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エッセイ『闘争または逃走による反応』

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吾輩は根暗である。職歴はまだ無い。端の多い生涯を送って来ました。--みんなが当たり前に持っている見えないモノが生まれつき持っていない「私」。たった一つだけ足りない、それだけで日常… もっと読む
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2020年1月の記事一覧

【#057|年賀の状件・2020】

【#056|年記末・2019】(2019年12月31日)

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 過去の経験上、間違いない。 どうやら私の思う1分が 地球の1ヶ月に値するようです。 ウソでしょ? ねえウソでしょ!? もう今年終わるの!? 今年が始まって まだ12分しか 経ってないでしょ!? 「光陰矢の如し」にも 限度があるでしょ!? 地球の時間どうなってんの。 この速さ、とっくに光速超えてるだろ。 noteの更新も勉強も仕事も まだ何も手をつけてないんだぜ。

【#054|怪獣鉄塔】(2019年03月09日)

 自分の住む部屋の窓から見える光景の遠い先に高圧送電用の巨大な鉄塔がある。  そして、その巨大な鉄塔の麓にいつも利用する最寄りのバス停があり、そのバス停で待っている間、時々その鉄塔を見上げては毎回思うことがある。 「もし怪獣が実在していたら、きっとこんな風に見えるんだろうな……」  小さい頃からゴジラとかガメラとかウルトラマンとか、最近ならクローバーフィールドとかパシフィック・リムとかキングコング(髑髏島の巨人)とか、自分にとって怪獣映画は自身の趣味を支える柱のひとつで

【#053|テレビショッキング】(2019年01月11日)|オモコロ杯2020(第7回)応募作

 土曜の4分の3を過ぎた私たち家族のいるリビングでは、誰かが点けっぱなしにしたテレビが通販番組を流していた。  そのとき紹介していた商品は『喪装用珠アコヤ黒真珠ネックレス&黒真珠イヤリング』。ターゲットは年配女性というところだ。  通販番組の構成は非常に単純で、饒舌な販売員とその商品が必要な事情を抱えたタレントたちが、デビューしたばかりのお笑い芸人が8日目に書いたコントのような物分かりと都合の良い展開の中、販売員がその商品のポイントをワンツースリーステップで解説され、タレ

【#052|美食家なのか子役なのか】(2019年01月09日)

 深夜に惰性で見ていたバラエティ番組で、芸能タレントが事前に考えたお手軽レシピ料理を街頭インタビューの人たちに食べてもらい、何番の料理が一番美味しかったのか競う企画をやっていた。  まずは各々のタレントが自慢の料理をスタジオで紹介して、そして画面は街頭の検証VTRに変わった。  インタビューで主婦やサラリーマンや学生など様々な人たちが料理を食べて様々な感想を述べる中、小学1年ぐらいの女の子の感想が気になった。  食レポが異常に上手すぎる。  食べる前の第一印象そして期

【#051|タイカレーうどん】(2019年01月08日)

 テレビのグルメ番組で若手男性タレントが「茹でたうどんにタイカレーを掛ける『タイカレーうどん』が美味くてオススメ!」と熱く語っていた。  視聴者である私は稲妻に打たれたような衝撃が脳内に走った。  なるほど! その発想は盲点だった!!  何故そんなに驚くのかというと、私は無類のカレーうどん好きだからだ。  普段でも恍惚に美味しいカレーうどんに新感覚のエスニック要素が加わったら、もしかしたら自分の舌は新次元に飛び立つかもしれない。このカレーうどんから新たな日泰友好が生ま

【#050|神秘の花束】(2019年01月07日)

 前回と同じスーパーでの話である。  いつも利用している近所のスーパーでは出入り口の自動ドア前(店内側)に無人の小さな花束コーナーがある。冠婚葬祭向けの畏まった花束やプレゼント向けの華やかな花束などが店前の傘置き場みたいに立て掛ける形で、大きなアルミ製の箱の中に陳列されていて、お客はお野菜買うときと同じ買い物カゴで花束をレジ会計ができる。  いわば無人の花屋的な役割をその小さなエリアが担っている。  その日はいつものように晩ご飯の材料を買って、スーパーの出口に向かう途中

【#049|刺青の範疇】(2019年01月06日)

 近所のスーパーで晩ご飯の材料を揃えて、レジで会計を待っていたとき、隣のレジつまり私の前にある隣の列のレジにて、明らかに元ヤンな40代くらいの明るい茶色の長髪女性が会計していた。  位置的に私は彼女の後ろ姿を見る形になるのだが、ついチラ見である気になる点を見つけてしまった。  耳の上を分岐点に髪の毛が分けられたそのわずかな隙間、彼女の右耳後ろの皮膚部分にワンポイントの小さい黒色の刺青(タトゥー)があったのだ。  動物や文字ではなく何というか、メラメラ燃える炎のシルエット

【#048|間違いの喜劇】(2019年01月05日)

「お疲れさまです」  出先で寄った書店のレジで知らない男性店員から急に言われた。  もちろん私はここの書店員ではない。というより今まで書店で働いたことがない。だから仕事関係でどこか彼に出会った可能性はない。常連のお客なら顔を覚えてもらう可能性もあるけど、ここの書店は今日初めて来たし、まずお客に「お疲れさま」なんて普通言わないだろう。もしかして古いクラスメイトではないかと、自分が覚えている顔を一生懸命思い出すも、彼の顔に該当するクラスメイトはいなかった。はっきり言って私は彼

【#047|能動的アリバイ工作】(2019年01月04日)

 買い物が終わって外へ出るショッピングセンターの出入り口で、足元に落ちていた映画の半券を拾った。  作品は『くるみ割り人形と秘密の王国』。  偶然にも先月観にいった作品だ。  場所はこのショッピングセンター内にあるシネコン。  ちょうど自分が見た映画館だ。  上映日時は今から3時間前。  まだショッピングセンター内を回っていた時間だ。  いわゆる用済みの落とし物だな。完璧だ。今このチケットを持っていたら、もし自分が事情聴取されたとき「この映画館でこの作品を観てい

【#046|デラックスお雑煮】(2019年01月03日)

 めでたく楽しい正月も今日で三日目で、今日辺りから色んな家庭で現れたと思う。 『もうおせち飽きてきた問題』  明日から平日(松の内なら7日・鏡開きなら11日までだけど)で通常の食事に戻りたいが、あいにく三が日を想定に揃えられたおせちの余波でもう数日延びる可能性がある家庭もいると思う(おもちなんて下手すれば1月の主食になってしまう)。  基本的におせちは水分少な目・味付け濃い目が多い。  昨日の記事で「おせちは元々豪華な食べ物を元日に食べるのが始まり」と書いたが、これも

【#045|アンチおせち論】(2019年01月02日)

 正月のおせち料理が嫌いな人がいる。  かく言う我が家も元々そうだった。  発案者の父はおせちはおろか正月そして季節イベント自体も嫌がっていた。正月を祝うものは「崇拝」、そして季節的イベントは全て「洗脳」と言い捨てる始末。その時期その時期のイベントを祝う民衆に何か侮蔑の感情を抱いていた。  ケーキも、そばも、その料理自体は普段食べていても、そこに何か特別な意味があることで一気に嫌いな料理になるのだ。  だけど、それも10年ぐらい前から我が家の食卓事情も徐々に変更してい

【#044|年賀の状件・2019】(2019年01月01日)

【#040|腕輪はどこへ消えた?】(2018年10月12日)

 私の右手首には革紐製の腕輪が付いている。  父が趣味で作った物で、最初は「カッコいい!」「オシャレ!」とかそういう感情はなく、「貰える物は貰うし、左手首は腕時計付けるから手ぶらな反対側に付けるか」ぐらいの理由で右手首に付け始めた。 「まあ飽きたら外せばいいし」  そう思ったのが6年ほど前で、日常生活する上で葬儀参列の場面以外で支障がなかった結果、今に至るまでずっとそのまま付けている。  そもそもこの腕輪は1本の長い革紐から構成されているので腕時計みたいな接続部分がな