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患者会/家族会の限界性【オンライン自助会2周年特別記念⑤】

今回は、オンライン自助会のデメリットについて語ってみようと思います。
どういう人が参加できて、どういう人は参加できないのかという話です。


オンライン自助会/家族会は居場所であり、学びの場であり、生きがいを与えてくれる、使命感を与えてくれる場所だという話をしてきましたけど、では全員が参加したらいいのか、こんな素晴らしいものなら全員が参加できるんじゃないかと言われそうですが、もちろん重症な方は参加できません。

病気が落ち着いている、主治医の許可を得ている、そういう人じゃないと参加は難しいと思います。
誰かを傷つけてしまったりすることもあると思いますし、きちんとディスカッションができなかったりしますから。

今回は、その限界性についてお話ししようと思います。
重い人はやはりオンラインじゃなくて、リアルの会に行った方がいいし、患者会よりも医療の現場、ちゃんとプロのカウンセラーとトレーニングを積んでから自助会に参加した方がいいと思うので、どういう人が参加できるのか、どういう人が参加できないのかをお話ししようと思います。

◾️学習の場

基本的には、目的は「学習の場」なんですよね。
SATORIプロジェクトです。
心を探求していく中で、自分が救われる。
探求するためには誰かを救っていく、誰かの悩みを聞く。
自分の悩みだけじゃなくて、他人の困難や不安を聞いて解決してあげようとしていかないと、心の探求はできません。そういうためにいるんですよね。

それで、副次的にケアだったり、つながりを求める場所、生きがい。
助けているんだけども助けられているというかね。そういうのが副次的な目的になります。
こういうのを僕はBOSATSUプロジェクトと呼んでいます。
この2者ですよと。こういう目的があります。

何を学習するのか、そして学習するためには、最低限必要なんですよね。
小さくてもいいんだけど火種が必要だったりします。
学習していく前提の力。
サッカーをするにも、全くサッカーができない人は練習に参加できませんから、そういうのと似ていますね。

一つは論理力、論理展開ができる、ロジカルシンキングができる、ロジカルに考える力、客観的になれる力、主観と客観を切り分けられる力、先入観に支配されない力が大事です。

もう一方で、感情に支配されない力、感情に支配されて我を忘れてしまうと、やっぱりうまく回らない。そういう力も求められる。

ごっこ遊びができるというのも大事です。
そもそもここの集団はリアルな場所ではないし、病気の人たちの集まりなんですよね。だから、病気の人たちの集まりなんだという理解のもと、察したり、あまり本気で怒らない。
あくまでごっこ遊びの場所なんだという形ができる人じゃないと厳しいなと思います。

これらの力を伸ばす学習のためにやっている。
これは最低限の前提条件でもあるんですよね。
伸ばすためでもあるし、前提条件でもあるよと。
論理力がすごく高い必要はないんだけども、やっぱり限界もあるよね。あまりにもないと駄目だよねという。

例えば発達障害の人の例だと、意地悪な言い方をするかもしれないし、怖いかもしれないですけども、それが強すぎる。
発達障害の人はメタ認知が苦手で、相手の立場で考えることが苦手ですよね。
でも、それがあまりにも苦手すぎると、やっぱり自助会では参加を継続すること難しい。

ワーキングメモリが少なかったり、テキストコミュニケーションをしていく中とか、Zoomで話してく中で文脈を読み間違えたり、言葉尻だけ押さえてしまう、言葉の中の一部分だけが気になってしまって、文脈を読めずにそこで誤解して傷ついたり、怒ってしまったりする人はやっぱり参加できないということです。
あと自分で意見を言えないとかね。
ごっこ遊びも含めコミュ力ですよね。コミュニケーション能力。
コミュニケーション能力というのは、ごっこ遊びの中の一つの能力とも言えます。

あと、感情表現が苦手とか感情に支配されてしまう。
不安障害、人格障害、トラウマの人でパニックになってしまうとか、そういう感情的になりやすい人はやっぱり参加困難ですよね。

これはあくまで例ですからね。
ごっこ遊びは、発達障害、境界知能の人たちだと苦手。
これが重くなければいいんですよ。
でも、あくまでそういう場所なんだとか、病気の人の集まりだから本気で怒っちゃいけないよねとか、自助会は発達障害の人は全然いますから大丈夫なんですけど、不安障害の人もいますかね、全然大丈夫なんだけども、ある程度は軽くないといけない。

リョーハムさんだって結構重いからね。
だけど言われたら「よくわかんないけどそうなのかな」とか「よくわかんないけれども、自分が間違っている可能性があるな」と思える人、ごっこ遊びができる人じゃないとちょっと厳しいなと思います。

◾️棲み分けは必要

ずるいんですよね。プロの人から見ると、益田はずるいことやってるなと思うと思います。
リアル会をやっている人たちとか、福祉の現場の人たちから見たらずるいなと思いますよ。
重症の人を見ずに、軽い人だけ、悪い言い方をしたら、上澄みだけを集めて心のことを語って自己満足しているんじゃないか。
本当に苦しんでいる人たちを救ってないじゃないかという批判もあると思います。
ずるいと思いますね。

本当に重い人、本当に手がかかる人たちを僕らは排除している、限界だから無理ですよと言ってるのは酷いなと思います。
酷いなと思うんだけれど、会を維持していくためにはどうしてもそれが必要だったりする。

やっぱり医療福祉は限界があるんですよね。人の力にしても、マンパワーにしてもお金にしても時間にしても。
だから棲み分けをして、効率化していって専門性を高めていくことはどうしても必要なんですよ。

これは僕がずっと臨床していく中で、いろいろな人とディスカッションしてく中で出してきた結論でもあります。
なので上澄みだけという形で酷いような印象を受けるかもしれないですけども、出来るだけ多くの人を救いたいと思いながらやっているということです。
でもこういう限界性がありますということですね。
これを皆さんに意識してもらいたいなと思います。

僕らも運営をやっていく中で、混乱したり、困ったり、時にはバーンアウト寸前になったり、悩んだり、色々してきました。
中川さんとリョーハムさん、さわきさん、皆さんといろいろ喋ったりしてきましたけど、本当にいろいろ悩んできましたから、そういう中でこうなんだなという話が、やはり限界、医療の限界、知的な能力の限界、不安が強い人の限界というのも認めざるを得ないというか。
でも、その中でできることは何なのかというのを考えてきたわけですね。

これも含めて僕らが2年間で学んできたことでもあります。
ごっこ遊びが難しいとか、感情に支配されすぎてしまうとか、いまいち論理力が付きにくい人たちは、お断りすることが時々あるということですね。

普通にやれば大丈夫なのであまり心配にならないでほしいんですけど、こういうことを考えてやっているということです。
今回は、限界性とかデメリットについて語ってみました。

◾️本日の宿題

宿題は、限界性について皆さんと考えていきたいなと思います。
残酷ですけども、限界性を感じたとか、そういう場面はいっぱいあると思うんですよね。

本当に自分は障害があるんだとか、自分は本当に弱さがあるんだと。
益田ドクターは嫌なことを言うな、でもそうだなと。
この限界性について皆さんが感じたこと、考えたことをコメント欄に載せてくれたらなと思います。

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