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松井和翠
2024年1月6日 12:08
雄大な構想を持った“白鳥の歌”。推敲の叶わなかった終盤に無念【70】 彼は、“芸”―芸術、芸能、文芸等々―を生業とする人々、特に自身の死すら“芸”として昇華してしまおうとする人々を執拗に描いてきた。「変調二人羽織」「戻り川心中」「花虐の賦」「白蘭」「観客はただ一人」『私という名の変奏曲』――。また、彼は〝“私”は本当に“私”なのだろうか〟という問をも発し続けてきた。「白蓮の寺」「紅き唇」「家路