さようなら「カンカラ三線」 〜次なる活躍の場へ〜

数年前、我が家に「沖縄音楽ブーム」が到来、と言ってもBEGINの曲をよく聞いてたってだけなんだけど。その時期に、相方がなぜか「カンカラ三線」を購入した。なんか楽器やりたかったっぽい。

購入したはいいけど飽きっぽい私たち、最初は良く触ってたけど次第に放置されることに。結局そのままクローゼットの中で眠っていたのだが、この度「貸してほしい」という人が現れた。それで「どうせ戻ってきても弾かないので」と、そのままもらっていただくことに。


「カンカラ三線」とは

「カンカラ三線」とは、胴が空き缶でできた三線のこと。もともとは戦中の沖縄で物資が不足する中、手に入るもので作られたのが始まりのようだ。ネットで見てみると、今は綺麗に塗装されたカンカラ三線も売られているが、始まりは音楽に生きる力を求めた人々の思いから生まれた極々質素な楽器である。

ネットではいろんなレベルの完成品も売られているが、我が家にやってきたのは部品を自分で組み立てる「手作りキット」であった。空き缶(胴)と木の棒(棹)、弦、その他部品がセットになっていて、説明書を見ながら自分で組み立てる。組み立てた後、お好みで塗装したり装飾したりする人もいるようだ。相方は組み立てただけのプレーンな状態で使用していた。


いざ音を出す

弦楽器というのは、弦を張っただけでは楽器として音階を奏でることができない。チューニングが必要だ。相方が組み立てたカンカラ三線、こんな簡単なものがちゃんと楽器として機能するのかな〜とか思ったけど、チューニングしたら曲りなりにも音階を奏でることがてきたのには驚いた!

うちにはたまたま、私がバイオリン用に買ったチューナーがあった。それを使ってチューニングする。チューナーを見ながら、音を出しつつ弦を調節していく。しかし……これがとても大変。構造が簡単なので、音を合わせても弦がすぐに緩んでしまう。3本の弦すべての音がきっちり合うのに1時間とか平気でかかってた。後から考えたら、カラクイのところを緩まないように細工すれば良かったのかも。

曲の練習

緩みまくる弦は気にしないことにして、次は曲の練習だ。一緒に買った三線用の楽譜で「チューリップ」「大きな古時計」とかを奏でる相方。ものすごくぎこちないが、一応ちゃんと曲として聞こえるようには弾けてたかな。練習曲が一通り弾けたら、今度は本当に弾きたかった「島人ぬ宝」とかに挑戦してた。そんなことを買ってひと月くらいは、夕飯後なんかにしてたかなー?もっと短かったか?そのまま練習してたら、1曲くらいは人に聞かせられるようになったかもね〜。でもすぐに飽きちゃったね。

一度友人H氏が持ってる「ちゃんとした三線」を弾かせてもらったことがある。彼女はちゃんと継続した趣味として三線をやってるらしい。綺麗なハードケースに入った三線をふた棹も持ってきてくれて、私たちはH氏の指導のもと「涙そうそう」を弾かせてもらった。全然曲にはなってなかったけど、なんとなく「弾けた!」っていうのはなかなか楽しかった。



さようなら「カンカラ三線」

次なる活躍の場は、どうやらバンドのライブ会場らしい。いきなり華々しいデビューだな。もらってくれるN氏はもともとバンドをしていて、そのライブで使いたいんだってー。しかし音がめっちゃ小さい楽器だけど大丈夫?マイクつけるからいけるの?

「そのうち捨てることになるかも」と思っていたものだっただけに、行き先が見つかったのは本当に良かった。N氏はハンドクラフト系のこともする人なので、彼女のセンスで綺麗に塗装してもらうのもいいかもね。我が家では十分に楽しんであげられなかったので、N氏やバンドの皆様に可愛がってもらいなね〜。元気でな〜。

私の文章に少しでも「面白さ」「興味深さ」を感じていただけたら嬉しいです。