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お茶のコトマガジン

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石川県白山市(旧松任)で茶の湯体験、茶の湯ゼミ、茶書研究をしている和雪庵の記録やメモなどです。
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#茶の湯

水無月(和菓子)

今日、6月30日は今年の半分が過ぎる日なので、半年分のいろんな穢れを払う行事である夏越の祓が全国の社で行われたと思います。そして、そんな日には和菓子の「水無月」を食べたくなるのです。そう、三角形の外郎の上に小豆が散っているお菓子です。 「水無月」の由来については様々なWebサイトで説明されていますのでここでは割愛しますが、資料として、京都の和菓子屋「三条若狭屋」の主人だった藤本如泉の書いた書物にこのような記載があります。 "こじつけて"という言葉はなかなか厳しいですが、「

「袴」で始まる仮説(想像)の行方

井伊直弼著『茶湯一會集』には”袴ばかりは草なり”という箇所があります。そこで思い出したのが遠藤元閑著『茶湯三傳集』(以下、『三伝集』)の”草袴 草足袋はく事なし”でした。茶書研究会で『三伝集』を輪読したときにナゾだった箇所について『茶湯一會集』から広げた仮説(想像)と事実(オチ)のお話です。 はじめに私は古文書が読めません。さらに、茶の湯を含めて文化・歴史などの研究者でもないし、その類いの専門教育も受けていません。だから調べられる範囲も知識も、広さと深さがありません。ここで