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エッセイ『闘争または逃走による反応』

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吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。--みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常… もっと読む
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2021年1月の記事一覧

【#059|年賀の状件・2021】

【#055|さよなら平成ようこそ令和】(2019年04月30日)

 タイトルは思い付いても、書くテーマはまったく決まっていない。  ということで、30分間フリーの思い付きだけでどこまで書けるか挑戦してみる。オチは期待しないでほしい。  まず平成元年といえば、私が生まれた年だ。  平成最初の5月30日が私の誕生日だ。  まさか自分の30歳の誕生日が新元号を迎えるとは思わなかった…。しかも突発性崩御ではなく計画的崩御だとは…。  最短でも10年前、20歳の自分に教えてもたぶん信じないと思う。これだから未来は信用できないんだ(良い意味で

【#036|将来キツネが住む家】(2018年10月08日)

 最近、近所にある大きな空き家に新しい住人が入ったのか、夜になると部屋の1つの窓が点っていた。  自分が覚えている限りでは5年ほど人が居た形跡はなく、そして空き家にはもったいないほどの立派な邸宅であった。たぶん売値数千万~数億円辺りであろう。ここに居住を構えることは私の中で一種の成功を物語っていた。  そして最近、顔の知らない成功者がここに引っ越してきた。  まだ中の間取りすら見たことないが、いつか自分が成功したら、ここに住む未来があったかもしれない。そう漠然と思い描い

【#035|歯科医に再会】(2018年10月07日)

 近所のスーパーで買い物していたら、少し前までお世話になった歯医者の先生に偶然した。 「あれー? 渡辺くん久しぶり」 「あああ先生お久しぶりです!」 「埋めた奥歯あれからどう?」 「良い感じに収まってますよ」 「そりゃ良かった。最後に治療したのがいつだっけ」 「6月の始めですね」 「なら12月頃に無料検診のハガキが届くと思うから」 「それまで何かトラブル起きないと良いのですが…」 「ちょっと歯並び悪いからねぇ」 「あはは、努力します」 「では」 「では

【#034|推理劇場】(2018年10月06日)

 晩ご飯の買い物から帰って、羽織ってたカーディガンをハンガーに掛けて、スマホとか財布とかズボンのポケットにある小物を出して、リビングの床に転がってた部屋着に着替える途中のTシャツとパンツ一丁姿で少し頭をポリポリ掻いていたら、掻いた右手の指にドロリとした赤黒い液体が何ヵ所にも付いていた。  は、何これ、出血…?  焦って頭皮の掻いた部分とそうじゃない部分を毛髪かき分け触りまくって出血元を探したが、出血どころか湿っている部分すらなかった。というより頭部に全く痛みがないのだ。そ

【#033|緊急地震速報が出たとき、私は】(2018年10月05日)

 緊急地震速報が出たとき、今出されても困る場面があると思うが、交通事故の緊急手術で腹部切り開かれてる途中みたいな不運の上塗りケースは除いて、個人的に大変難しい作業中のトイレと全身泡だらけのお風呂がトップ2だと思う。  今月3日深夜ごろ、千葉沖にて地震波を感知したことで関東中に緊急地震速報が発表されたが、そのとき私は2トップの片方を体験した(先に言っておくがトイレではない)。  深夜のお風呂も中盤を過ぎて、身体を洗った後は湯船にのんびり浸かるだけのとき、スマホ持った母が急に

【#032|ラブ・ストーリーは〇〇〇】(2018年10月03日)

 過去様々な名作・迷作を生み出してきたツイッターだが、その中で私が一番好きなパロディー作がある。 『ラブ・ストーリーは筑前煮』  どうでしょう、何てくだらなくてゴロが良い!  普通ならそれだけで終わってしまう話だが、人よりツボに入ってしまった私は誰かに頼まれたわけでもなく、『ラブストーリーは筑前煮』のサビ歌詞と世界を自分なりに考えてみた。  まず元ネタとなる小田和正『ラブ・ストーリーは突然に』のサビ歌詞(書かなくても歌詞めちゃくちゃ有名だし、書くことで著作権的にスゴく

【#031|手相で本性までは占えない】(2018年10月02日)

 何年前だったか忘れたが、用事の途中で人混みの多い街中を移動していたとき、わざわざ人混みの中をかき分けてまで私に近づく女性が現れた。経験上こういうのは勧誘系なので早く離れたいが人混みの壁に遮られた私はまんまと捕まった。  アラサーぐらいの彼女は私の顔を見ながらこう言った。 「私、占いの勉強をしてまして。それで練習代わりに様々な人から手相を見せてもらってるのですが、手相見せてもらっても良いですか?」 「いいえ。嫌です」と私が言おうとする前に彼女は私の手を引っ張って調べ始め