか!」なんて関心持って読まれる気がします。

 これをツイッターで同じ時間にツイートしたら99%スルーされるし、たとえ読まれても「なぜ今さら?」な微妙な空気が漂いそうです。

 何が違うんですかね?

 需要? 客層? それとも鮮度?

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