大敗の中に見た輝き 吉川雄大

ニュースとして発信された今江監督のコメントを見るかぎり、かなりの動揺がうかがえるわけですが、すでに起きた事はもう仕方ない。
シーズンはまだまだ続きます。開き直って切り替えて欲しいと思います。

何がどうしてああなったのか。
それはプレーしている選手でなければ分からないことで、観戦しているだけの私たちは、フィールド上に立つ選手の姿を追うことしかできないわけです。

そこで私が感服したのは、吉川の投げっぷりですね。
4回までに18点も入ったあと、彼は燃え盛る炎のなかへ飛び込んで消して来いと無茶振りをされたわけです。それは豪雨のあとの濁流のなかへ放り込まれるにも等しい。こんな経験はなかなかありません。
いきなり打たれはしましたけれど、その後は開き直って低く低く制球し、倦むことなく試合を進めてくれました。
三回51球、被安打3、4奪三振、自責2。
堂々とした後ろ姿だったと思います。

上位ドラフト指名で入団した選手には、出場機会がほぼほぼ約束されています。先発ローテ入りを期待され、あるいは中継ぎとして即戦力を期待される。

でも吉川は2021年のドラフト7位。
2023年には一軍登録すらありませんでした。
その悔しさであったり、覚悟であったり、不退転の気持ちであったりが現われたピッチングだったと思います。

恥ずかしながら私は吉川のことをよく知りませんでした。
高校時代に太田とバッテリーを組んでいた小柄な投手ぐらいの認識でしたが、昨夜のピッチングで認識が一変し、深く刻まれました。
とりわけ彼の投じるカットボールとチェンジアップはかなりのものだなと。一軍で十分に通用し、要所で空振りを取れる投手だと思います。

もしかすると一旦は抹消されてしまうかも知れませんが、イーグルス首脳陣はこうした兆候を見逃さないで欲しいところです。
大敗の試合ながら、私にとっては吉川雄大という投手が応援したい選手に加わった日となりました。



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