わすれなラジオ【秋と忘れたくないこと】
秋ですね〜
ズズッ……(抹茶を飲む音)
カコーン(ししおどしの音)
おや。どうも、わすれなです。
毎週月曜夜10時、わすれなラジオのお時間がやってまいりました。
いや~秋めいてますね〜、世界が。
秋ってスーパーの和菓子コーナーからはじまるらしいです。
菓子パンコーナーという説もある。
商品を陳列する人は、さつまいもの蒸しパンや栗入りのどら焼きを並べながらちょっとだけ手を止めて、空を見上げてため息をつくんだろうな、秋だから。
今日自転車で帰ってる時、花火の匂いがしたんだよ。少しツンとくる火薬の匂い。
多分どこかの家で花火をしてたんだろうけど、私は打ち上げ花火を思い出した。
昔住んでいた家の近くには大きな川があって、毎年夏になるとそこで花火が上がってた。
屋台もいっぱい出たりして、「好きな人と会えるかな」って思いながらお祭りの中を歩いたり、ブルーハワイ味のかき氷を食べながら心臓がおかしくなるくらいデカい音で打ち上がる花火を眺めたりした。
翌朝、花火が上がってた河川敷に行くと、真っ黒な花火の燃えカスの中に5cmの硬くて短いラップの芯みたいなのが落ちていた。多分花火の一部だと思うけど、鼻に近づけるとめちゃくちゃ強烈な火薬の匂いがして、一瞬で消えちゃう花火が永遠になったみたいな、自分の手の中に夏があるみたいな、そんな気がして、「夏の結晶」って名前をつけて宝箱に入れてたな。
冬に匂った時も少しだけ火薬の匂いが残ってて、箱の中だけ夏みたいだった。
あんなに大事にしていたのに、いつの間にかなくしちゃって、なくしたことすらも今の今まで忘れてた。
グレゴリオっていう曲の、
っていう歌詞を思い出した。
歳をとるにつれて、大人になるにつれて、大切なものを一つずつなくしていく気がする。
忘れたくないことばっかりだよ。
4年前の今日は学校に行かずに、図書館で青春18きっぷのポスターの写真集を見ていたみたいです。これも思い出すまで忘れていた。
毎日生きるのって大変で、いつの間にか大事なことも忘れちゃうから、忘れないように文字にしたり、写真に残したりしていきたい。
大事なことだけ、忘れたくないことだけ抱きしめて生きていこうね。
さあ、ということで。
そろそろお別れの時間が近づいてまいりました。
本日のエンディング曲は古川本舗さんでグレゴリオ。お相手はわたくし、わすれなでした。
それでは、また来週!せーのっ、ガオー!🦖(お別れの挨拶)
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