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『Pencil Rocket Opera E.P』解説

お久!!!!!
PK shampooのギター、福島カイトです。
先日6/28に晴れてリリースとなりました『Pencil Rocket Opera E.P』。前回のアルバム『PK shampoo.wav』発売より1年半以上。久々の新譜発売ですね。お待たせしました。

新規発表曲は3曲。正直複雑なコードと奇怪な転調まみれで、俺みたいなクソザコナメクジには音楽理論とか踏まえた解説なんてできたもんじゃないです。全部パワーコードでCメジャーキーとかにならんかな。

でも前回アルバムと比べて、音周りに結構変化があって、まさしく「PK shampoo2期」って感じがしますね。しません?しろ。

ほな、解説始めます。

【SSME】

前回アルバム『PK shampoo.wav』のボーナストラックに、ヤマトさんの弾き語り音源が収録されていた楽曲。バンドアレンジでは、アップテンポチューンになってます。ライブ映えする曲ですね。観に来い。

歌詞内に出てくる神津神社は、阪急十三駅前にあるちっさい神社です。この前フラっと散歩してる時に通りかかって「おっ、神津神社やん」と思い境内を歩きましたが、こんなところで寝るなよ。
気になる方は行ってみてください。

「例え嘘でも嬉しいよ」以降のアルペジオは、この曲の編曲に関わっていただいた(元)フィッシュライフ、(現)多次元制御機構よだかのGt&Vo、ハヤシングの兄貴が弾いてくれてます。
「こんなの弾けんわ」と笑いながら、ものの5分程度で弾ききってました。よく考えたら俺が高校生の時から『沈黙のsummer』の爆速アルペジオを弾いてた方なんで、当然といえば当然です。化け物め。

この曲は「君を連れていくと約束したんだ」部のコードチェンジで、かの有名なブラックアダーコードが使われています。灼熱の卓球娘op『灼熱スイッチ』のサビ入りのやつですね。またこの曲のコードアレンジとシンセ打ち込みは、我がバンドのスタッフ・アリマが高校時代に所属していたあの伝説のバンド・"Laugh Life"のギタリスト、レスポール田中くんが手伝ってくれてます。オリジナル曲『おやすみコルチカム』はあまりにも有名。
https://youtu.be/LnBK7a5rM6E
後述しますが、彼はS区宗教音楽公論でもコードアレンジとシンセ打ち込みを担当してくれて、カッコよくてメロディアスな展開にしてくれてるんですけど、それにしても彼が介入した曲はコードが複雑すぎる。ホンマに全部パワーコードでCメジャーキーとかになってほしい。何が『おやすみコルチカム』じゃ。アリマのボケあのキモオタ、最近めちゃくちゃ反抗的でムカつく。ことあるごとに俺を馬鹿にしてきやがって。高校の時は俺の親衛隊までやってたのに。見てください高校時代の俺とアリマのツーショット。あの豚、完全にメスの顔してます。

↑高校時代の俺たち。もうあの頃には・・・・

脱線してすいません。というわけでハヤシング氏とレスポール田中のおかげで、壮大かつメロディアスなコードアレンジに仕上がってます。特に転調後のシンセサイザーの音色は、よくよく聞いたらパチンコに当たった時のようなペカペカ音で面白いです。

最後にこの曲最大の山場、アウトロのにしけんベース。うねるようなベースラインの終盤に、ボカロの名曲・メルトみたいなベースフレーズが入ってませんか?というか寸分違わずメルトです。ヤマトさんがにしけんに「メルト弾け!!!!!!」と半ば恐喝じみた口調で言いまくったせいおかげで、こんな感じになってます。溶けるな。

【S区宗教音楽公論】

このE.Pの4曲の中では、最初にPVが公開された楽曲。このS区には新宿世田谷杉並などの区をSで括って禍々しい雰囲気を出す意図でやったとインタビューで言っていましたが、これは確実にネットで有名な怖い話「裏S区」もオマージュしてますね。ヤマトさん本人に確認取ってませんけど多分そうです。歌詞内に頻出する「神様」というワードに対して誰もが無意識に抱いてる畏怖を、神秘性と不気味さの二つの要素から演出してる・・・ってコト!?

この曲の制作においてヤマトさんは、とにかく「讃美歌」という言葉を多用していたんですが、歌詞は依然等身大サイズのワードを多く使っています。直接的に宗教に絡むワードは「ラウダ」ぐらいかな。恐らく、彼の歌詞作りで特徴的な「君」と「僕」2人がメインで展開されるある種クローズドな雰囲気と、天体というスケールの大きな歌詞を合わせて表現されている「セカイ系」の幅が、「天体」だけじゃなく「神」や「宗教」というスケールにまで広がっているんじゃないかと思ってます。なんかホント、本人にそう聞いたわけじゃないのに長々勝手な考察しちゃって恥ずかしいですね(照)。

さて、キモオタ考察はこの辺にして、やはり印象的なのはストリングス。コーラスとかも讃美歌を意識した雰囲気を押し出しており、これまでのPKになかった楽曲になってます。ライブでは俺とにしけんの少年合唱団みたいなコーラスが聴けるので、是非聴きに来てください。

シンセサイザーはおやコルのレスポール田中が、ストリングスはヤマトさんのお友達、ヴァイオリニストのタジミさんが弾いてくれています。やっぱ本物のヴァイオリンってめちゃくちゃ音綺麗ですね。前回のワンマンツアー「Don't Trust PK shampoo」大阪編では、ライブでも生演奏していただきました。超楽しかったですね。ありがとうございました。

ギターに関してですがこの曲、俺は5カポでヤマトさんは半音下げ6カポで弾いてます。高すぎやろ。マスロックでも弾くつもりか?
シンセも入ってるしキラキラした雰囲気が合う曲なんで、5カポ解放弦コードを多用する感じにしたんでしょうね、ヤマトさん。

また、この曲は三つのキーが登場します。Fメジャー(Dマイナー)、Aメジャー(Gbマイナー)、Cメジャー(Aマイナー)です。PKって結構、ピアノでいう黒鍵多めのキーが多かったんですけど、この曲はどのキーも、黒鍵少なめです(Cメジャーキーに至っては、基本的に使いません)。そういった点でもかなりテイストの違う楽曲ですね。特にFメジャーキーはうちのバンドでは初出です。おお、これでまだ使ってないのEマイナー(Gメジャー)キーだけですね。恐らくロックバンドが一番使うキーなのに。
ちなみにおやすみコルチカムはEマイナーです。
俺たちでカバーしろってコト・・・!?

あと、この曲でヤマトさんのボーカル最高音程が更新されました。『二条駅』の「分度器」のC#を遥か上回る「神様あの子をさらってよ」部分のFです。地声では女性ですらなかなか出ない高さ。来るとこまで来ましたね。

次の楽曲もそうですが、このE.Pは再録の『新世界望遠圧縮』を除き、かなり挑戦的なアレンジが多いです。
S区宗教音楽公論はそういったPK shampooの新たな音楽性の中でも、まさしく水先案内人という感じですね。

【落空】

なんやこの曲。展開が複雑すぎる。どこから解説したらええんかわからん・・・
まず、イントロからサビ前までが6/8拍子です。楽器のアプローチも相俟って、マジ歌謡曲って感じですね。ヤマトさんはS区宗教音楽公論はとにかく「讃美歌」をテーマに製作していましたが、今回は「歌謡曲」です。楽器展開は複雑にしつつ、歌をしっかり押し出すアレンジにしてあるのがこの曲の特徴ですね。楽器の本数自体もめっちゃ減ってて、生歌が聴こえやすくなってます。元々楽器本数が多いのとかも「自分の歌に自信がないから」と語っていたヤマトさんですが、歌唱力がメキメキ向上してるのは音源を聴いてくれたり、ライブを観にきてくれたりしている皆さんなら充分ご存知だと思います。そういう点からも、このE.Pはあの人が「歌う」ということを凄く意識したE.Pなんじゃないかな。俺は知らんけど。コーラスも『新世界望遠圧縮』以外は全部ヤマトさん自身が歌ってます。

さて、このAメロのブルースギターは、我が師でもありヤマトさんの友達でもあるBlack petrolのギタリスト、Jが即興演奏してくれたものです。この曲のコードとかも彼がアレンジしてくれてます。しかしまあ、なんで本物のジャズとかブルースやってたギタリストの出すニュアンスって、こんなにセクシーなんやろ。俺みたいな脳死アホギタリストには絶対に真似できません・・・
ヴァイオリンはS区と同じくタジミさん。いやー、ギターと絡んで超良い感じですよね、ヴァイオリン。
同じ弦楽器だからか、相性抜群です。

この曲と『新世界望遠圧縮』は、山中湖にあるレコーディングスタジオで録ったんですが、この曲の複雑な展開を前に、我らがDr.アンドレ・ザ・ギガジャイアントが震えまくってました。「無理や。無理や。」と小学生のように喚くアンドレに無理やり叩かせると、案外すんなり良いテイクが取れたので全員一安心。ヤマトさんとJ、その他多くのスタッフが必死にレコーディングと向き合う中、いち早くレコーディングを終わらせたアンドレとにしけんは、山中湖で2人仲良く足漕ぎボートに乗るという嫌がらせを披露してきました。まず男2人で乗りたくないやろ。「めっちゃ疲れた〜!」とか言いながら帰ってきた時、マジで殺しそうになりました。まあ俺、人にこんなん言える立場じゃないですけどね。ヤマトさんが普段色んなこと頑張ってくれてるのに、俺は高槻市の実家で水羊羹食べながら『CLANNAD』観返したりしてるんで。ごめん、ごめん・・・・

話が逸れましたね。6/8拍子で展開されていくこの曲は、「空に落ちて」部から3度転調、16ビートになります。どういうことやねん。そしてその後、アウトロでは6/8に戻ります。アホか。そんなことしたらあかんやろ。アウトロは6/8拍子ながらも、かなりドタバタしてカオスな雰囲気ですね。全パート好き放題やってます。ちなみにアウトロ終盤のリードギターは、メンバー間ではド直球に「星間飛行」と呼ばれています。星間飛行なんで。すんません。

【新世界望遠圧縮】

先程このE.Pはこの曲以外3曲が挑戦的なアレンジをしていると書きましたが、よく考えたら普通にこの曲も3回転調してるし意味不明です。シングル「新世界」からの再録ですね。旧版は夜間通用口と同時に収録してるので、当時のPKから考えたらめちゃくちゃ新たな試みに挑戦してる曲です。だからこそ、他の変態3曲との食べ合わせはいい感じですね。

この曲は、ヤマトさんの歌詞としてはかなり珍しい「バンドで活動すること」をテーマにした曲です。コロナ前に初の全国ツアーを行った時にできた曲なんで、歌詞も高速道路での移動をモチーフにしてます。なんか楽曲的にはリードギターの短音が占める割合多くて逆に書くことがないな。あんなもんガーン歪ませてギューン弾いてるだけです。

今この記事を書いてるのがツアー初日の福岡から2日目の岡山まで移動する機材車の中なんですが、今はスタッフのショウタロウ君とアンドレがタイマンでしりとりをしており、アンドレの執拗な「る」攻めを前に、ショウタロウ君が「もう無理やて〜!!」と苦悶しています。にしけんは遊戯王マスターデュエルを横画面でプレイし、ヤマトさんは『おやすみコルチカム』を再生、昨日のライブでガスガスになった声で爆笑してます。俺は高校からレスポール田中とアリマと面識があるのでもう10年は「おやすみコルチカム」を聴き続けていますが、マジでいつまでおもろいねんあの曲。スタミナ底なしやんけ。間奏の語り、なんて言うてるねん。

まあ、こんな感じで今回もまたツアーが始まりました。ヤマトさんは「これからもこのバンドをやって、ツアーをやっていくよ」というような意味合いを込めて、この『新世界望遠圧縮』を再録したんじゃないかな。俺は知らん。知りません。高槻市の実家で『CLANNAD』を観ます。俺は藤林杏推しです。ほなまた。

【まとめ】
僕が嫌いだ 嫌いだ
美化した過去を罪と嘲笑う
僕が嫌いだ 嫌いだ

P.S

https://lnk.to/Pencil_Rocket_Opera_EP

まず聴いてください

http://w.pia.jp/t/pkshampoo/

そしてツアーに来てください

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