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#3 オリンピックの野球アメリカ代表は、ベストメンバーではない??

今回は、この文章を執筆している今がまさにオリンピック開催期間であるので、この話題で1本簡潔に書いてみようと思います。

日本時間8月2日に行われた日本とアメリカの試合は、私も同時中継を見ていましたが、タイブレークを経ての日本のサヨナラ勝ちとの素晴らしい結果に終わりました。先に誤解の無いように述べておくと、私はこの試合結果に水を差す意図は毛頭無く、どんな選手が選出されたのかについてと
その背景を述べたいとの意図以外はございません。

先に結論から申し上げますと、"本気"ではあると思いますが、タイトルに記載した通り"ベスト"のメンバーであるとは思いません。これは、選択肢の中では最善の選手を選出したことに変わりはないが、その元の選択肢がかなり限られたとの意です。

個別の選手紹介は別に譲りますが、ロースターの大まかな選手構成としてはMLBデビュー直前の有望な若手選手達と、全盛期の活躍を今は見せられておらずメジャー契約を結んでいないベテランが主です。しかし、その限られた編成の中でも、名だけで選手を選んでいるというよりかは、真剣に期待する役割を定め、それに対しての的確な選手を招集している気がしました。

これには、私の認識では大きく2点が関わっています。

1点目は、オリンピックは、MLB(メジャーリーグ)機構が主催元でないこと。

2点目は、MLBがまさにシーズン中であること。

これらが今回の結論を導く大きな2点であると思います。勿論、その他の社会情勢等や他の要素等も因子として存在すると思いますが、今回は割愛します。

具体的に掘り下げて行きましょう。

1点目は、文字通りMLBが今回のオリンピックの野球競技の主催元ではないから、選手派遣に積極的ではないということです。これは、明らかにWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)と異なる点です。2017年のWBCでは、打者中心ではありますが、年俸が数十億にもなってくる各球団の主力級の選手が当時のアメリカ代表やドミニカ共和国の代表として多数出場していました。これはWBCを主催しているのが、MLB機構とMLBPA(MLBの選手会)であることが少なからず関係しています。当然、大会を盛り上げたい主催元であるMLBやMLBPAは有力選手に出場を打診すると思われますので、この要素の有無は少なからず関係していると思います。

そして2点目は、このオリンピックが開催されている時期がまさにMLBのシーズンと被ってしまっているからということです。MLBは7月の最終週(まさに、この文章を執筆する数日前)にトレード・デッドラインを終え、ここから10月のプレーオフに向けて熾烈な出場権争いが展開されていきます。NPB(日本のプロ野球)は今回の開催国のリーグということもあり、シーズンそのものを一旦中断していますが、MLBではシーズンに対する関心がより高まっている時期になります。そのため、主力級の選手はオリンピックにまず出てこない(これない)と考えられます。先程からWBCと対比する形で紹介していますが、WBCは開催時期もMLBのシーズンに配慮(配慮というより、"シーズンに重複しないように"がより正確な表現かもしれません。)した形になっています。WBCは3月に行われるので、その点でもMLBの公式戦と重ならず、大物選手が呼びやすい仕組みになっています。

以上で挙げた2点が、今回のオリンピックの”野球”という種目に現役の大物選手が出場していない事情だと考えています。普段野球を見ていない方でも、WBCの時と他の対戦国のメンバーの紹介文句が何か違うことにモヤモヤした方もいるかもしれません。当記事が少しでも誰かのそのモヤモヤ解消のお役にたてれば嬉しい限りです。 

ヘッダー画像は、https://www.mlb.com/news/team-usa-world-baseball-classic-roster-prediction から引用しました。

それでは!


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