両親の生き方。

両親は農家の生まれです。

父は足が不自由でしたがバイクに乗り川で魚🐟を釣ってきてくれました。一緒について行ってどんな風にするのか付き合った事もあります。小さい魚だとふなとかだったのかな。昆布巻きや佃煮などの調理方法で食べた記憶があります。どじょうだと柳川鍋にして。鮎の解禁後から父の友人と釣りに鮎が釣れる川に行ってましたね。釣り道具は孔雀の羽を使い浮きを手作りして色を塗り。釣り針も3つの針をイカリのようにテグスという透明な糸でくくりつけて。

魚網は木を輪っかに曲げて持ち手を持ちやすいように削ったりラッカーを塗ったりして数個を作るのを見ていました。手間ひまかける過程が父は楽しそうだなぁと思っていました。釣りにこれだけ手間をかけていくわけですから魚が釣れたら一層うれしいですよね。何でもお金を出せば手に入る時代ではなかったというのもあったでしょうね。釣り道具の中には胴長というオーバーオールみたいなゴムで出来た物があります。何度も使っている間に穴が空いたりしたら自転車のチューブの修理のように穴塞ぎもしてました。最近の自転車はチューブがないタイヤみたいですが。チューブの穴を塞ぐことも今はない便利な世の中になっているんですね。

父は季節の山菜採りに山にも行きました。タラの芽、シドケ、こごみ、ゼンマイ、竹の子、姫竹、夏はヤマブドウを木に登ってリュックに入れているのを離れたところで見ていました。足の不自由な父が自分の体を支えるだけの腕力を鍛えていたのは凄いなぁと常々思っていました。

秋はキノコ採りです。天然のしめじ、なめこ、バリミキ、かぬか、他にも色々な名前のキノコがありました。特になめこはがけのような場所に生えていると聞きます。今なら菌床栽培をして簡単に収穫ができてスーパーでお金を出せば買える時代です。父が食べさせてくれた食べ物はとても最高級な食材です。実際に同じことをしようとしたらどれだけの時間と労力と技が必要か半端なく真似のできない事だと思っています。

ヤマブドウは家に帰るとひとつひとつ房から実をとりヤマブドウジュースにする手伝いをしてました。子供の私達や母もアルコールに弱い為ジュースにしてくれました。天然のワインにもなるもので数ヶ月寝かせているうちに発酵して凄い音がしてビンから溢れてしまった事もありました。体の弱い母には体質改善の効果もあるということを知った上で作っていたようでした。

ゼンマイも手間がかかります。ゼンマイの綿と葉をひとつひとつ取り除き鍋でお湯を沸かした中にいれて茹でます。お湯が赤みがかってきます。茹でたゼンマイは数日かけて天日干しします。軽く手で揉んでカラカラになると黒い硬いヒモの固まりのようになります。保存して食べる時は戻して煮物にしていただきます。これが結構美味しいんです。

自然の中には沢山の天然の食材があり加工の仕方や保存方法を教えてもらいました。時代が変わりほとんどは栽培が可能になりました。そのおかげで危険をおかしてまで収穫をする必要がなくなりました。その分感謝に思う気持ちや収穫の喜びは薄いものになったように感じます。

小さい頃の体験は貴重なことを教えてくれたんだと改めて感謝です。

今日はいつもより長くなりました。

また次回に続く。

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