ウクライナ問題他人事じゃないよブームで思うこと。

ロシアがウクライナへの軍事作戦を開始した。

それと同時に、国内では「他人事じゃないぞブーム」が起こっている。

ネットでは、ウクライナ問題を軽んじるインフルエンサーが外野からバッシングを受けている。

あと、「生きてる間は北海道は日本のものであってくれ〜」とか言ってる人も出てきた。

ネットで語る当人たちはおそらくこのような状況だ。

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少し前)
遠い東欧の国の問題で自分には関係ないと思っていた。

気づき)
今ロシアの国土の西側の国境の領土問題が深刻化している。逆の東は日本の北方領土や北海道らしい。
日本もウクライナと同じで危険だ。
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そして、この気づきを何らかの情報から得たネット民たちは
そこからくる満足感からなのか、水を得た魚のように「他人事」と思っている人を叩いている。

思うことは一つ。

「ある物事の類似点に気づきを得たのであれば、相違点も見直すべきである。」

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上記のウクライナと日本それぞれのロシアとの関係を比較する。

類似点としては、
国境線が接していること。
NATOの後ろ盾があること。
民主主義国であること。(アメリカ側)
バッファー(緩衝地域)として機能していること。
・領土問題
があること。
異なるナショナリズムを持つ人がいること。(ウクライナはロシア派、日本はアイヌ民族など)

少し被るところもあるが、この辺りがニュースとかTwitterでは言われていた。

それで、こうなっていた↓
(日本も北方領土の領土問題があるし、民主主義だし、ロシアに東側で国境接してるし、国内にはロシア人もアイヌの人たちもいる!!だから危ない!!という考え。)

では、相違点を考える。
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①ロシアからみた緩衝地域としての機能レベル
②異なるナショナリズムを持つ人の割合
③軍事力の違い
(他にも考えたことはあったけど一旦省略)
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①緩衝地域としての機能レベル
国土の特徴の話になるが、
ウクライナは、ロシアの西側と国土を面している。西側のウクライナ、ベラルーシ、バルト三国は歴史的に見ても、西側陣営からの防衛として重要なバッファーの機能を果たしていた。また、ロシアの西側には画像の通り、首都モスクワがあり、侵攻された場合のリスクが高い。

一方の日本は島国かつ、ロシアの国土の東側に面している。また、バッファーとしての北方領土はロシア側に実権がある。

これらから、ロシアからみると、ウクライナの方がより重要で維持したいバッファー(緩衝地域)に思える。
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②異なるナショナリズムを持つ民族の割合。
ウクライナには、そもそもロシア人が多く住んでるうえ、ウクライナ人でも自分はロシア人だというマインドを持っている人口が多い。
データで見ても、クリミアで77%、ドネツク州74.9%、ルガンスク州68.8%がロシア語を話す。
また、それらの地域は単純にロシア人も4〜5割住んでいる。(2001年データ)

日本のアイヌ民族を考えると、1地域あたりのアイヌ民族の割合は最も大きい地域でも1割に満たない。(2006年データ)

これらから、ロシアがウクライナの東部を独立地域として仕立て、工作することは出来ても、日本で同様に行うことは妥当性がない。

また、真意は不明だがプーチン大統領は「ロシア人とウクライナ人は同じ民族」ということをしきりに発信している。
歴史的な拘りがあるからこそ、ウクライナを手放すことを頑なに拒んでいることからも、日本に同様の執着をするかと言われるとそうは思えない。
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③軍事力の違い
(この項目は解釈の余地が大きいと思うので、的外れであればすみません。)

ウクライナの場合は、ロシアに比べると10分の1程度の力ではあるが、軍隊を持っている。また、アメリカらの支援のもと、戦いに向けて軍備をしていたことからもロシアからすると軍事的な作戦の体裁を取りやすい。
ただ、日本の場合憲法9条により戦力を持たない。よって、軍事作戦を遂行すれば国際的な批判は勿論、国内からもプーチン大統領への支持が下落する恐れがある。

プーチン大統領が守りたいものは、
1.大国としての権威
2.独裁国家維持のための内政
この2つだと思われるので、上記の影響が本当にあるのであれば、日本に軍事行動を取ることは難しいのではないかと思う。
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上記の3つの視点で相違点を考えてみた結果、
・緩衝地域としての重要性は日本はさほど高くないこと(北方領土も現状取れてる)
・民族や歴史による侵攻の客観的正当性がないこと
・侵攻した場合国際&国内批判のリスクがあること
等から以下の結論に至った。

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確かにウクライナ情勢は他人事ではないが、
ロシアが日本に侵攻する可能性は相当低い。

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というわけで、他人事じゃないと思うのは大切だが、日本にとってどのくらいリスクがあるのかを理解することはもっと大切だと思う。

個人的に、上のことを考えたら危険なのはロシアの侵攻よりも、国際政治無視した北朝鮮のミサイルだとか、中国の台湾侵攻とかなんじゃないかと思う。

まあでも今回の一件でも
当初はロシアは軍事行動をチラつかせてるだけで、実際の攻撃はしないと思い込んでて、結局攻撃したし何が起こるかは予測できん。


とりあえず、新たな気づきに飛びついて短絡的な思考に走らずに、多角的な視点から物事を見つめ直すことは大事なことなんだろうなと今回で感じた。

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