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「この世界の片隅に」のミュージカルの感想

※ネタバレ注意
※個人的に微妙だったところも書いているので注意
※トプ画はパンフ表紙イラスト

この世界の片隅にを見たよ。加藤潤一さん(お兄ちゃん役)をやや追ってるので見にいった(ボディガードのミュージカルも見たよ!)。せっかくなので増田梨沙ちゃん(晴美ちゃん役)が出ている回にした(スイちゃん好きなので…)。

なおわたしはこの世界の片隅にはアニメ映画から入ってとても良かったので原作漫画も買ったよ。ハピ恋厨なので切なさに耐え切れなさそうだから「(さらにいくつもの)…」の方は見てないよ。

B席めっっちゃ見やすかった!舞台全体が見渡せて、登場人物の立ち位置(物理的な意味で)が見やすかった。

最初の音楽(合唱)良すぎてエンディングかと思った。泣いた。たぶん隣の隣の席の人も泣いてた。
ピアノの特定の5音(伝われ)で始まる曲が好きなのかもしれない。ガウディ展のCURTAIN CALLという曲 (haruka nakamuraさん)に似ていると思ったが今聞いてみたら全然違った。
しっとりした曲、ピアノ伴奏の曲が特に良かった。

随所で出てくる隣組の曲は場違い感、空回り感があって個人的に微妙かなと思った。
原爆投下直後、終戦のときにも歌っていたのであえて場違い感を出して奇妙な感じを演出するためだと思うけど…。
特に玉音放送が流れて、強がっていた径子さんが「晴美…!」と慟哭するシーンは隣組の歌無しでセリフを聞きたかったなと思った。

最後の方ですずさんと会話している、原爆で亡くなった息子さんに気づけなかったおばちゃんのシーンが長すぎた気がする。

ハンカチもっと売ってください。(売り切れてた。普通に涙を拭く用に欲しい)

背景の映像や、光の効果が良かった。
・合唱のときの光の粒の映像、怪物のおっちゃんがのりで作った夜空を除くところ、花祭りのシーンの桜の逆光の感じ、空襲のB29が飛ぶ影、すずさんが書いた絵の映像

舞台中央の回転する床もすごかった
・怪物のおっちゃんのシーンで、すずさんと周作さんが床に半分入って怪物の動きに合わせて揺れるところ
てかあの床挟まれないかと心配だった。

径子さんの人物像が原作より深掘りしてあった
・モガの格好で踊っているシーン
・夫への思い
・自分で選んだ、自由、すずさんとの対比
自由を歌っている曲は個人的には解釈違いかもしれないが。

径子さんとすずさん(自分で選んだ/流されてきた)、水原さんとすずさん(普通じゃない/普通)が対比になっているのかなと思った。

水原さんの「(英霊として祀らないでくれ、それができないなら)忘れてくれ」というようなセリフとすずさんの「記憶は無くならない」みたいなセリフは対応しているのかなと思った。

幼少期の登場人物の演出がよかった。
単に幼少期を演じるだけでなく、大人が歌っている時に幼少期のその人が同時に舞台に出てインナーチャイルド?としての子供を演じるなど。

死んでいる人、生きている人、過去の人(子供)が同じ舞台上に立って境界が曖昧になっているのが良かった。
かと思ったけど最後の方の合唱のシーンで晴美ちゃんが手を伸ばす径子さんをスルーして死んでいる人たちのところに収まるのは生死の境界がはっきりしてつらかったね。

↑のこともあって座敷童とリンさんの関係がわかりやすかったね。

登場人物が舞台上に散らばって近づいたり離れたりすれ違ったりする演出が良かった。

「昭和○○年○月…」みたいな感じで登場人物が入れ替わり立ち替わりナレーション?をするのも良かった。

ちょっとセリフで説明しすぎかなと思う部分はあった。晴美ちゃんが時限爆弾で亡くなったシーンとか、原爆が炸裂したシーンとか。

「すずはこまいのう…」がやっぱ声で聞くとドキッとするね。

すずさんが髪の毛を切るシーンって毎回ウィッグを使い捨ててるのか?と気になった。

怪物のおっちゃんとお兄ちゃんが同じ俳優さんなのか気になった。

最後の方客席のすすり泣きが凄すぎてすすり泣き屋さんに来たかと思ったよね(わたしもすすり泣いてた)。

晴美ちゃんが死ぬまでの間のシーンで、晴美ちゃんが「もっと大きくなるよ!」とか「お嫁に行くときに…」とか言ってるところがつらかったよね。

お兄ちゃんの出し方難しかっただろうなと思う。まず生きてるシーンが無いし。

最後の方の「晴美ちゃん、あのとき浮かんでいたのは青葉だったよ」みたいなセリフの意図があまりわからなかった。しかし背景に浮かんでいる船型の舞台装置の回転はすごかった。

パンフの表紙の観劇してるすずさんの絵が良い!

場面転換が必ずしも時系列じゃないから初見の人わかるかなと思ったけど、ナレーション(?)が入るから時期がわかりやすいし、繋ぎ方がうまかったな思った。スイカといえば…みたいな。

役者さんの顔が原作準拠で(?)すごいなと思った。あそこまで解釈一致の顔の人を揃えられるのか。すごい。

劇場で売ってるもの、ドライフルーツ300円、ペットボトル水200円と良心的な値段だった。

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