長い髪から大仏パーマへ


もともとそんなにお洒落じゃないけど、最近は「ちょくちょく切りに行くのが面倒だから、もう髪が伸びなければいい」なんて思っている。清潔にしてれば、髪型なんてどうでも良いの心境。「美人はショートヘアのが美しさが際立つ」ということもあるし、髪の長さなんて美人度に貢献しないんだよ。

今は「ちょっとくらい伸びても、スタイルが変にならない」美容師さんに切ってもらってるので、本当にたまにしか切りに行かなくなった。「忘れた頃にやってくる」客である。

「髪を切る」を強制するとは!

そんな私も、幼い頃は母の意向もあってずっと髪を長くしていた。上級生に「髪長いね〜」と言われるのもちょっと嬉しかった。学校へ行く時はきつめの三つ編みにしてもらってたので、体育で邪魔になるということもなかった。

小学4年の時、担任教師の意向で「プールに入るのに邪魔だから、全員髪を短くすること」とのお達しが出た。長い髪でも水泳帽に入ればいいはずなんだが、この担任は何を考えてたのか。子供の私に反論するすべはなく、クラスの同調圧力にも負けて髪を切ることになった。

母の失敗

元美容師の母に髪を切るように頼んだら、「せっかく長く伸びたから、切った髪を残しておこう」と言い出した。そして「より長く」残すために、母は私の髪を真上に持ち上げてザクっとやった。

……そうやって切るとどうなるか、頭頂部付近の髪が短くなりすぎて立つのだ。私の髪は「硬くハリがある」ので、なおさら元気に立つ。全体的に短くなった髪は「四方八方」に向かって立っていた。

そして「残しておいた長い髪」は、箱に入れられて仕舞いこまれ、6年後の引越し時にはゴミとして捨てられる。……当時にヘアドネーションを知っていれば!

大仏完成

四方八方具合を収めるため、母は半ば無理やりパーマをかけた。短いといっても5、6センチくらいはあったと思うが、それでも極細ロットでないと巻くことができない。極細ロットで少しずつ巻かれた髪……出来上がったのは立派な「大仏」だった。

小学生なのに堂々とパーマをかけて学校に通う私。多分担任教師には母から話したのだろうが、そんなの必要ないような「お洒落じゃないパーマ」。手で髪を触ると、コロコロとした手触りが気持ちよかったな。少しの間、クラスの心無い男子から「大仏」と言われる。当然だわな。

惜しいことを……!

今となっては愉快な思い出、いや美味しい思い出かもしれぬ。残念なのは、大仏時代の写真が2枚しかないということ。それも運動会で走ってる時の写真なので、大仏具合があまりよくわからない。

その後大仏ヘアーも順調に伸び、ややふんわりしたウルフヘアーを経て普通の長い髪に推移していった。 いやはや、下手に元美容師で腕に覚えがあるからって、最終的に娘を大仏にした母、なかなか面白い。そして本来は頑固なまでの直毛、ややグレーがかった茶色という、美しい髪質を授けてくれた両親に感謝!


私の文章に少しでも「面白さ」「興味深さ」を感じていただけたら嬉しいです。