写真家アシスタントの今週の1枚 #12
〜写真家 青山裕企のアシスタントが、自分が撮影した写真について語るコラム〜
今日はハウススタジオで撮った1枚。
テーマは、“雑誌の1ページのように撮ってみる。”
(焦点距離70mm/F値3.2/ SS1/250)
■テーマ:ファッション雑誌の1ページ
…ファッション雑誌FUDGEを意識。
個人的に雑誌のFUDGEがすごく好きで、自分の作風よりもFUDGEに載るような写真を撮ることを意識しました。窓から差し込む柔らかい光と、気取らない素の表情を捉えました。
その雑誌で仕事がしたいけれども実績がないなら、その雑誌に掲載されるような写真を撮って、営業に行くことがまずは第一歩、と青山さんは言っています。
また、雑誌で仕事がしたいなら、その雑誌の昔から今までを隅々まで研究しなくてはダメで、研究をすると、自分がカメラマンとして起用される余地があるのか知ることができます。
色々なカメラマンが代わる代わる撮っているなら、自分が入る余地が少なからずあるし、いつも決まったカメラマンが撮っているなら、自分が撮ることは難しいかもしれない、ということがわかります。
■1番見せたいところは顔ではなく、服。
…服をきれいに見せる光を探す。
ファッション雑誌の目的は、服を売るところにあります。そのため、服に目がいくような写真を撮ろう!と思いました。
写真左にある窓から差し込む拡散したやわらかい光が、白いシャツとグレーのズボンに最も綺麗にあたる部分を探して、モデルさんを配置しました。
反逆光で撮影することで、服に光のラインを入れてキレイに見せました。
ですが、FUDGEを改めて見返すと、横位置の写真は雑誌の中に数枚で、ほぼ立て位置の構図の写真でした。このような横位置の写真はファッション雑誌で扱いにくそうです。また、雑誌では引いた構図で服全体が写っているものが多く、私の写真は、シャツを見せたいのか、ズボンを見せたいのか、全体のコーディネートを見せたいのかよくわからない写真なのではないか、と気づくことができました。
仕事を意識した撮影は、作品の撮影とは気をつけるところが違います。今回雑誌を真似してみることで勉強になりました。
(model:まいこ)
ユカイハンズ http://yukaihands.jp
HP:http://arisawashizu.com/
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