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ITから離れている印象のある観光業界も無視できないVR世界が来ますよ。

とはいってもあと3〜5年後くらいかなと思っています。そしてポストスマートフォンはVR関係ギアになる勝算があると読んでいます。ガラケーからスマートフォンに需要が移り変わった期間がおよそ5年間です。そして2020年秋はコロナ禍、米中問題に端を発した5G整備の遅れと同時に、4Gで多くの人が満足している現状になり、買い替えのきっかけもなくなったことで、スマートフォンブームは終了し、コモディティ化元年となりました。それに合わせるかのようにOculusQuest2が3万円台での発表となり、一通りVRのハード類は整備が終わった印象を受けます。ここからはVRソフトコンテンツのフェーズに入るのですが、まだまだマニア領域での話です。

だからといって安心はできません。まずVRは実際に体験していないとその没入感は理解できません。そこにアバターによるコミュニケーションが加わるというのは、オンラインゲームを体験していないとさらに加えて理解ができません。トドメとばかりにそのオンラインゲームの世界で観光してしまうというのは、もっと理解できない話になること請け合いです。

本物には敵わない理論は通用しなくなる世界⁉

ゲーム内さんぽの動画ですが、まずゲームを一度クリアしていることも注目で、クリア後もステージをこうして歩き回れることはファミコンの頃からありました。さらにグラフィックスがリアルになったことで、こうして専門家の解説をしてもらいながらステージをめぐるという行為は観光そのもの。自らもクリアしたら同じステージに行けるというのも現実の観光と何ら変わらない世界です。

VRになればもっと没入感が出てくることと、コロナ禍によってこうしたバーチャル世界での観光サービスも出てくることを考えれば、少なくともバーチャル世界よりも優位に立てるサービスの組み立てや情報量、質、希少性を備えなければ自然に比較されるようになるでしょう。

またアバターと身体との関係も注目すべしところで、どのように受け入れられていくのかによっては現状のサービスについても、根底から覆ってしまうものが出てくるかもしれません。アバターは見た目の老朽化をしませんから、VR世界が構築された時にそのままアバターが本体になってしまう人がいる世の中が来るかもしれません。

5年なんてあっという間‼

iPhoneの発売が2007年です。当時はまだまだスマートフォン自体が普及しておらず、iPhoneもAppleマニアの世界で楽しまれていました。それが一般に普及し始めたのは2010年。4Gとともに発売されたiPhone4です。このころからスマートフォンにする人が続出し始めます。そしてその5年後にiPhone6とiPhone SEが登場しました。この5年間でiPhoneを始めとするスマートフォンが一気に伸び、コンデジとハンディカム(小型ビデオカメラ)の市場を一気に塗り替えると同時に、シェア文化と呼ばれるSNS上にアップされた写真や動画で共感する行為のために旅へ出かける志向へ変化しました。

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総務省通信白書平成29年度版より

観光関連事業を営んでいる方へ、2015年と2020年を比較し、事業の形態を変化させたり何らかの対応をしましたか? 使っているサービスがスマートフォン対応になった程度で、積極的に何かをした観光関連の事業者さんは少ないのではないでしょうか? この期間少なくとも広告デザイン業界では大きな事業形態の転換が迫られたときです。世代間の情報受信に対するギャップが大きくなり、ペーパーメディアの広告効果が世代によっては限りなくゼロに近くなってしまいました。その結果、ランディングページとネット広告という手法に移り変わり、ペーパーメディアサイズからバナーサイズでの広告表現へと大きく思考方法が切り替わったことで、静止画から動画に移り変わり、広告デザインの世界から退場していったデザイン会社も少なくありません。たった5年でここまで意識が変わったスマートフォンの普及でしたから、ポストスマートフォンと思われるVRギアとバーチャルサービスがもたらす意識変化はスマートフォンの比ではないと思えてなりません。

少なくともペーパーメディアの広告からスクリーンメディアの広告に移り変わる以上のインパクトがあります。SNSは写真やテキストがコミュニケーションの主体であったことからも、現実世界ありきの方法でした。VRの場合は世界観の構築から始まり、現状のオンラインゲームですらアイテムの売買は現実世界で通常に行われている状態ですから、VR内で購入できるアイテムも通常通り売買されるのは予測が付きます。ここに現実の物品を紐付けるといった新しい通販の形も出てきそうです。ちなみにマイクラの世界ではすでに「名所」と呼ばれる空間ができあがっており、マイクラ観光も一般的になってきました。

名所旧跡に関するものをVRの世界に取り込む場合、建物の図面はもとより、歴史的な背景、関連人物情報たビジュアル化なども重要な要素となってきます。オンラインゲームの場合も同様で、舞台設定となる背景の情報はかなり重要な要素となります。マイクラの流行を見る限り、ベースとなるシステムに参加者が建造物などを組み立てていくスタイルはしばらく主体となるのではないかと思っています。マイクラはブロックを組み上げていくタイプですが、Blenderなどの3Dソフトウェアで作られたオブジェクトを配置して街を作り上げていくサービスもそう遠くない未来に浮上すると思います。

この時3Dオブジェクトを作り込むクリエイターさんたちをどのように巻き込むのか…。現実地域に並行するバーチャルな地域が存在する日も遠くない気がしています。


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