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プレゼンテーションって何だろう。

そんな問いからプレゼンテーションのお話を始めることがよくあります。
「人間とは?」みたいな哲学チックな話ではないですし、
「三角関数とは?」みたいな特別な知識が要る話でもありませんよね。
思案に暮れるような質問ではないと思います。
でもその答えからは、プレゼンテーションというテーマについて
その方がどれぐらい考えを巡らせたことがあるか?
あるいは自分がやるにあたってどんな意識を持っているか?
それがとてもよく分かるんです。

大抵の場合、最初に挙がるのは「発表」という答えです。
人によっては「口頭の」とか「一対多数の」とか補足がつきます。
さらに別の方々に伺うと「プレゼンテーション=発表」という前提で
自分が見たことがあったり憧れていたりする実例が挙がってきます。
そしてボクは「今日はココからだな」了解了解、となるわけです(笑)

一般的にイメージされがちなプレゼンテーションとは、
GAFAM(Google/Amazon/Facebook/Apple/Microsoft)を始めとする
海外の先進的な企業の社長やエグゼクティブがホールのステージに立って
壁全面の大画面にスライドや映像を映し出しながら大観衆に向かって
自社の新しい製品やサービス、あるいは経営状況などを説明するアレです。
演台は最近はないケースが多く、演者がピンマイクを付けていて
ステージ上を自由に歩き回りながら話す、ちょっとしたショーです。

あるいはBtoBなお仕事をされている方はプレゼンテーションと言えば、
企業の会議室でスクリーンやディスプレイにスライドを映したり
印刷した資料を配ったりしながら行う説明を指すことも多いですね。
内容は新しく取引を始めてもらうことを目的とした自社の売り込みや
与えられた課題に対する提案、企画など。
「説明」ではなく「プレゼンテーション」とわざわざ言う場合
内容がクリエーティブなモノだと思われているときが多いようです。

そして次に、上手なプレゼンテーションとは?と訊ねると
「引き込まれる」「説得力がある」
具体的には?
「言い淀まない」「噛まない」「聴き取りやすい」=発話
「表情が豊か」「観衆をしっかり見て話している」=見た目
「情報が整然と組み立てられている」=構成力
「詳細の説明に表や映像を活用している」=ビジュアル化
「スライドに動きがある」「文字がよく見える」=資料の出来
…等々、いろんな答えが出てきます。

確かにいずれも「プレゼンテーション」ですし
そういった条件を満たしているプレゼンテーションは
見た目は非常にスマートに進みます。

もしもそういった定義に納得がいくようであれば
プレゼンテーションをもう少し拡げて考えることをオススメします。
例えば、英和辞書で presentation を調べると

presentation(英)

① A talk giving information about something
「何かに関する情報をもたらす語り」

② An occasion when prizes, qualifications, etc. are formally given to those who have won or achieved them
「賞を勝ち取ったり資格を得た人に、それを正式に授与する機会や場」

③ The way something looks when it is shown to other people, or the way someone looks
「他人に何か物が呈示されたとき、あるいは誰か人が紹介されたときの、その見え方」

などという説明があります。辞書によって異なることもありますが。
①が上で「よく挙がる例」として取り上げたものに近いですね。
②はアカデミー賞の表彰式や勲章の授与式などを
Presentation Ceremonyと呼ぶことに繋がっています。
③はお皿の上に料理を盛り付けることや、盛り付けた見え方を指して
「プレゼンテーションが良い、悪い」と評することなどが好例ですね。

ボクはこういった意味も含めて presentation とは

「他人に見られることを前提とした表現。あるいはその方法や工夫」

と考えています。

そう定義すると、今までプレゼンテーションとして考えていなかった
アレやコレも実はプレゼンテーションなんですよという話が出てきます。
つまり、プレゼンテーションとして捉える意識や凝らすべき工夫が
アレやコレをやるときにも必要なんですよ、ということです。
あるのとないのとでは結果が大違いなんですよ、ということです。
同じ食卓でも551があるときとないときでは(略

次回はそのアレやコレって例えば何?ということや
プレゼンテーションにもっと気を配るべき人が実はたくさんいるという
ことなどをお話ししたいと思います。

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