キングオブコント2023

 今年のキングオブコントは歴代最高の面白さであったと思う。80点台が一切無く、全組ファイナル進出のあり得るクオリティのコント。一昨年のキングオブコントが一番面白かったと思っていたが、ザ·マミィ、男性ブランコ、蛙亭、ジェラードン等よりもやはり空気階段が傑出していた。今回は誰もが強烈なインパクトを残し、爆笑を掻っ攫っていた。そんな大会を振り返っていきたい。

①カゲヤマ

 カゲヤマのコントは仕事でリアタイできなかったが、3人が95点をつけ、トップバッターながら暫く1位に君臨していたので、かなり強烈だったのかと思った。後でYouTubeとTVerで観ると、19時からお尻を出して強烈な爆発を生み出していると知った。カゲヤマにしかできない馬鹿馬鹿しいコント。「松屋には味噌汁ついてます!」「まゆゆ〜!」等とツッコミを挟みつつ、やはりお尻を軸として描かれる。面白かったけど、結果を先に見た私の期待は超えなかった。

②ニッポンの社長

 お尻の後に出て来たのはケツ。どんなに刺されても撃たれてもケツが一切死なないという狂気溢れるWボケコント。これを日常というのだから面白い。だけど私にはハマりきらず。

③や団

 2年連続の出場で優勝候補筆頭だったや団のコントは灰皿を投げる演出家の稽古。一度見たことのあるネタだったが、それでもめちゃくちゃ面白い。中嶋は40点と言っていたが、ガラスの灰皿の回り方、回る時間、回っている時の伊藤の表情、それを抜くカメラワーク、止まった後の本間のツッコミ、どれもが素晴らしかった。去年の2本よりこのネタの方が好き。

④蛙亭

 4組目は一昨年トップバッターながら強烈なインパクトを残し、6位になった蛙亭。今回も中野がスクーターでコケて転倒し、大好きな寿司を潰してしまうという派手な登場の仕方であったが、前回の緑のスライムまみれよりも弱く、さらにカゲヤマニッ社や団に続いてという順番の悪さも災いしてしまった。

⑤ジグザグジギー

 元芸人が市長に就任し、マニフェストを大喜利のように発表していくというネタ。私的にはこれが一番面白かった。フリップの出すタイミングは勿論完璧で、松本の前でIPPONグランプリをイジる、記者がIPPONや笑点風に質問をする、池田が慌てる、どれもがお笑い好きとしては最高で、ずっと笑いの山だった。審査員は「記者がIPPONや笑点風に質問するのってありえない、リアリティがない」と言っていたが、ここではそのありえないのが面白さを繋がると思った。

⑥ゼンモンキー

 6組目は私が優勝予想していたゼンモンキー。幼なじみの女の子の取り合いの途中に学生役の荻野が恋愛成就の祈願をするというネタ。荻野のキャラを存分に活かしたコントだったが奮わず。テントのネタのように大きな動きのあるネタが良かったか。ハナコのように4年目で優勝してほしかった。

⑦隣人

 隣人は漫才師のイメージが強いのでそんなに期待していなかったがめちゃくちゃ面白い。チンパンジーに落語を教える仕事というコント。途中から落語家も猿語になる、チンパンジーがそばを啜れるようになり感涙、猿語のキセキ、座布団の上でやりなさいと檻を開けた途端に逃げるチンパンジー、「去る物追わず」というオチ。どれも面白すぎた。特にチンパンジーが落語家に向かって挨拶したところが一番笑った。日にちが変わるところも暗転せず「◯日目でございます〜」と言っているのが良かった。キングオブコントを研究しているのがよくわかる。何年か前なら優勝してた。

⑧ファイヤーサンダー

 ファイヤーサンダーのネタは、サッカー日本代表選出会見で、自分がモノマネしている選手が選ばれず、落胆する芸人とその監督のマネをしている芸人というネタ。一度見たことあったが「あの面白いネタをまたみれるんだ!」という嬉しさが勝つ凄まじいコント。でも「総合的判断だ」というキラーワードが今大会では弱かったか…

⑨サルゴリラ

 9組目が優勝したサルゴリラ。マジシャンのコント。「冬の松本城」「秋のメキシコ」等とワードをキレよく打ち放ち、トドメの「靴下にんじん」と「ペンチピーチ」。このわけのわからんアイテムをこっちで用意しろと言うのだから溜まったもんじゃない。結果はダントツの1位だったが、私は最後に強いツッコミワードが欲しかったので意外だった。

⑩ラブレターズ

 最後はラブレターズ。シベリアンハスキーを飼っている義母とVtuberの隣人というコント。一度見たネタだが、や団やファイヤーサンダーに比べて最初のインパクトが弱かったのでハマらず。

 私が面白かった順に並べると

1 ジグザグジギー
2 隣人
3 や団
4 ゼンモンキー
5 カゲヤマ
6 サルゴリラ
7 ファイヤーサンダー
8 ニッポンの社長
9 蛙亭
10 ラブレターズ

となった。実際の結果と全然違ぇ。
次は最終決戦について。

①ニッポンの社長

 盲腸の手術なのに、ケツがたくさん臓物を取り出してしまうというネタ。医師免状がちゃんとしてたのと、臓器が掃除機のコードみたいになっていたこと、免許証が体内から見つかったことが面白かった。

②カゲヤマ

 ウンコ一本。今大会では私は一番ハマらなかったネタ。

③サルゴリラ

 高校で野球を辞めるという生徒を監督が全ての例えを魚で諭すコントという魚。私的にはジワジワくるタイプのお笑いだった。結果的にサルゴリラは優勝し、米1トンという魚を手に入れた。

最終決戦を私の面白かった順に並べると

1 ニッポンの社長
2 サルゴリラ
3 カゲヤマ
 
 本当にコントのレベルが上がっているので来年も楽しみです。TCクラクション、青色1号、ツンツクツン万博、えびしゃ辺りに期待。

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