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【待てない男女#4】自分を好きになれる男、好きになれない女

「結婚したら一丁上がり」。そんな恋愛結婚レースに巻き込まれ、「早く結婚しなくちゃ」と焦りだす女性たち……。

でもそもそも、なぜ結婚する必要があるの?

そんな疑問から、もとくらで「TSUGI」やものづくりにまつわる記事を書いてくれている、中條美咲さんと編集部・立花で、現代を生きる男女の生態を暴く「待てない男女」という連載を始めます。

4回目となる今回は、「肩の力を抜くにはどうすればいい?」というモヤモヤについて。

第一回:【待てない男女】そもそもみんな恋愛したい?結婚したい?【プロローグ】
第二回:【待てない男女#2】結婚する必要ってありますか?
第三回:【待てない男女#3】もっとも大切にすべき“パートナー”とは

立花 ただ……周りの相手に何も(恋愛や結婚など)期待せず、自分で自分をいたわり続けるのって、すごく孤独で、覚悟がいるというか、そう簡単なことではない気がします。

中條 確かに孤独だし、少し修行みたいですよね。ただ、一方で同じように自分と丁寧に向き合い、魅力を引き出そうと見極めている人たちはお互いにシンパシーを感じて自然と集まり、つながっていけると思います。

なんていうか、何も期待しない・期待することを諦めるというよりは、初めから物事を限定せずに可能性が生まれる心の余白を、きちんと自分で確保しておくというか。「自分は○○だから無理」とか「私は××だからできない」という思い込みや自分の可能性に対する縛りを緩めていくと、本来それぞれが持っている魅力がすくすくと解放されて、いろんなことを自分でコントロールしようとしなくても、出会いも、きっかけも向こうからやって来るようになると思うんですよね。

立花 類は友を呼ぶ的な。

中條 そうそう。(笑)そして一番大事なのは、その、やって来たものたちのうち、どれが自分にとって大切なのか、時間をかけて育んだり、一緒に歩んでいきたい人・物事なのかを瞬時に見極めてつかめるように、感覚を磨いておくこと!

立花 そうですね。私利私欲にまみれた人も、うっかり混ざって寄ってきそうです(笑)。

中條 魅力的な人って、自分の感覚を研ぎ澄ますことをとても大切にしているし、楽しんでいると思います。軸はつねに自分にあるというか。だから、必要以上に誰かに何かを求めたり期待しすぎて、思い通りにいかないと相手を批判しておしまいにはしない。また会いたいって思わせて、結んでいくんです。あとは、自分を許したり、ほめたりすることも得意だと思います。

立花 確かに! 私、伊佐(もとくら編集長)を2年くらい近くで見ていて気づいたんですけど、いい女とかいい男、まあ男女に限らずいい人って、とにかくよく周りを褒めるんですよね。あと「ありがとう」と「ごめんなさい」を、立場に関係なく、ちゃんと目を見て言うんです。

中條 うんうん。自分を許したり褒めたりできることは、その人のいい部分を素直にほめたり生かしたりできる。そうすると周りは嬉しくなって、幸せな気持ちに満たされて、本人も嬉しい気分になる。

立花 そうですね。そういえば、松浦弥太郎さんも似たようなことをおっしゃってました。「自分が気持ちよくなるために、周りのいいところを探したい」みたいな。

中條 キレイゴトかもしれませんが、そういう気持ちでいられると、自然と幸せを集められるんじゃないかなぁと思うんです。「なんであの人ばかり!」って常に誰かと自分を比べてしまうと、妬みやひがみ、嫉みにまみれて、自分も周りも疲れちゃいますからね。

立花 美咲さんは、自分のこと好きですか?

中條 そうですね……。

もともと私は、ものすごく自己否定が強い人間でした。学生の頃の口癖は「どうせ自分なんて……」でしたし、自分の笑顔についてもコンプレックスがひどく、笑わないことを心がけていた時期もあったほどです(苦笑)。

周りの人に対しても、自分自身についても否定的な感情から見てしまっていたので、そんな自分を到底好きにはなれませんでした。

立花 ふんふん。

中條 結婚してというよりも、旦那さんとの出会いと生活を通して、ずいぶん自分のことを受け入れられるようになりました。もちろん以前から、関わる人や物事に批判的ではなく、受容的になりたいと修行のように心がけてはいて、いろんな人たちの関わり合いによって少しずつ、変化は続いています。

基本的に彼はすごく楽観的というか「私が楽しそうなら、自分も満足」というタイプでもあるので、私が日々のあれこれに感情を奪われて悲しんだり傷ついたり怒ったりしていても、その上自分にそのとばっちりが降りかかろうと、彼はいつも通り平常心なんです。

立花 なんという懐の深さ……。

中條 どんな自分であっても、普段通りの彼がいるから、自分は自分の感情に素直でいても大丈夫だと思えるというか。一緒にいて楽しんでくれる人がいる、自分を必要としてくれる人も世の中にいる、と考えられるようにもなりました。

家族ではなくあくまでも他人だった人が、めんどくさい自分にこれだけ寄りそっていてくれるのは根本的な自信につながることは確かです。

立花 そうですね。

中條 前にも少し話題にでましたが、「自分を認めてくれる他人」というのは、恋人や夫婦に限らず、日常の様々な場面で関わりを持ち、表面的よりももう少し深い部分で頼ったり受け入れたりできる存在といいますか。

立花 自分で自分を認めてあげるのが先か、そういった“パートナー”に受け入れてもらったという安心感が先か分かりませんが、そのいずれかが満たされると、どちらか一方も自然についてくるのかもしれません。

中條 立花さんは、いまどのくらい、自分が好きですか?

立花 うーーーーーーーーん。

完全雑談ですけど、このまえ電車の中で窓に映る自分に「今日はよく頑張ったねえ」って心の中で言ってみたら、それだけで泣けてきたことがあって。ほんとに自分をいたわってなかったんだなあと思いました(笑)。

中條 (笑)

立花 なので、今はトレーニング中です。

くいしん 僕も、ちょっと登場していいですか?

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