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【ゆるぽむ日記】群馬県桐生市は、もの作りの音がする町。

ポチャン、と音がする。

静かに強く紙を漉く、数百年前から変わらぬ和紙の音がその場に響く。

近くて遠い、水の音。その手が紙を、作り出す。

紙は、木からできているのだと肌で知る。木を育て、皮を剥ぎ、手で繊維をほぐして「トロロアオイ」と混ぜられる。(小松崎さんはこの場面で非常に興奮していた)素材を混ぜ、色を出し、模様を付けて、紙にする。

気が遠くなるほどの繊細な作業を、彼は群馬県に残るただ一人の桐生和紙の職人として日々淡々と続けていた。


若い人は、紙を買わなくなったのだと言う。

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