見出し画像

笹岡大樹さん(ステレオ)による「渡来宏明/solitude symphony」の全曲レビュー

ここらでアルバムを聴いてくれた人の声を。

笹岡くんはワタさんと高校〜大学にかけて宅録ユニット(ステレオ)を組んでいた人だよ。

※写真の緑の人

いわば旧友&級友!

当時の音源↓ 笹岡くんはキーボード。作詞曲はワタさん。

それでは笹岡くんのレビューをどうぞ!

solitude symphonyのための感想文

笹岡大樹(ステレオ)


インスタグラムでこのアルバム『solitude symphony』のジャケットを初めて見たとき、とても興奮したのを覚えている。
なぜなら、これまでの渡来のアルバムのジャケットで、美しいと言い切れるものは、決して多くはなかったから(笑)。

今回、幸運にも事前にアルバムを通して聴くことができたので、その感想のようなものをここに記していく。
----------
01 solitude symphony
メロトロンのストリングスとハープによるタイトルチューン。
だからアルバム名を「シンフォニー」としたのかな…と勘ぐってしまったよ(笑)。

02 You're my girl
コンプレッサの効いたドラムがカッコ良い!

03 君は冒険家
演奏する人(ドラム)が大変そうだな。
サビのメロディラインが良いのとタンバリンが効いている。

04 二人で過ごそう
僕のイチオシ。
心のやわらかな部分がほっこりするような、
あたたかな気分になれる曲。
曲もアレンジもサイコー!
歌詞の「いつくしみ」というフレーズが心にしみるなあ。
スネアドラムのフィルインと同じタイミングで入るピチカート(かな?)も効果的。
中盤のメロトロンのストリングスのソロもいい。

05 つまさきのストライプ
カバサが印象的な一曲。
これは渡来による演奏とのこと。
僕にとっては、90年代のトラットリアレーベルの人達がつくるようなおしゃれな曲に感じた。
しかし、4曲目(冬の歌)から5曲目(夏の歌)…。
1曲の間に月日の経つのが早いことよ。

06 ウキウキピックミーアップ
Aメロはハイハットを刻んでいないぶん、
リズムをつかむのが難しそうな曲だね。
なんだか「夏はきっとゴー」(名曲)を思い出したよ。

07 いとこの記念日
ギターがいい音だね。
6連譜フィルインのカッコ良いドラムも印象的。
リップ音が聴こえるほどオンマイク気味で歌われた歌は熱い。

08 夜をはじめよう
ウキウキする感じがいい。
コーラスワークとハンドクラップがいい。
…と感じていたら、あっという間に終わってしまった!
もっと聴いていたかったな…。

09 知る前が最高さ
なぜだかわからないけれど、
イントロを聴いたらアル・クーパーの「ジョリー」を思い出した。
メロディラインが切なくて、ハートをチクチクされるような感じがするのは、僕が80年代の歌謡曲を聴いて育ったせいなのか。
一瞬「ハッとして!Good(田原俊彦)」みたいな
ところがあると感じるのは私だけだろうか。

10 恋はブラストビート(S.O.T.N!)
先行配信の一曲。
こういう曲に渡耒節を感じる。
後半のサビの後ろで流れるシンセの裏メロも美しい。

11 世界に抱かれ
「誰より美しい〜/何より美しい〜」の
ファルセットがいやらしくてニヤッとしてしまう。
これも楽しい曲。

12 君をみてたい
カッコ良い曲だね。コーラスワークが壮大。
ひとつだけ苦言を呈するならば、
オルガンの音はスティーブ・ナイーブみたいな
感じが良かったな。

13 今宵ハッピーエンドで
アルバムを聴いた人に、
きちんと終わりであることを告げる、そんな一曲。
オルガンが、チャッ・チャッ・チャッ・チャッと
歯切れ良いフレーズがあるけれども、
これを僕が弾いたら録り直しすることになるんだろうな…。
----------

かつて、コドクに潜むドク──
「孤独という名の毒」 について語ったのは、野田秀樹だったか。

孤独=solitudeでいる限り、われわれは
交響曲=symphonyなんて、とてもじゃないが演奏できない…と思っていたのは、すでに過去のこと。
ネットワークでつながっている現在のわれわれは、いついかなる場所においても、実は交響曲を奏でることができる。
そんな、ポジティブな気分になれるアルバム。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?